人生初ってくらい髪の毛伸ばして、切った。
小さい頃から、私はずっと髪の毛が短かった。
髪の毛が少しでも長いと、鬱陶しくなってすぐ切った。
ちょっと伸びて髪を結ぶにもどうも不器用で上手く結べないから、どうしても変になる。
それにショートヘアの方が明らかに似合うのも分かってたから、ずっとショート。長くても肩につくくらいのボブだった。
そんな私が、いろんな我慢を経て約3年くらいの時をかけて40㌢超えのロングヘアに挑んだ。
何故か?
それは、ヘアドネーションのため。
そしてその髪の毛を、ついに切った。
今から話す話は、私がヘアドネーションを知って自分が挑戦し、実際に髪の毛を送るまでの過程の話。
ヘアドネーションのきっかけ
遡ること3年前。
ちょうどコロナが流行り始め、思うように外出出来なかったあの頃。
医療従事者である私は、そうじゃない方々よりも外出を控えていて、遊ぶどころか、美容室に行くことすら憚られていた。
本当は美容室くらいなら行っても良かったんだろうけど、無言の圧力というか、同僚が美容室に行ったときもあまりいい顔されていなかったから、自然と私も行くのを控えていた。
当然髪の毛は伸びる。
それで、ずーっと放置してたらあっという間に髪の毛は肩下くらいまで伸びていた。
「あーこんだけ伸びたの初めてかも」
と思うと、あんだけ切りたがっていた髪の毛を切るなんて勿体無い気がして、うーんどうしたものか、と悩んでいた。
そんな時、ふと思い出したニュースがあった。
それはとある小学生の男の子が、自分の髪の毛をヘアドネーションしたというニュース。
「誰かのために」という思いで、周りの視線なんか気にせず、自分のやりたいことをやってみせたその少年の意思を思い出し、私もせっかくなら記念にやってみようかなーと何となく始めたのが、私がヘアドネーションをするきっかけだった。
少年のような高尚な思いじゃなくて、本当になんとなーくの軽い気持ちで始めた。
切りたいという欲求と不器用さとの戦い
何度も言うけど、私はロングヘアというものを人生でほとんどしたことがない。
ショートの方が似合うし、ロングにするとなんか老けて見えるというか。
似合わないことはないんだけど、ショートの時より魅力が劣る気がした。
それにヘアアレンジが本ッ当に苦手。
NIGATE OF NIGATE
不器用なおかげで、髪の毛を巻いたり、編み込んだりは基本ヘンテコリン。
なんなら、前髪を巻いたり、髪の毛を結ぶなんて中学生で大概の女子が習得するであろう技術すら成人してからも習得できておらず、すごく困った。
YouTubeで「ヘアアレンジ 簡単」とか「巻き方 初心者」でめちゃくちゃ検索したのが懐かしい。
それに細毛で絡まりやすい私の髪の毛はロングにすると、それはもうストレスが多く、ブラッシングの時何度「あーーー!!切りたい!」と思ったことか。
美容室に行った時、「もうバッサリ切ってください」と言う言葉が常に喉元まで出かかっていたけど、「いやいや、もう少し頑張るぞ」と自分を奮い立たせ、一生懸命ケアした。
その甲斐あって、なんとかヘアドネーションをできる髪の長さまで伸ばすことができた。
毎日ちゃんと我慢した過去の私たち、本当にありがとう。
貴方達が1人でも諦めていたら、私は今日何も出来ずに1日を過ごしていた。
いよいよ断髪式!
今日ようやく美容室に行ってきた。
いやー長かった〜。
グッバイ!私の髪の毛たち!
ということで、どのくらい伸びたかこちらをご覧あれ。
ヘアドネーションに協力してくれる美容室に、ヘアドネーションの意思を伝えて、ジップロックと、結ぶ用のシリコンゴムを渡した。
「あ、準備してくれたんだ!うわー初めて〜自分で持ってきてくれたの」
え、まじ?
聞くところによると、その美容室でも何回かヘアドネーション用に切ったことがあるものの、ほとんど美容室側で袋もゴムも準備していたらしい。
手ぶらで良かったんだ。
※と言いつつ、多分美容室によって違うと思うので、もしする方は事前に確認するか、持って行くことをオススメする。
髪の毛をちゃんと測ってもらいながら、やりたい髪型との写真と照らし合わせ、丁寧にゴムで結んでいってもらう。
測ってもらったところ、平均して35㌢くらいで切ってもらうことになった。
よし、いよいよ切る。
最初の1束は、美容師さんから「切ってみる?」と言われ自分で切った。
チョキン。
髪の毛の束がしなりと手の中に落ちる。
グッバイ、私の髪の毛。
それから順調にバッサバッサと切っていき、あっという間に私の髪の毛は顎あたりくらいまで短くなった。
全ての髪の毛の束を切り落とした後は、髪型を整えていってもらう。
「ウルフボブにしてください」とお願いして、出来上がった自分がこちら。
そうして切った髪の毛を、ジップロックに入れて持って帰る。
髪の毛を送るよ!
切った髪の毛を、ヘアドネーションを募集しているNPO法人に送る。
今回私が送ったのは「NPO法人 JHD&C事務局」さん。
医療用ウィッグとして、髪の毛に悩む子供達に無償で髪の毛を提供しているということで、ここに決めた。
レターパックと先ほどの髪の毛、そしてドナー用紙を準備して、配送の準備をする。
ドナー用紙を記入して、髪の毛と一緒にレターパックの中に同封したら、封をして事務局の住所を書く。
私は直接事務局に送ったけど、和歌山県の和歌山刑務所にある白百合美容室に送る方法もあるみたい。
そして、そのレターパックをポストに投函。
おめでとう!これで私の髪の毛は無事にヘアドネーションされた。
ヘアドネーションを終えて
ヘアドネーションをする前は、こんな「染めまくりの、ダメージヘアでいいのかな?」と思っていた。
でも、よっぽどダメージが無ければ髪の毛を染めていても、パーマをかけていても、白髪でも、細毛でも、太毛でも大丈夫であることが分かり、まずは「やってみよう」と言う気持ちが大切なんだと思った。
そして実行。
いろんな葛藤があったり、「短い方が似合うのに」とか「鬱陶しくない?」言われることも多々あった。
中には、「山姥みたい」「髪の毛貰うほうも選ぶでしょ」とか馬鹿にされたこともあった。
でも、私は自分の髪の毛めちゃくちゃ美しいし綺麗だと思っているし、やりたいと思ったことをやってるだけなので、ヘラヘラ交わしながらその言葉に心の中で中指立てていた。
何もせずに何かをやり遂げようとしてる人を馬鹿笑うのは、世の常。
私は、自分のやりたいことをただやっただけ。
そして、そんな私の思いを髪の毛と共に受け取り、誰かの美しいウィッグになってくれたら、それほど嬉しいことはない。
私の髪の毛よ、永遠に幸あれ。
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