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自治体の公共施設マネジメント担当になったら読みたい本。

秦野市の志村さんの本。公共施設マネジメントの第一人者である志村さんとは、国出向時代、仕事で一度お愛したことがあって、冷静な姿勢の中に信念を感じる人であった。

僕は公共施設の担当ではないのだが、業務で公共資産の活用に関わっているので、参考になることがあるかと思って読んでみた

本では、公共施設のマネジメントの体制づくりから自治体としての方針策定、住民向けの資料作成、説明を裏付けるエビデンスの作り方など、細かなプロセスについて解説されている。

高度成長期、バブル崩壊期、平成の大合併時と、多くの地方自治体にはハコモノを、大量に建設した時期がある。それらのハコモノが一斉に老朽化をし、建て替えなど更新が必要になるとき、統合や複合化、公民連携手法の導入などを行いながら、持続可能なマネジメントを図る必要がある。

そのプロセスは担当者にとって楽なものではないだけに、志村さんのノウハウが余すことなく書かれている本書は、貴重なバイブルとなる。

特に、自治体の財政状況の捉え方について、経常収支比率や実質公債費比率などの指標や、公共施設の利用率や稼働率ごとの比較の方法など、わかりやすく、自治体職員が対外的に説明する場合に留意すべきことが改めて学ぶことができた。

僕も公共施設の担当になったら、また読み返してみたい一冊だし、いまの自分の取り組みにも活用できるノウハウがたくさん書かれていて、とても役に立った。

志村さんは、庁舎敷地へのコンビニエンスストアの誘致など当時先進的であつた取り組みで知られる。自治体にとって経験のない施策を実行するのはハードルが高い。担当としての志村さんの強い意志によるものだろう。本書にもその意思が随所に感じられるところがあった。自分も、前例のない取り組みでも必要なものなら実行したいと思っており、志村さんの姿勢を見習いたいと思う。

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