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獣を飼えない私たち

GW前の土日、私と夫は浅間牧場を訪れた。そこで出会ってしまったのである。

※動画が載せられず、gifで失礼します。

「か、かわいい。ウサギ飼いたい」

正確に言うと、浅間牧場横にある浅間牧場茶屋。そこでは、ウサギやヤギ、ヒツジなどを飼っている。100円のエサを購入すると、動物たちにあげることができた。

小雨が降る中、エサの気配を感じて我先にと寄ってくるウサギたち。そしてモグモグ、モグモグと食べる前から口を動かすのだ。なんてかわいいんだ。こんな子が家にいればどれだけ癒されよう。一緒にお家に帰ろう。

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そもそも、私の一番好きな動物は猫である。小1の時に子猫を保護し、その子猫が子猫を産み、猫3匹と一緒に暮らしてきた。猫なしに私の幼少期は語られないのだ。これからずっと猫、猫でなくても獣と暮らしていくのだと思っていた。

ところが、結婚した夫は犬や猫が苦手だった。嫌いとかではなく、爪や牙が怖いのだそうだ。だから散歩中にチワワがニオイを嗅ごうと寄ってきても、大袈裟に避ける。なんと情けない。

そんな理由で犬猫を飼うことは早々に断念したのだが、ウサギならどうだろう。小さな歯はあれど、ただかわいいだけの動物じゃないか!(幼少期に姉がニンジンをあげていて一緒に指まで食べられた話は内緒だ)

そう思ってウサギを飼えないものかと調べてみたが、意外と飼うのは大変らしい。

まず、ウサギは暑いところも寒いところも苦手。ウサギのいる部屋は24時間365日エアコンがフル回転させる必要がある。なかなか電気代がかかりそうだ。

そして、トイレはおぼえるけれど他のところでしちゃう子も多いそうだ。特に「ウサんぽ」の時。ウサギはゲージから出して、部屋の中を散歩させる「ウサんぽ」というのするそうだが、その際は部屋中にポロポロのウンチが散らばるらしい。

それはなかなか大変だ。まったく、ウサギの後にルンバでも走らせて全部吸い取らせようか。

そんな妄想もしていたが、さらに調べるとウサギは繊細な動物で預かってくれるペットホテルも少ないことを知った。また、環境が変わると病気になることが多く、家を開けづらいことを知り、ウサギと暮らす夢は儚く散った。

次に考えたのが、サルである。サルなら、賢いし肩に乗せて旅行にも連れていける。『母をたずねて三千里』のみたいに相棒としてどこでも連れまわせるのは、カッコイイじゃないか。

動物が怖いという夫も人間は怖くないそうなので、サルなら人間みたいなもんだからOKなはず。

ただ、猿を飼うイメージが湧かなかったため、YouTubeで検索してみることにした。すると、このおサルさんがヒットした。


クリッとしたお目目に小さいお手手がなんてかわいいんだ。やっぱり、小動物が何かを食べているのはたまらなく母性をくすぐる。

このショウガラゴは体重90g〜300g、体長13cm〜20cmの小さなおサルさん。アフリカの暖かいところ出身のため、ケージにヒーターは必要だそうだ。いいよいいよ、ヒーターくらい買ってあげようねえ。

最近では人気が出てきて、100万円ほどらしいが、大丈夫。そのくらい何とかするよ。

おサルさんは賢いはずだから、もちろんトイレくらい覚えてくれるんだろうなと思っていたが、実際はちがった。

なんとトイレをおぼえないどころか、マーキングをするためオシッコを手にかけてニオイをつけて回るのだそうだ。(ショウガラゴに限らず、サルはそういうものらしい)。

同じ霊長類でもちがいを感じざる負えない事象だ。サルにはサルのの事情があるのだろうから、そこは尊重したいが、なかなか衝撃的である。

その点、犬や猫はトイレもおぼえるし、比較的寒さ暑さにも強い。よく人間に飼われているのはそういう理由もあるんだろうなと思った。

もちろんトイレを覚えないだけで、飼育を諦めたワケではない。ただ、珍しい動物を飼うと情報を少ないし、診てくれる病院も少ない。その動物のための環境を整えるのは大変だし、それなりの覚悟が必要なんだろうなと学んだ。

でも、やってやるぞ私は!マルコ(featuring『母をたずねて三千里』)になるんだ! ひとまず夫にサルを飼いたいか聞いてみた。

「えー、サルは怖いでしょ」

獣との暮らしは遠のくばかりである。

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