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シン・ゴジラ

庵野秀明監督作品、長谷川博己氏主演映画「シン・ゴジラ」。

公開当初に見て、あまりの衝撃になかなか頭から離れなかった今作。
ゴジラの迫力、そのゴジラに恐れ慄く人間。
そして、政府側の慎重すぎる対応。
全てがリアルな視点で描かれていて、見ていてずっと鳥肌が立っていたのを、今でも覚えている。

私は特撮が特別好きというわけじゃなかったけれど、この映画はなんだかとても好きな作品になった。
DVDを買うほどには。

シン仮面ライダーをみて、また今一度見返したので感想を綴ってみようと思う。

あらすじ

ある日突然東京湾で水蒸気爆発が起きた。
その事故の報告はすぐに総理の耳にも入り、原因究明のため慌ただしく動く日本政府。
地震か、海中火山の噴火か、あらゆる自然災害の可能性を考え対応に追われる日本政府だったが、その原因は海の中に潜む巨大な未確認生物だった。
なんのために、なぜ日本に上陸したのかーー。
目的も正体も分からないその巨大生物は、荒ぶる神化身の意をもつ「ゴジラ」と名付けられる。
生きながらまるで進化するように形態を変え続け、圧倒的な力を持つゴジラに翻弄される日本。
そんな中、内閣官房副長官を務める矢口はその存在に対抗する術を見つけるが、海の向こうの大国は、首都での熱核攻撃をしてでもゴジラを駆除しようとしていてーー。

当たり前の日常が壊れていく

なんの前触れもなくやってくる未知の脅威という点で、ゴジラは自然災害のメタファーと言っても過言ではないと思う。

ゴジラが通った東京の街並みのグチャグチャ具合を見て、東日本大地震の時の東北の風景を思い出したのはきっと私だけではないはず。
忘れもしない2011年3月11日。
あれから12年経った今でも、あの日テレビ越しに見た津波の脅威と、被災地の悲惨な状況は鮮明に思い出せる。

ゴジラもある日突然日本に上陸し、ほんの少しの時間で日本という国を絶望の淵へと叩き落とした。
次々と建物を薙ぎ倒し、それと同時に家族、友達、恋人、様々な人間関係を引き裂いていく。

「大切なものを失った悲しみは癒えない。でも乗り越えることはできる」
シン・ゴジラ/矢口蘭堂のセリフ

物語終盤、矢口がみんなの前で語ったこのセリフが、この物語を通しての制作側からのメッセージと受け取っている。

「スクラップ&ビルドでこの国はのし上がってきた」
シン・ゴジラ/赤坂秀樹のセリフ

災害が多い国日本。
それでも、ゴジラを倒した時のようにさまざまな絶望から立ち上がり、復活していく。
日本の底力を信じているからこその作品である。

内閣総理大臣もまた1人の人間

この映画は、未曾有の危機が迫っている時の日本政府のリアルな動きを描いている。
そして、その決断を下すのは、そう。
内閣総理大臣。

ゴジラを保護するのか駆除するのか。
ゴジラに攻撃するのかしないのか、
するとしても武器はどこまで使うのか。


とにかく何でもかんでも総理のゴーサインがないと始まらない。
逆にいうと、総理が「やる」と言えば、銃撃戦もミサイルも発射も行われてしまう。

さすが国のトップ。
この映画での総理は本当に頼りないのだけど、日本の運命、そして一億三千万人の命はこの人の一声によって大きく左右される。
その重圧の描かれ方が、まずすごく良かった。

(余談だけど、この総理大臣の役を大杉漣氏が演じていた。
この頼りないけど、一応威厳があるような絶妙な役柄を演じることのできる大杉漣の演技が好きだった。本当に惜しい。)

でも所詮、総理大臣も1人の人間。
ただの人間。
ゴジラの前では、ただのちっぽけな生物。

ゴジラとって線路の上のおじいちゃんも、ヘリコプターのなかの総理大臣も一緒だから容赦なく命を奪われていく様は圧巻の一言。

死は誰にだって平等に訪れる。

それは絶望でもあり、救いでもある。

何言ってるか分からんけどカッコいい

矢口の元に有識者が集まって作戦会議をしてる時のシーンがめちゃくちゃ好き。
ゴジラについて、数多の専門知識と専門用語を駆使して話し合っていくシーンはこの映画、いやのちに続くシンシリーズの代名詞とも呼べるシーンである。
高度な専門用語が矢継ぎ早に飛び交うため、何を話しているか全く分からない。
私はこの映画を劇場で一回、そしてDVDで何回か見て、先日またもう一回見返したけど、とてもとてもあの作戦シーンで何を話しているか、きちんと理解はできていない。
なんとなくでしか分かっていない。

でも、なんだかカッコいい。

何かわからないけど、決して飽きることはなく、見ていてすごくワクワクするし、漠然とした憧れのような気持ちを抱く。
自分が理解できないことを、最も簡単にやってのける人々には羨望の眼差しを向けざるを得ないし、それで実際にゴジラの動きを止めてしまうわけだからカッコいい以外の何者でもない。

なにか派手な絵面なんてなく、ただ地味な会議室で人がただ喋ってるだけでこんなに心を奪われてしまうのところが、この映画の魅力の一つだ。

自衛隊もかっこいい

戦闘機がカッコ良すぎる。
先ほど派手な絵面ではない会議室のシーンがカッコいいと言ったが、やはりゴジラを攻撃するための自衛隊のシーンはもちろん全てかっこいい。
私はミリオタではないけど、そんな私ですら劇中に出てきた戦車や、軍事用ヘリ、戦闘機全てにおいて目を輝かせるほどの魅力を放っている。
それを乗りこなす自衛隊の隊員も、超絶かっこいい。

ゴジラとの戦闘シーンだけでもこの映画を見る価値がある。

ゴジラの造形が良すぎる

私が1番言いたいのはこれ。

ゴジラの造形カッコ良すぎるだろ!!!

私特撮なんて今まで見たことなかったけど、ゴジラの造形が好きすぎて、特に第四形態のゴジラ、カッコ良すぎないか。

父がこの時ゴジラのフィギュアを買っていて、羨ましく思った私は、自分もフィギュアを買おうか迷いに迷った。

結局「一家に2台ゴジラはいすぎ」
という結論に至って買わなかったけれど、見返すたびにやっぱりあの時買っておけば良かったと思うくらいにはゴジラの姿形がお気に入りだ。

自分が怪獣にこんなに心惹かれると思ってなかった。
冷静に考えれば悍ましい生き物のはずなんだけど、なんでだろ。

最後に

いやー久々に見てみたけど、感想を書く手が止まらないったらありゃしない。
またまた話したいことはあるのだけど、流石に長くなりすぎるのでこの辺で。

あ、こんだけゴジラ好き好き言ってるけど、このシンゴジラしか見たことない。
ゴジラが始まった時、私は生まれてなかったっていうのもあるけど、これが初めてのゴジラ映画。

他のゴジラも見てみようか。
特撮詳しい人どうか無知な私にご教授を。
ぜひシン・ゴジラの感想も聞かせて欲しい。

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