炭酸水の刺激

僕は炭酸水が好きだが、特に何を飲むかはこだわっていなかった。

スーパーマーケットが出しているプライベーブランド製品(PB)は安価であり、従来の大手ナショナルブランド製品(NB)は相対的に割高であることは、多くの人に浸透していると思う。

僕は特に何を飲むか気にしてなかったので、PBをしょっちゅう飲んでいた。PBは安い。「あぁ、PBだな」とか特に意識はしないが、安いことに満足し、ご機嫌に飲んでいた。

そして今、コインランドリーで洗濯物を乾かすために小銭が必要だったが、小銭がなかったので、お札を崩すために炭酸水を買った。ドラッグストアにPBがなく、消去法的にNB商品を買った。ドラッグストアだから、NBだけど安い。それはまぁいいんだけど、飲んだ瞬間驚いた。

「シュワァーー」

なんと「シュワァーー」が強い。いつも飲むPBの炭酸水よりも炭酸が強い。「あぁ、これがNBか」

たまたまNBの炭酸水を飲んだことにより、普段慣れ親しんだPBの炭酸水の炭酸が弱いことを、図らずも知らされることとなった。

江戸の庶民は黒船の来訪とともに異国の脅威に触れる。北朝鮮の人民は隣国の繁栄を聞きつけ脱北を企てる。ラプンツェルは燈籠の灯りを目にし外の世界に夢を抱く。

これらの人たちは、一度知った外の世界から元いた世界に戻ることはしないが、僕は、だからといって特に何がどうとかはないので、次はまた弱い炭酸のPBを飲むと思う。