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パチスロ半グレ隊 オッチン 1−4

 矢沢雪男ことオッチンは区役所で考えこんでいる。
 午後からパチンコ屋『ルデクヨ・ソエホモン』に行きたくて仕方がない。なぜ、区役所にいるのか。それは、区役所が好きだから。
 オッチンは、職場の後輩と電話して、人事について喋り続けていた。
 オッチンは、職場を去ることを決意した。
 オッチンは、職場に居場所をなくしてしまったのだ。
 午後は、浮かない顔で『ルデクヨ・ソエホモン』に向かった。駐車場に車を停めて、シートを倒し、仮眠をとった。車内はゴミが散乱していて、オッチンの鼻を刺激した。
 オッチンは頭痛をこらえて起き上がり、ごまかし香水をペタペタつけて、車の外に出た。いきなり何者かに飛び蹴りを食らわされて、2メートル飛んだ。上空でカラスが鳴き声を上げていた。
 出鼻をくじかれて帰ろうと思ったが、やはり行くことにした。店内の台を適当に触ったりイジったり、ウロウロ歩き回ったりする。オッチンは現在37歳。小汚い長髪頭、小心、着やせブタ、風呂嫌いのチンカス男、自称モテ男、天才ドライバー、3流ゲーマーである。
 今日は蹴られた痛みが尾を引いて、オッチンは脳腫瘍になった。パチンコ台がオッチン目がけて飛んできて、見事命中。オッチンはくそ踊りを踊れずに終わり、ジャンプして両手ピースサインで喜んで、職場に辞表を叩きつけた。

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