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BADでも納得するペルソナ4Gの魔力【P4Gクリアレビュー】

先日スイッチやPS5で配信が開始されたペルソナ4G。
早速クリアしたので、その感想とレビューです。

結論:
忘れられないゲームになった

未プレイの方には自信を持ってオススメしたい一作です。

※物語の核心に触れるネタバレはありません。
一部、終盤シーンのスクショ画像はあります。

プレイフィール

ペルソナ4については、アニメで視聴済み。
おおよそネタバレと言えるネタバレは全部知っている状態でプレイをしました。
ペルソナのプレイ歴はP3→P5のみ。P4はこれが初めて。

その上で、とても面白かった。ものすごくのめり込んだ。

充実しすぎた日常パート

出会ってひと月の関係性じゃねぇよ、これ。

P3やP5よりも、普段のイベントが面白かった。
クラスメイトの4人でダラダラしてる様はまさに青春。
目を閉じればこのBGMと一緒に思い浮かんでくる。

完全無欠だと思われていたP5の欠点に気づいてしまった。もっと日常は充実しても良かったよなぁ。

続きが気になるメインストーリー

メインストーリーの訴求力はいまのところ随一かも。
「犯人は?」「裏切り者は?」「次は誰が犠牲者?」
謎が謎を呼んで、ついつい進めたくなっちゃう。

P3以降の作品を遊んだユーザーならわかると思うけど、ぶっちゃけメインってめんどくさいよね。だってコミュの方がおもろいんだもん。

でも、P4は10月に最後の仲間が加入して以降、物語が加速していく。

これがホントに面白い。引き込まれる。止められなくなる。
ペルソナはやっぱり11月からだね。

特に後半の選択肢は、エンディングを決める重要なモノ。
間違うとBADに直行するので、選ぶのにとても緊張しました。

アトラスの作品にしては珍しく、しっかりと大衆ウケを狙ってきた印象。
それも滑ってるわけじゃなくて、マス層にも届いてる。
随所にペルソナ3の反省が見られる作品でした。

ネタバレ防止なのでお話はここまで。
さぁ、君も八十稲葉へ行こう!

※ここから終盤のスクショを使います。
未プレイの方はご注意。

良かった点

シリーズ屈指のスタメンキャラたち

よく「4は仲良すぎ」って言うけど、それは本当にそう。
というか、キャラがみんな好きになれる。嫌味も臭みもない。どうしたアトラス。

お前が愛される理由がわかるぜ。

狙った感じの薄寒さがなくて、キャラの言動が一致してる。
メインに挟まれるギャグパートにも普通に笑っちゃった。
こいつら、ホントバカでおもれーの。

完二ホントに好き。そんなお前に触っていいか?

キャラクターへの愛着はいろんなゲームの中でも随一。
P4は本当にパーティ構成に迷う。みんな使ってやりたいのよ…。
ここの魅力が強かったからきっと日常が楽しかったんだなぁ。
P3や5も悪いわけじゃない。これは4が良すぎた。

各キャラの最高得点は3や5の方が上だけど、アベレージが高いのは4だと思う。共感してくれ。

脇を固めるサブキャラクター

コミュについていうと、アルカナごとに当たり外れは大きそう。
これは5とは対照的。5は逆にアベレージが高かった。

小夜子さんと付き合えないとかいう致命的なバグ。修正はよ。
持病持ちで既婚者の僕には刺さりすぎる。普通に泣いちまったよ。
不器用な叔父貴がとても好き。人間臭くて可愛いんじゃお前。

中でもお気に入りなのは大人組。
彼らの言葉が沁みる年齢になったなぁ。

あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

正義を信じろ。
正義と法王を信じろ。

ファンサービスが鈍く光る

忘れちゃいけないのがファンサービス。

やめろアトラス。その話は俺に効く。やめてくれ。
雪子…お前…。

こういう遊び方もできる懐の深さ。
こうして振り返ってみると思い出ばっかりだ。
何気ないシーンも記憶にバッチリ残るぐらい没入感がすごい。
本当に楽しかったなぁ、P4。

深く刺さる言葉の数々

P4は感情の揺さぶり方が本当に上手。
アトラスが用意した感情曲線の上で転がされるしかなかった。
なすすべもなくやられちゃった。

そう言える千枝ちゃんが好きだ。

ここまで順調に楽しく明るくだったからこそ、決断の選択肢の重みがエグい。僕も初回は普通にBADでした。

個人的に面白かったのは、BADになったことを正当化してる自分に気がついた瞬間。

個人的にはP4でもトップクラスに好きなセリフ。
等身大の彼らが生々しい。

「いや、こうなるでしょ」

誰もいない部屋で、ひとりブツブツ呟いてた。
別にBADになったところで何もないのに、ひとりでに正当化が始まってた。

それはきっと、「確固たる自分の意思」だったんだと思う。

陽介や完二の気持ちもわかる。
でも俺はこうしたい。いまはこの時じゃない。
彼らの気持ちが痛いほど伝わってくるから、こっちの選択にも力が入る。

その結果がBAD。そうだとしても、不思議な納得感がある。

普通、こういうルートが分岐するゲームでBADを引くと「めんどくせ」って思う。

「うわ、また直前のイベントからだよ」
「あれスキップできたっけ」
「あー、あのボスからじゃん」

ネガティブな要素は書き出すとキリがない。
でも、P4にはそれがなかった。BADに不快感がないゲームって初めてかも。

それぐらい没入できるのが、このゲームが持っている魔力なんだと思う。

不満点

15年前のゲームであること

オリジナルは2008年、ゴールデンでも2012年に発売。
本作はそのリマスター(ベタ移植)であるということ。

メニュー画面。当時はオシャレだったんだぜ、これでも。

ペルソナ=オシャレだけれど、それは他のRPGと比較して。
直前までP5をやっていた身からすると、どうしてもマイナス面が気になってしまう。

お前がカッコ良すぎるんじゃ。

「5のシステムで4をやりたい」

5→4でやったプレイヤーの99%はきっとそう思う。
シナリオやキャラクターは極上だけど、これはあくまで平成のゲーム。
「15年前のゲームだ」と思わないと、いろんなところが目についてしまうかも。

能面みたいな3Dモデル

例えば3D人形。これが本当にブサイク。

さいかわな千枝ちゃんでもこれ。ヘタなホラーよりも怖ぇよ。

立ち絵は可愛いからなおさらそう思う。無表情すぎる。
Switch Liteでやってたからまだしも、PS勢は結構つらいだろうなぁ。
クソデカモニターに能面ってどんな罰ゲーム? Chilla's Artかな?

不便を感じる戦闘システム

これは5が快適すぎた。
いわゆる「ペルソナ」が遊びたい層にとって、戦闘は結構苦痛かも。
苦痛というか、不便。

画像はP5。これホントに神システム。真のボイスが恋しくなるぜ。

弱点ゲーなのに、いちいちアナライズしなきゃいけない不便さ。

しかも、敵はシャドウ。
「ジャックフロストにはアギ!」みたいな悪魔メタも通用しない。

いや、キチいっす。

最初はハードでやってたけれど、途中からヌルゲーにしました。
それでも充分楽しいので、こだわりがなければヌルゲーにしよう。
バトルを理由に投げるゲームじゃない。そんなくだらない理由で極上のゲームプレイを諦めないでくれ。

やっぱり蛇足なゴールデン

個人的にマリーが好きになれませんでした。
マリーのコミュでメイン勢がマリーageするのがとても苦手。

千枝ちゃんが一番可愛いんだ。マリーをageるために自分を下げないでくれ。

ベルベットルームに入るたびに謎ポエムされるのが本当にしんどい。
コミュのためにアルカナ回収しにきたのに、テンポが悪くなる。

マリーを可愛いと思えない人にとって、彼女はただの不快な暴言キャラでしかない。

だからなんだよ。

引っ張った正体も「ふーん、そう」だったし、正直彼女がいなくなろうがどうでも良かった。

よくアニメでのゴリ押しを揶揄される彼女だけど、それは本編も同様。
無印をやってない僕でも、「あ、追加要素だな」ってはっきりわかる。

あと、最悪なのは虚ろの森。
ホント、誰が考えたのアレ。

イタズラにSP(MP)をいじることが高難易度だと思ってるなら考えを改めた方がいい。4Fの渋谷もそうだったけど、許せる嫌がらせと許せない嫌がらせは存在するよ。

それにエンカウントに裁量を与えるためのシンボルエンカでしょう?
追加ダンジョンでそこ没収してどうするのよ。
調整を放棄してプレイ時間を増やそうっていう開発の妥協が垣間見える。
作るならもうちょっと作り込んで欲しいなぁ、アトラス。

ホントに、最後の最後なのよ。
大体が綺麗に終わって、楽しかったスキー旅行の最中にぶっ込まれたクソ。
そりゃヘイト溜まるわ。

中途半端な追加ならないほうがまだマシ。晩節を汚すだけ。
そういう意味で、ロイヤルは頑張ったんだと思いました。

総評

霧が晴れる演出、とても好き。

P3をプレイした後、結局4をやらずに5に行きました。
「この際だから制覇したろ」とやり始めたけれど、やっぱり面白い。

流石に15年前のゲームなので、色々と目立つ部分があるものの、それでもやはり元からある魅力は現代でも通用すると思いました。

ペルソナ4は特にネタバレが酷い印象なので、これからやるならネット封印をオススメ。

とてつもない満足感があなたを待っていることでしょう。
僕は大好きなゲームの一つになりました。

Never Moreで泣こう。
僕からは以上です。

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