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D2Cってアフィリエイトやったほうがいいの?

株式会社ピアラで投資担当をしている中です。

このところD2Cスタートアップやってる友人からアフィリエイトや運用型広告の相談を受けることが何度かあり、その辺をどっぷりとやってる自分からしたら普通のことが比較的有益情報だったようなので、初めて記事を書いてみました。
Noteでよくある有識者の方の超すごいやつみたいなのではなく、最初につまずかないで欲しい方向性みたいなお話です。

読んで欲しい人・読まなくていい人

読んで欲しい人は、まだまだ運用型広告での販売手法が固まっておらず手探りな状態のD2Cまたは通販事業者。一日の広告経由のコンバージョンが10件以下みたいな状態だったり、立ち上げ初期で広告出稿始めたばかりみたいな時期です。
毎月何百万も使って効果合ってるフェーズではまた違う話になってきます。
読まなくていい人は、事業会社で運用型広告の経験がしっかりある方や、web専業代理店やアドテクベンダーなどの方にはイマサラ感満載なので新しい学びにはならない内容です。

初めてなのでまずは自己紹介から。


ピアラには2020年4月からジョインしており、自身のキャリアとしては初の本格的な投資・M&A担当の役割となります。
20代は個人事業主してたり、5年持たなかったですが法人化したりで、最終的にはリーマンショックのあおりを受けて29歳で会社を畳みました。
その後会社の整理をしたり、年齢制限ギリギリのいわゆるギリホリっていうのでワーキングホリデー行ってたら30過ぎてしまったという、そこそこ痛い20代後半から30歳にかけての生活です。
2010年4月にそんな経歴の訳のわからん31歳になった未経験者をチャレンジ枠でインタースペースが採用してくれたおかげで、インターネット広告の世界に入ることが出来ました。
入社から3年ほどは代理店向けの営業をしていたんですが、4年目からはタイへの進出が決まり、その立ち上げの現地法人代表にアサインされるチャンスを頂いて、3年半タイに赴任しアフィリエイトASPの事業をゼロから立ち上げるという経験をさせてもらいました。
その経験を買われ、マーベリックという会社でアドネットワークを立ち上げ直後からお任せいただく機会をいただき、2017-2020年の3年間でかなりの数のアドアフィのアフィリエイターさんにご利用いただくサービスまで育てることができました。
ということで、割と直近までアフィリエイトとその周辺で10年ほどお仕事をしてきています。

個別相談したい場合


これを読んで相談したいとか壁打ちしたいとかは大歓迎ですのでDMで気軽にご連絡ください。
Twitter https://twitter.com/you8naka
Linkedin https://www.linkedin.com/in/yuyanaka/
*広告会社ですが広告を押し売りしたりはしませんのでご安心くださいw
 投資担当をしておりますので調達中のD2C事業者の方も是非ご連絡を。

では本題に。


D2Cはアフィリエイトをやったほうがいいのか?


表現力に乏しくズバリと言えないのですが、フェーズと目的次第です。
フェーズと目的次第、ってなるとだいたい何でもそうなんですがw

相談を受ける中で最も多いパターンが、以下の2つです。
① Facebook(またはInstagram)をやっているがなかなか効果が出ない。
② CPAを安定させて新規獲得をしたいのでアフィリエイトをやってみたい。


まずは①からいきます。


① Facebook(またはInstagram)をやっているがなかなか効果が出ない。


この場合、相談を受けるとFacebook(またはInstagram)をなぜ選択したか、を聞くんですが、だいたいの場合なんとなくやってます。媒体を選ぶときは目的をはっきりさせましょう。
まずはサーチで売れるように研究をしてから他の媒体に広げるべきです。
では、なぜサーチからなのか?
サーチはユーザーがなにか解決したい課題を抱えているときに自発的に解決策を探すチャネルです。さらに検索キーワードでなにを探しているのかが明確にわかるので、自社のプロダクトが解決できる課題と親和性が取りやすいです。
例えばプロダクトが30代後半から40代の男性をターゲットにしたメンズのスキンケアだったとして、「ほうれい線 男性」とかで検索してるユーザーにすら売れない状態で、年齢・性別・興味関心などをベースにターゲティングするFacebookなどで売るのは難しいですよね。
まずは少なくともサーチで超顕在化したユーザーには適切に売れる状態を作ってから、他の媒体に広げるべきです。
*イチナナキログラムさんの様にインスタで独自の世界観を築いて、超研究してインスタに注力してる様な一部の優れたケースは別です。

最近の美容系D2Cの場合、パーソナライズを推しているケースも多いですが、あまりに幅広く待ち構え過ぎてるとユーザーがなにか課題を解決したい状態からソリューションを探す過程でブランドと出会うことが難しくなりますので、このあたりも注意が必要です。

①の結論

まずはサーチからやりましょう。
サーチで顕在層を効率よく獲得することができて、その範囲の出稿だけでは広告予算が余るようになったら他を検討してください。

それでは②に行きましょう。


② CPAを安定させて新規獲得をしたいのでアフィリエイトをやってみたい。


これを深ぼっていくとだいたい出てくるのが、自社で運用している(または代理店にお願いしている)運用型広告のCPAが高いので許容値まで下げにいきたい、だったりそもそも全然コンバージョンが取れないというお話が多いです。
この場合、まずアフィは手を出さずに①でお話したことをしっかりやりましょうとお伝えしてます。
「いや、アフィリエイトに出稿したら成果報酬で売れるんじゃないの?」という疑問が出たかと思います。良い質問ですw
アフィリエイトのASPでどうやって獲得をするかというと、アフィリエイターにこの案件やってみませんか?と提案します。
ここでのアフィリエターの獲得手法は大きく2つに別れます。
-オーガニックトラフィック(SEO)
SEO対策をしてトラフィックを集めてそこに広告を配置する手法。
限られた検索クエリからの流入数になるので、アフィリエターは売れやすい商品を厳選して掲載します。リスティングで超顕在層に訴求するKWでも売れない商品は載りません。
-ペイドトラフィック(広告集客)
なんらかの広告出稿をしてトラフィックを集めてそこに広告を配置する手法。
出稿先はGoogle,Yahoo,Line,Facebookとその他アドネットワークになります。先に広告出稿で支出して成果報酬で広告費を取るので、自社で運用して取れないならアフィリエターも取れなくて当然です。
なので、①がうまく行っていない状況でアフィリエイトをまともな手法でやる限りはアフィリエイトも取れないですし、そもそもペイドのアフィリエイターは自社運用で取れていない様な商品を手掛けません。
ただ注意してほしいのは、取れる場合もあるということです。
ではどうやったら取れるのか?
これはもう手段は一つしか無くて、いわゆるブラック訴求です。過度な効果訴求や薬機法・景表法を無視して例えば一週間で20kg痩せるとか、シミが剥がれるビフォーアフターとかそういったものです。
プロダクトをコト消費や体験としてユーザーに届けて、長期的に関係性を築いていきたいD2Cがやりたい手法では無いはずですし、ブランド毀損につながることも明らかです。

②のまとめ


自社の広告運用がうまく行っていないものは、アフィリエイトに出稿しても取れないか、無理して取ってユーザーを痛めるだけです。
まずは自社の製品が運用型広告で売れていない解決を手段に求めるのではなく、まずは自社の運用型広告でしっかりと販売が出来る状況を作りましょう。

最後に

最初にお伝えした"フェーズと目的"ですが
フェーズとしては、自社で主要な媒体はある程度成功していて多少なり認知領域の施策も始めた(または直近行う前提の検討中)ぐらいでないと、まともな手法での獲得は難しいです。
目的としては、自社の運用がうまく行かないからという逃げの理由でアフィリエイトを使わないでください。自社の運用型広告やSEOを充分やって一定の獲得ができている状態からさらにチャネルを増やすという目的で使ってください。アフィリエイトは最後に追加するチャネルぐらいで考えてください。
特にアドアフィと言われている領域では獲得ボリュームは出せるものの、しっかり管理をしないとブラック訴求でブランド毀損してしまうリスクが高いです。このあたりピアラではすでに数年前から改善に取り組んでいて、場合によっては、大手媒体の審査基準よりも厳しい基準でホワイトに訴求する広告主の新規獲得もお手伝いしています。
この領域ではかなり知見が高まってきていますので、件数とホワイト訴求を両立したいD2Cや通販事業者には是非ご相談いただきたいです。

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