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中園孔二個展「すべての面がこっちを向いている」

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2021年5月の記事一覧

中園さんの絵の前に立って。

三沢厚彦(彫刻家)

中園さんの絵の前に立って。
絵がどんどん動いていく、さあ、次に行こう、、やばいよ、やばい、、、何かに引き込まれる感覚をいつも感じてる、、絵の良し悪しを考える前に、、筆が走るんだ、、、絵の具も意思を持って自らキャンパスに蠢いていく、、、あ、この感じ?、、あっという間に時間が過ぎる、、、夜が明けるまで身を任せようか、、もう恐怖は感じない、、、一つの塊になった。

中園さんの絵の前

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中園さんの作品を初めてみたのは中園さんの大学卒業制作でした。

(山口つばさ|漫画家)

中園さんの作品を初めてみたのは中園さんの大学卒業制作でした。
「飾らないことによって露出する狂気」という言い方が適切かどうかわかりませんが、私はそういった作品に誠意を感じますし、単純に好きですし、自分もそうでありたいと思わされます。
そういう作品は画集で見ると怖さが前に出てくるんですが、実際にみると優しさのようなものを感じることがあり、中園さんの作品も例に漏れずそういった

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すべての面とのあいだにある厚み

(西澤徹夫|建築家)

自分にとってすべての面がこっちを向いているだけではなく、他の誰かにとってもすべての面がその人に向いている状態にあるということの確かさ。僕たちがモノを見たり触ったりすると同時に、モノたちも他の誰かを見返したり触り返したりしているということの確かさ。

絵画や建築が僕たちのさまざまな感覚の媒介となっていくことによって、なにか僕たちの営みのようなもの全体、見たり触れたりしたことの

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明るいけど暗い

(真心ブラザーズ YO-KING|ミュージシャン)

明るいけど暗い
うるさいけど静か
満腹だけど飢餓
 
60年代のストーンズのような
澄みきった鶏のスープのような
湿度のあるサウナのような

ことを思いました。

無垢で複雑な「なにか」に会いたくて

(村田沙耶香|小説家)

 最初に中園孔二さんの絵を知ったのは、東京都現代美術館のコレクションに行った編集さんが、「すごい! 村田さんは絶対好きだと思う!」とメッセージをくださったときでした。そのときの印象は、「はっとするほど鮮やかで、それなのに複雑に絡みあう不思議な色彩だな、すこし怖いけれどかわいい、愛おしい」という、なんだか、無垢な感情しか生まれてこなくて、それがこの絵の力であるという気持ちで

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再び初めまして、中園さん。

(黒沢聖覇|タイランドビエンナーレ・コラート2021コ・キュレーター、東京藝術大学)

 ANB Tokyoで開催中の中園孔二展について執筆依頼をいただいた。わたしはこれまでモスクワビエンナーレを含む国内外の展覧会における中園作品の展示、キュレーションに関わり、自身の修士論文でも中園孔二の批評的文脈を確立するべく尽力した。また幸いなことにそれ以降様々な機会をいただき、何度も中園作品について、文章を

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中園孔二さんの絵が好きです。

(ハナレグミ 永積 崇|ミュージシャン)

中園孔二さんの絵が好きです。
見ていると頭を通過する前に笑いがこみ上げてしまう。
なんでだろうな?
友達の痛快なアイデアや物語を聞かせてるもらってるような気分なのかな?
どんな描き方なのか僕にはわからないけど
どの絵も走りながら書いてるみたいに見える。
書いてる側から次もその次もそのまた次も浮かんじゃって
やべ!俺天才じゃーん!?なんて言ってたんじゃない

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