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とあるハンドメイド作家の日常(仮) -6日目月曜日-

怒りは何も生み出さない。

姦しい声で起きろと叫ぶスマホを
人差し指で黙らせて
扇風機で冷えた体を
ゆっくりと起こす。

昔ながらの水銀の体温計を
スナップを効かせながら振り、
脇へと挟む。

5分経過する間に頭を回し、
ボーッとした頭を無理やり起こす。

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熱は正常、問題なし。
体温計を元に戻し、
少しボーッとした後、
朝ご飯の準備をする。

食パンを電子レンジに入れ
トースター機能で焼き始める。
その間にお弁当の準備をする。

時間は7時10分。
今日は起きたのが少し遅かった。

勢いよく喚く電子レンジを開け、
熱々のトーストを取り出す。
マーガリンを塗り、
はちみつをたっぷりかけるのが
私の中で最近流行っている。

ぽたぽたとはちみつが落ちるので
流し台で立って頬張る。
ひと時の幸せ。
このまま時が止まればいいのにと
頭の中で呟きながら
無くなっていくはちみつトーストを眺めた。

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時刻は7時40分。
そろそろ出発の時刻だ。

電車が遅れていませんようにと
願いながら、夫に声を掛ける。

「今日は(夫の仕事早く終わるから)
   ご飯作るの?」

と。

「そんな時間ないよ」

と一言。

(時間がない…?
私よりも早く終わるよね…?)

私より早く帰ってきて、
なんの時間がないと言うのか…
少なくても私よりは早く帰るに違いない。
それなのにも関わらず、
私がご飯を作るのか…?

「ご飯いらないってことね?」
「うん、大丈夫。」
「わかった。」

はぁ、とため息が出る。
そうだった、期待してはいけない。
期待をするから落胆するのだ。

家事は期待しない、決めたじゃないか。
自分でやろうって決めたじゃないか。

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そうして仕事に行き、少し明るい帰り道。
LINEで連絡があり、

ブリが安かったから、
夜ご飯はブリ照りだと言う。

朝のやり取りなんだったの一体。
私のモヤモヤ時間を返してくれ。

ブリ照りは楽しみだけれども。

そんな怒りを宥めようと
スマホに言葉を連ねていく。
ため息を織り交ぜながら。

とあるハンドメイド作家の日常(仮)
-6日目月曜日-

【スチパン魔導具製作家:永輝-NAKI-の生態】
1982年5月13日、木曜日生まれの40歳。
おうし座、A型、左手だけマスカケ線、
数秘術11、九紫火星。
京都府生まれ、ひとりっ子。
親の都合で中学から東京へ引っ越し。
標準語・関西弁の2言語を話せる。
ゲーム実況者さん2グループを推しとし、
毎日元気をもらっている。

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