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移住支援の活動と地域の空き家問題について

ゲストハウス始めます!と、前回の投稿で公言してから、2か月程。
 
進捗報告と言いたいところでしたが、、
またもや進めていた物件が白紙に。。。いまはまた絶賛物件探し中です。
 
白紙になってしまった主な理由は、物件のオーナーさんが他界なされたこと。
色々な出来事が起きるなーと、客観的な自分がしみじみしています。
今回はゲストハウス準備に関連しつつも、別の最近の取り組みの話をしたいと思います。

移住支援×空き家問題への取り組み

いま私は湯河原町で移住支援の活動を中心に取り組んでおり、特に最近の自分的ホットなテーマは「空き家問題」。
空き家の話は、移住支援をしている中でも、ゲストハウスの物件探しをするにあたっても、密接に関わってくる。
 
全国どの地方もそうだと思うが、消滅可能性自治体に選ばれている湯河原町も例に漏れず、町内に空き家がたくさん存在する。(ある調査によると、2033年日本の全物件の約3軒に1軒が空き家になるとも言われている。)
 
湯河原町で、移住支援をしていて移住者を受け入れる物件が少ないことが課題であったり、
ゲストハウスを進めようにも物件がなかなか決まらないという問題があるにも関わらず、
市場に出ていない空き家はたくさん存在しているという状況だ。
 
その空き家の問題のリアルを知り、難しさと同時に面白さと可能性を感じている。

空き家の問題と可能性

空き家問題というが、そもそも空き家がたくさん存在すると何が問題なのか、自分なりの言葉でいうと、
まず一つは、町内に活用できない土地・建物が増えることで、まちづくりをスムーズに進めることができないこと。だから当然、まちの活気がなくなってくる。
また、よく言われていることであるが、空き家は、人の手が入らないことで、家屋が痛み、動物の住かになり、雑草がはえたり、近隣への被害も発生したり、と、空き家は時間が経てば経つ程、再利活用が大変になってくる。

地域衰退と都市一極集中が進み、様々な社会問題が深刻になってきている今、これから各地域の自立、地域への分散が大切になってくる。

それなのに、地域の人は都市部に出ていってしまう、物件の持ち主は建物を放置して地域の空き家はどんどん増えていく、という循環にはまっている。
この「地域衰退×空き家」の悪循環にはまっていることが問題だと感じる。どうにかしないといけない。

でも逆にいうと、だからこそチャンスであると感じている。
不動産屋などの管理が入り、既に市場に出ている物件は他にもある。
それではなく、空き家を活用するということは、管理にも手が回っておらず、利用する側で工事したり、と自由度が高い。
その分、利用する側が格安で利用できる可能性も高い。
だから、管理もできず持て余していて困っているような空き家を有効的に活用できる仕組みができてくると、地域に貢献してくれる人、地域の魅力を引き出せるようになる。

課題と捉えられているからこそ、空き家活用は持続可能な地域づくりのためのチャンスになる。

空き家問題への取り組みと出来事

ということで、最近具体的に空き家問題に手を出し始めた。

湯河原に住んでいていると、人が住んでいない家がたくさん見られ、市場に出ていない空き家はたくさんある。
移住したい人やお店等をやりたい人がいるなら、持ち主は家賃収入にもなるし貸し出してしまえばいいのでは。と思い、(そんな単純にはいかないことがだんだん分かってきたが)

空き家を持っているのにどうしたらいいのか分からない、という人を掘り出すために、「移住者が空き家を探しています」「空き家相談を受け付けます」という広報を、初めに行った。
 
地域内の協力してくださる専門家(行政書士や宅建、工事業者、廃材業者)に声をかけ、とりあえずボランティアで何かあれば相談に乗ってもらえる体制はとった。が、それ以外は仕組みも体制も、決まっていない中走り始めた。

広報した成果は地味に上がり、いくつか相談を受けたので、利用希望者の紹介を行ってみたが、そこから課題がたくさん見えてきた。

・相談に来る人は、緊急で困っているわけではないので、利用希望者とのスピード感が合わない。
・そして借りたい人がいる、と分かれば、意外と安くでは貸し出さない
・利用希望者であっても、こちらがよく知らない人であればある程、紹介はしにくいし、空き家オーナーの方も警戒し、話が進まない
・今すぐ貸し出すなり売りたいと相談に来た人がいたが、親族内で意見が分かれており、家族からの反対をくらう など

単純にはいかないということは、やってみてよく分かる。

特に、どのようにマッチングするか、体制も要件も固めていないから試行錯誤。
仲介している自分が交渉に入るべきか、入らないべきか。
他自治体の空き家バンクなどを見てると、交渉には入らないと記載もあったりする。

交渉は当人同士ですること、という条件を付けることは簡単だが、
仲介が入らなれば話が進まないことが体感として明らかだと分かる。

汎用性を高めてシステム化して横展開するということよりも、
個人的には、
属人性を認め、信頼できる人・地域全体の人間力・人間性を重視して、空き家のマッチングする、という方法がクリティカルではないか、と今は考えている。だから「空き家バンク」などというシステムがあろうがなかろうが、人との信頼関係、がとても大切になってくると感じる。

まだまだ走り始めた段階なので、そのような方向性で、町全体の空き家活用について改善し試行錯誤しながら、引き続き進めていきたいと思う。

空き家をまちづくりに活かすには

↑のような取り組みを始めたこと、そして課題を体感したことを通して、
いま空き家問題に取り組むにあたり2つの段階で考えるべきではないかと考えている。
 
一つは、単純に、
空き家をより多く活用し、空き家を減らしていく
ということ。

そして 二つ目は、
いかに、まちのため・社会のためになる活用をするか
ということ。

空き家を一つでも活用できることは良いことかもしれないが、
どんな形でも活用さえしてくれれば良いか、というとそうではないと思う。

全く人が入っていないよりはマシかもしれないが、
例えば、別荘として使われているような使われ方は、地域のためになっているのか、ということは疑問が大きい。地域活動に参加せず、ただ別荘として家に籠って使うのであったら、使わなくていい、という地域の人の意見も聞いたことがある。
空き家をとにかく活用して空き家を無くしていく、ということが空き家問題のゴールではなく、空き家が活用されていなくてもその地域が持続可能で、他の地域からの搾取もせず、地域の人が幸せであれば良いと思っている。

気づき

最近、空き家問題に取り組んでいて考えさせられることは、
自然に反する人工的な開発は、一度開発してしまったら最後まで活かし続ける責任があるな、と思ったということ。このご時世に、新たな都市開発は本当に開発する必要があるのか、長い目で見てちゃんと責任を持って考えないといけない。身近な話でいうと、マイホームを新しく建てる、などといったことも同じだと思う。このような地域の現実があり、都市部に住む人も、新しく家を買ったらもしかしたらジブンゴトになる可能性も高い。
 
今あるものを見つめなおし、活かし続ける。
修理し、長く使う。
ものの最後の後始末までちゃんと考えておく。
お金さえあれば新しいものを買ってしまえば良いということではない。
 
「空き家問題」からも、そのような価値観に変えていかないといけないということを気づかされた。

そしてもう一つ。 
移住促進の活動をしていると、どうしても自分の自治体のことだけを考えてしまいがちになる。町の存続を考えると、そうなるのも当然かもしれない。

これからの地域活性・地域づくりの在り方は、人がたくさん来るから良いのではない。そこを目指していては、パイの奪い合いである。
そうではなく、地域の人が主体的に地域づくりに参加する。
市民としての意識を持つ。
政治をジブンゴトとして引き受ける。
そのような人が幸せになる。

 そういう人を増やしていく必要があると感じる。

そうでないと、人口減少、少子高齢化社会、地域の担い手不足・・・などといった問題がある中で、全体としてよりよい良い地域にすることはできない。

そのような考えの下、地域の空き家を活用してゲストハウスを実現し、地域へ貢献できるようにしたいと思う、今日この頃。

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