第二の故郷と、生ひ優る

初めてインドへ行ったのは2006年のこと。
私は17歳なりたての高校生だった。
インドではようやくカラーの携帯が普及し始めたころで、私の日本の携帯はうらやましそうな目で見られていた。
私はインドの街並みに残るレトロさ、温かい人々、伝統的な家族観、いにしえから息づく宗教に魅せられてしまった。

それから私は大学院でインド政治を学んだ。ヒンディー語とインド文化の知識を深めた。インドだけでなく日本でもインド人の友達ができた。今では、インド料理も少しは作れるし、インド人と仕事しているし、インド人にサリーを着せてあげることだってある。
けれど去年、インドのことならだいぶわかったぞ、どうだ、と思い上がって訪れたインドは、思っていたよりはるかに成長を遂げていた。
友人たちは私のより新しいiPhoneや廉価版最新スマホを使いこなす。データプランだって日本より大容量低価格。道にはAmazon Primeの広告があふれ、電子決済もなんのその。地下鉄地図もどんどん複雑になる。私自身が新しいことを学ぶスピードに大差をつけて、インドは進んでいた。
ただ「進んだ」だけではない。彼らは真新しい技術を吸収しながら、その技術は常に昔からの家族や友人とのつながりのために、宗教や文化のために使われている。これはインドの、インドだからこその、成長の姿だった。

一瞬も目を離さないでいるつもりなのに、気が付くと真新しい姿へ進化している第二の故郷。到底勝ち目はなさそうだけど、私も生涯をかけて「私ならではの、より良き姿へ」・・インドとともに成長したい。







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