仕事をサボる人たち

皆さまの周りに仕事をサボる人はいますでしょうか。僕の周りには沢山います。僕は社会の最底辺辺りをさまよってきた人間なのでこの辺の知見は割と豊富でして、社会生活がおぼつかない人とか社会生活が危うい人なんかは大体一目で分かります。「人を見かけで判断してはいけない」とは言いますがアレは大嘘で、人間は見た目通りです。さて今回は僕が出会った中でも印象的な仕事をサボる人たちとその末路をご紹介致します。

・仕事をサボる上での基本形「体調不良A氏」

仕事をサボる上での基本にして王道は体調不良なのですが、A氏はまさにこの王道を往くタイプで体調不良を乱発します。労働者の権利というのは非常に強いので、「体調不良」という曖昧な理由で簡単に仕事を休めてしまいます。通常勤務はもちろん残業までも体調不良一本で断り通す様はまるで斎藤一の牙突です。あまりに休み過ぎて、「有給が無くなった。どうしよう」となんの解決策も持たない僕に相談を持ちかけたこともあります(欠勤は有給を充てて対応する職場だった)。このA氏、最終的には体調不良を理由に4日間連続欠勤という大技をかました挙句、「マジでしんどいんです!休ませてください!」とさらに泣きを入れるも、「もうダメです」と一蹴され、それ以降は真面目に勤務するようになりました。体調不良を、「もうダメです」で終わらされる人はこの時初めて見ました。

これだけなら何も珍しい事もなく取るに足らないのですが、このA氏、初対面の僕に、「金貸してくんね?3000円でいいんだけど」と初手で金の無心という離れ技を放ち、断わると、「じゃあ飯食わせてくんね?」と飛天御剣流もびっくりの隙を生じぬ二段構えを見せた為、殿堂入りとなりました。ちなみに補足すると残業については36協定というものがあり、基本的に残業は断れず、確かに体調不良で残業を断わることはできるのですが、みだりに残業を断わることは解雇の事由として認められます。A氏、解雇にならなくて良かったね。

・しょぼい知能犯「診断書N氏」

仕事をサボる者には計画を立て、それなりの手続きを踏んでサボろうとするのもいます。N氏は欠勤を繰り返すタイプではありませんでしたが、重たい荷物を運ぶなど自分が嫌いな業務が回ってくると、「頭が痛い」などと言って逃げるタイプで、ある時期からは手の痺れを頻繁に訴えるようになりました。上司もそれを問題視はしていましたが会社の業務自体には支障が出ていなかったので特に対応を取ることもしませんでした。

ある日、N氏は診断書を持って出勤してきます。病名は自律神経失調症。手の痺れもこれが原因であり勤務は不可能なので休職したいという申し出でした。おそらく休職手当をせしめようという試みでやり口が若干知能的でチンピラくさいです。先に書いた通り労働者の権利というのは非常に強いのでこの程度では到底解雇にはできません。さすがに休職を認める訳にもいかず、かといって会社にも置いてはおけないので上司は他支店への異動命令を出しました。事実上、「辞めてください」のお願いです。

するとN氏、今度は自律神経失調症の治癒証明書を持って出勤してきました。病気は完治したので異動命令を取り下げてほしいと言います。さすがに上司もブチ切れ、本人の目の前で診断書を出した病院に問い合わせたところ、「自律神経失調症は精神的な病気のため、自己申告でそう診断することもある」のだそうです。診断書マメ知識です。今まで大人の対応を続けていた上司からえげつないまでに詰められた結果、いくつも病院を周って診断書を出してくれる病院を探していたこともゲロってしまい、N氏は退職届を強制的に書かされ自主退職しました。

ホントはもう一例あげようと思ったのですが結構エグい結末なのでやめときます。いかがでしょうか。このくらいは普通という方もいれば、こんな人がホントにいるのかと疑った方もいるでしょう。仕事をサボる人には棲息地域があるので縁のない人は出会う機会がないのだと思います。皮肉なものですが仕事をサボる人は労働者の権利をしっかり守る、所謂「ホワイト企業」に多いです。実際遅刻2回で解雇、インフルエンザでも出勤させられる「コンプラが昭和」の会社でも働いたことがありますが、社員一堂非常に真面目に働いていました。コンプライアンスて権利や健全性を守るためのものだと思いますが、それらを適切に扱えるほど成熟していない人間というのは存在して、逆に権利や尊厳を剥奪した結果、人間らしくなるという事例は多くあります。何かに責め立てられないと人間は動きませんからね。つくづく労働とは難しいもので、毎朝遅刻せずに出勤するというのは最早スキルだなと思います。

仕事をサボる人てサボれると何故か「言い分が通った」みたいにドヤ顔するのですが、社会から見るとそれは「自分は働けません」と自らドロップアウト宣言してるのと同じです。最後にインターネットで拾った金言を。

「労働のいいところはどんなクソ野郎でも労働さえしていれば社会にイスが与えられるところだ」

なかなか含蓄があり重いですね。皆さま明日からも頑張って労働しましょう。


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