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ちびまる子ちゃんの高校時代ってどんなだったか知ってる?【さくらももこ著:ひとりずもう】

先月、この「日刊かきあつめ」の月1ミーティングでメンバーの一人が「エッセイをうまく書けるようになりたい」と言った。

「エッセイなんて好きなことを自分が気に入るように書ければいい」そんな風に思っていた私からしたら、「なんて意識が高いんだろう」と思ったし、同時に自らの意識を反省した。

そう言えば、インタビュー記事やSEO記事は結構勉強したが、エッセイを真剣に学んだことはなかった(それがこの様である)。

さすがにまずい思って「エッセイ 書き方」で検索したところ、「さくらももこさんのエッセイから学ぶのがいい」という記事を発見。図書館で見つけたのが、さくらももこさんが自身の小学校高学年から高校時代をつづった自叙伝的エッセイ『ひとりずもう』である。

さくらももこさんは、言わずと知れた『ちびまる子ちゃん』の作者である。『ちびまる子ちゃん』では、ご自身の小学生時代の話を描いているので、『ひとりずもう』は、いわば『ちびまる子ちゃん』の続編とも言えよう。

皆さんは『ちびまる子ちゃん』にどんなイメージをお持ちだろうか? 色んな見方があると思うが、「クラスメイトがやたら個性的」「友蔵と仲良し」「キートン山田のツッコミが秀逸」「ウダダ、ウダダ…♪」…。なぜかわからないが、まる子ちゃん以外のことに目が行っていないだろうか。

主人公から見た周りの人を中心に描いており、主役である自身のことは二の次のように感じる。

その点、『ひとりずもう』では、まる子ちゃん(さくらももこさん)中心に語られており、それが面白い。というか、癖が強い。

「飼っていた小鳥がヒロシ(父)のうどんのつゆにダイブして死んだり」「男の子にモテるために、実家の八百屋を喫茶店にしてくれと言ってみたり」「家が八百屋のために夏場にゴキブリが大量発生したり」……とちょっとあげてもなかなかえぐい。

ちなみに、親友のたまちゃんとは同じ女子高に進学し、早く帰れるという理由で物理部に入部。理由はさておき、小学校時代からの友情が高校生になっても続いていると分かって嬉しかった。

そんな笑い話ばかりではなく、進路面談で担任教師に「漫画家も大変だぞ」と言われたり、さくらももこさんという一人の漫画家の話だったんだなと思わせる部分もあって、しんみりしてしまう。

そうしたエピソードを読み進めていると、頭の中でアニメ版のちびまる子ちゃん(少し大きくなったバージョン)が再生される。それは、情景が浮かぶように、包み隠さずに出来事や心情を事細かに書いているからではないだろうか。

そして、どこか自虐的で、ギャグ要素が多く、サービス精神で読者を楽しませてくれている。さくらももこさんのエッセイから少しだけ学べた気がした。

あーなんか、ちびまる子ちゃん見たくなってきたな…。

文・香山由奈
編集・彩音さん

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