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おいで波

イル・ポスティーノという映画を観ました。
イタリア映画でした。
写真何も関係ないです。

 ワタシが最も、最、1番好きなキャラクターのブローノ・ブチャラティさんが好きな映画です。
ブローノ・ブチャラティさんはジョジョの奇妙な冒険第5部黄金の風に出てきます。この方もナポリの漁師の息子です。悲しい人間です。

 冴えない無職が詩人に郵便配達するお話です。
 冴えない主人公は、詩人さんが持っている言葉や芸術に触れて、人生においてかなり前向きに言葉を選ぶようになります。
素晴らしく澄んだ詩を書こうとします、つぶやきます。

 映画の本質とはズレますが、芸術の力を用いて前を向こうとするのは、凡人にとって自分ひとりではとても難しいのです。
 ワタシは天才になりたくて、天才ぶろうとして天才の振りをして生きてきましたが、中学生になって素晴らしい芸術人間に直接触れあうまでは、ただの痛ガキ退助でした。
ちなみに今も天才ぶってます。

 素晴らしく心の広い芸術人間とともに時間を過ごすということは、自分自身の姿の次元を変えていくことすら可能なのですが、
その芸術人間に対して永久に劣等感を抱き続けます。
仲良くなればなるほど。凡人なので大変傲慢ですね。ワタシの作品は嫉妬でできています。

かなりどうでもいいですね。

海辺、という単語、海辺という場所から抽出されたいろんな感情が入り交じる映画はたくさんあります。日々にもあります。
それでも、それらが明確に言語化され、もう一回ぼやかされ、感動を誘うわけでもなく、
ただただ見終わったあとに残ったのは、やさしくなろうかな〜というとても前向きな気持ちでした。

使命とか運命とか、そういうものから解き放たれた、もっと自然でやわらかな物語だったような気がします。
気がするだけで、実はガンジガラメだったのかもしれません。とても深くから。

あと愛って素敵だな〜と思いました。
ありふれていても、捉えられた一瞬が言葉になる様、その対象に向けられた言葉は人が発する言葉の中でも最も鮮やかでかろやかなのかもしれないですよね。
重苦しい愛情だって、心が踊れればいいのですよね。多分。そんなの映画になかったけど。

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