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チャネラー江角さんに聞く、チャネリングによる自分の本心との向き合い方

 家族や職場など、周りの要望や期待に応えてきたけど、ふと考えると「自分がやりたいことって本当にこれでよかったのかな?」と思うことはないでしょうか。目の前の仕事や子育てなど人の気持ちをくみ取って叶えていたら、いつの間にか自分のことは後回し。そうする内に、自分の本当の気持ちがどこかへ行ったような、消えてしまったような感覚に陥ってしまう。
 今回はそんな悩みを解決する方法として、自己と繋がるツール「チャネリング」のお仕事をしている、チャネラーの江角悠子さんに伺ってきました。自分の気持ちに寄り添うための大事なポイントを紹介します!


#01 常に自分に問いかける


――「チャネリング」って、あまり聞き慣れない言葉ですが何でしょうか?

 「チャネリング」とは簡単に言うと「繋がること」です。私の捉え方としては「直感」に近いです。「この人なんか嫌だな〜」とか「なんかこの雰囲気が好きかも」と自分の心で本当に感じていることをキャッチする。そういう感覚を掴むことがチャネリングだと私は理解しています。
 誰しも自分の中に「インナーチャイルド(以下、「IC」という)」と呼ばれる、内なる子どもが存在します。それは子どもの頃の記憶や感情からきていたり、本当の自分、魂のような存在だと思っています。ICとちゃんと繋がることが「チャネリング」です。そうすることで、いつでも本当の自分の気持ちを聞くことができるんです。

 普段、私が行っているチャネリングセッションでは、お手紙や対面で質問を受け取り、その相手のICと繋がるセッションをしています。

チャネラー江角悠子さん

――ふだん「自分と繋がる」ことを意識していない人は、どうやってインナーチャイルドと繋がればいいのでしょうか?

 例えばお昼ご飯を考えるとき、「昨日のご飯の残り物があるから、それにしよう」という風に考えてしまうことはありませんか?「残り物を片付けないといけない」という理由で、自分の食べるものが決められている状態です。そうではなくて、自分が本当に食べたいものは何だろう?って、一度考えてみてほしいんです。そもそも、私は今、お腹がすいているのか?とかね。お腹が空いてなかったら、別にご飯を食べなくてもいいとおもうんです。
 自分の行動や気持ちに対して、なぜそう思うのか、なぜそれをするのかをきちんと考えていくと、自分のICと繋がれるようになっていくような気がします

――自分の行動や気持ちに寄り添ってあげることが、チャネリングなんですね。江角さんがチャネリングをする中で、大事にしていることは何ですか?

 チャネリングで大事なことは、常に自分に対して質問をすること。例えば、最寄り駅まで普段は歩いて行くのに、たまたま自転車で行く日があったりすると、帰りは自転車に乗らず、習慣でいつものように歩いて帰って しまうとか。「あ、違う違う。今日は自転車に乗ってきたんだ」って後から気づくんですよね。無意識の力って本当に怖いなって思います。だから、それをちゃんと意識をする。無意識を意識してあげること。
 お昼ご飯の例と同じで、全部自分の「習慣」から行動してしまっている。自分の中の「そういうもんだから」とか「過去そうだったから」などで、行動してしまっていることが多いと思うんです。でも「本当にそうしたいんだっけ?」「過去そうだったからといって、今もそうだっけ?」と、自分に問いかけるようにしています


#02 過去の自分に問いかける


――そもそも、何でチャネリングを始めようと思ったんですか?

 『亡くなった人と話しませんか?』(幻冬舎・2020年出版)という書籍の制作で、スピリチュアル・テラーのサトミさんにお話を伺ったのがきっかけです。そこで「チャネリング」という言葉を知りました。最初は「見えない世界と繋がるなんてできるわけがない」と思っていたのですが、サトミさんは「誰でも見えない世界と繋がれる」と仰っていたんです。半信半疑だったんですが、「HSP(繊細な人)」や「エンパス(共感力の高い人)」についての本を読む中で、私も同じような素質を持っていることに気づき、もしかしたら見えない世界を感じられるのではないかと思い始めました。それにチャネリングができたら面白そうだなと思って、チャネリング講座を受けることにしたんです。

🔼当時江角さんがブックライターとして制作に関わっていた本


――チャネリング講座を受けて、どんなことに気づきましたか?

 全6回の講座で、先生とのセッションが月に1回あって、大抵の人は半年で卒業するんですが、私はなかなか自分のICと繋がれなくて、結局卒業までに 1年かかったんです。講座中は、本当に自分に対する気づきだらけでした。先生に「何でそう思うの?」って聞かれて「あれ、なんでそうだっけ?」って初めて考えるみたいな。

 元々、私は人からの頼み事や誘いを断ることができなくて、断ったら嫌われると思っていたんです。例えば、ランチの誘いを断ると、その人から嫌われるんじゃないかって。でも、ランチを一度断ったくらいで友達が私のことを嫌いになることはないと思うんです。先生から「本当に嫌われるんでしょうか?」と質問をされて、今まで自分が勝手に思い込んでいたことは本当だろうか?と、初めて考えるようになりました

 よく考えると、私は子供の頃に、親の言うことを聞かないと怒られたり、罰せられたりしてきた経験があったから、相手の機嫌を損なわないように生きてきたんです。その昔の考えのまま生きているから、誰に対しても同じことをしてしまっていたんです。


――自分にとっての「普通」が覆った瞬間ですね。講座を終えて、どうして江角さん自身もチャネリングセッションを始めようと思ったのでしょうか?


 2021年に講座を卒業して、2022年からチャネリングセッションを始めました。チャネリング自体が楽しいというのもあったのですが、チャネリングではメッセージを受け取って伝えると、相手に何か喜んでもらえたり、ほっとしたと感想をもらったりポジティブな反応があるんです。
 実はそれって、本業のライターと全く同じ流れだと思ったんです。ライターも話を聞いて原稿を書いて、いろんな人に読んでもらうという流れなんです よ。だから、これまでのライター経験がチャネリングにも活かせるんじゃないかと思い、思い切って始めてみました。


#03 相手の本心とも繋がる


――お手紙チャネリングでは、自分だけでなく相手の本心とも繋がっていますが、どのように繋がるのでしょうか?

 質問のお手紙を受け取ったら、私のインナーチャイルドが相手のICにメッセージを聞きに行きます。ま、それは頭の中でイメージするだけですけど(笑)。仮にAさんとすると、AさんのICのイメージが頭に浮かんできます。そこで、AさんのICに質問を聞いたら返事をくれるので、それを言語化して、Aさんに伝えます。
相手のICは最初ぼんやりとしていて、例えるなら昨日見た夢を人に説明するような感じです。その時に見えた雰囲気(明るい・楽しそう)や色(ピンク・ブルー)、風景や物などを言語化していきます。
 最近のお手紙チャネリングでは、質問を見ただけで相手の欲しい答えがわかるような気がしています。質問をした時点で、送り主もきっと答えは分かっているんですよ。質問を書きながら頭の中が整理されていくはずです。頭の中にあることを書くことで、自分で悩みが認知できて、整理されて、思考が太くなっていくんです。

――相手のインナーチャイルドとも繋がることができるのは面白いですね。
お手紙チャネリングをしていて、印象的なセッションはありましたか?

 はい、あります。思い出すだけで泣けちゃうんですけど。
当時、相手からの質問には「子供が本当に欲しいかどうか、自分でも分からなくなっています。本当はどうおもっているんでしょうか」と書いてありました。相手のICに聞いても「私も赤ちゃんが本当にほしいかどうか分からない」と、最初は言っていたんです。でも聞いていく内にだんだんと「やっぱり欲しい!」と言い始めたんです。最終的には「欲しいと思う気持ちを否定しないで!」って。「子供が出来なかった時に辛くならないように、出来なくてもいい!って強がっていたけど、子供が欲しいって思う気持ちくらいは許してよ!」って本音の心が叫んでいました。

 私の頭では思いつかなかった発想なので、本当に相手のICから届いてきたんだなって、その時感じたんです。
 本心をありのままに伝えることは時に辛いこともありますが、私はそのまま伝えました。すると相手からは「本当にそうですね。自分の心に蓋をして、子供が出来ても出来なくてもどっちでもいいと強がっていました。今回のセッションで、自分の本心を知れて良かったです」と感想を頂きました。お手紙チャネリングを通じて、自分の本心に気が付けるようなお手伝いができたことは良かったなと思いました



#04 書くから、自分と繋がれる


――自分の中で考えているけど、なかなか答えを出せない悩みってありますよね。自分の心と繋がるためには、どのようなことから始めるといいのでしょうか?もし、自分と向き合うためのアドバイスがあれば教えてください。

 今やっていることに集中することでしょうか。例えば「今、この仕事は何のためにしているのか?」、「なんで私は今電車に乗っているのか?」とか。今に集中すると、先ほど話していた「無意識」が減って「意識」するようになると思うんです。人は、今やっていることに意外と集中出来ていない気がします。テーブルに置いてあるチョコを無意識に食べていて、気が付いたらなくなってるなんて時もありますし(笑)。
でも、その無意識の動作や感情を無視しないで、自分にきちんと聞いてあげることで、自分と繋がることはできると思います。そのための手段として、頭に浮かんだことを紙に書き出す「ジャーナリング」は良いと思います。自分の気持ちを書いてみて、そこで初めて気づくものがあります。私の場合は、ずっと書いてきた日記がその役割を果たしているのかもしれません。

 ふだんの生活の中で「自分と繋がる」ことを意識している方は、そこまで多くないと思います。ただほんの少しの時間だけでも、自分のこころの声に耳を傾けてあげることで、自分の本当の気持ちが少しずつ顔を出してきてくれると思っています。長年当たり前や普通だと思っていたことを、これを機に考えなおしてみるのもいいかもしれません。改めて自分の思考や考え方に気づくことで自分の取り扱い方を知り、他者との関わり方も変わってくると思います。

プロフィール:江角悠子(えずみゆうこ)さん
京都ライター塾主宰、エッセイスト・ライター。2022年よりお手紙チャネリングにてチャネリングを開始。普段はエッセイスト兼ライター、ときどき大学講師として、京都にて活動中。9万部発行「亡くなった人と話しませんか」ライティング担当。デジスタイル京都「本と京都」「京都おつけもん探訪記」で連載中。

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取材・文/なかむらゆき


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