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K-POPの世界へようこそ10.【TWICE】のボーカルは素晴らしい。


 TWICEが、なぜ"TWICE"なのか、それは歌で魅了して、さらにパフォーマンス(ダンス)で魅了する。"二度"魅了するから"TWICE"なのです。
 確かに、TWICEは歌が上手いし、その上、声が個性的なメンバーも揃っていて、魅了されます。

 初期の頃の曲、"LIKE OHH AHH"は、"CHEER UP"では、ジヒョとナヨンのボーカルが目立ってフィーチャーされていましたが、曲がリリースされる度に、他メンバーのボーカル(声)の個性に合わせて、絶妙な歌割りがされています。TWICEの歌の、どこがそんなに良いのかを、今回は歌割りの観点から、熱く語って行きたいと思います。

 さて、TWICEのコンサートは基本生歌です。一体どういうトラックをバックに歌っているかよくわかる動画があります。MBCのラジオ番組で、スタジオライブをやったときの歌声です。2017年12月に収録された物です。おそらく、コンサートで使われているバックトラックも、これと大きく変わる物ではないでしょう。

TWICE -SLEEP TIGHT GOOD NIGHT (JALJAYO GOOD NIGHT)

 興味深いところがいくつもありますね。

 まずは、歌っている部分、歌っていない部分に関して、みんなで声を合わせるようなコーラスパートは歌っていないですね、すでにトラックに収録されています。ハモリなども場所によってはナヨンが歌っていますが、基本的には、メロディのハモリは歌わないようです。おそらくこれは他の曲でも、同じ様に決めているみたいです。ボーカルは何重かにかぶせて収録されているパートが細かくありますが、基本的にはメロディのみを歌うというスタンスのようです。

 歌割りに関して、サビ前の、"Baby think about all night long~"と歌う大事なパートは、曲中3回出てくるのですが、ナヨン、ジヒョ、ナヨンの順番で歌い分けています。この法則で歌われる曲は沢山あって、最近の"Feel Special"や"Fake & True"などのサビでも同じです。二人のボーカルは敢えて似せて歌っている様にも感じる時もありますが、それぞれ特徴があって、凄く甘く綺麗に聞こえるナヨンと、張りがあって力強いジヒョと良いコントラストをつけていると思います。

 シャランラララーと歌うパートは、声が可愛い、サナ、ミナ、ツウィが3回に分けて担当しています。2分45秒ぐらいからのコーラスパートも、サナ、モモとやはり声が可愛い二人が歌い分けています。さらに、曲中の語りの部分は日本人3人ミサモが、担当していますね。韓国語の語りなのに日本人がやるのも、ここでは声質を重視している理由かなとも思います。

 声のキャラクタでパートをうまく分けているのは、本当に感心します。それが歌全体を通しての魅力になっています。曲が単調にならず、非常に豊かに聞こえます。
 さらに、そのパート分けの妙味がわかる曲があります。先ほどの"Jaljayo~"よりも前に収録された音源、同じラジオ番組に出演した時のものの様です。

TWICE "SIGNAL"

 この曲は、TWICEの生みの親、パクジニョン(JYP)さんの作曲で、トラックがカッコイイです。メロディは割とシンプルな繰り返しが多くて、感情入れて歌うのが、難しい曲だと思います。
 ところが、歌のパート分けで、非常に表情豊かな曲に仕上がっています。そして、その歌い分けが、とてもわかりやすい構成になっていますね。

 細かく見て行くと、まずパートごと、二人づつペアになっています。

 まず、冒頭のラップ(0:00~)はダヒョンとチェヨン、英語の発音が良くてかっこいいですね。

 ラップパートが歌に変わって(0:22~)、モモとミナ、ここでモモの特徴有るちょっと鼻に掛かった声がとても印象的です。

 可愛い感じではじまったと思ったら、次のメロディパートは、ジョンヨンとチェヨン(0:42~)、ジョンヨンの大人っぽい声で、曲がシリアスな印象に変わります。

 そして、展開して盛り上がる方向に舵をきったところ(1:00~)で、ジヒョとナヨンに代わり、一気に曲を盛り上げていきます。この二人が歌うと、アイドルソングではない印象に一気に変わりますね。ジヒョは歌い出しがちょっと上手く行かなかったのか、ナヨンの方を見て気まずそうな顔をします。

 サビ(1:18~)は、出だしツウィが若干シリアス目に歌い始めるのに対し、後半はサナがかわいい感じで締めます。

 二回目の繰り返しも歌割りはほぼ同じ、若干曲構成が変わり、メロディ歌い出しのジョンヨンの次がミナに変わっています。ミナが歌うと切ない歌に聞こえますね。 

 二回目のサビ前(2:05~)のジヒョとナヨンは、一回目の少し音を外した教訓か、完璧な歌を披露します。ここのメロディは音が飛ぶので難しいですね。

 最後のメロディの繰り返し(3:00~)は、モモとミナが繰り返します。二人とも声に特徴があるので、この曲の印象が一気にここで決まるような気がします。全体を通してモモの歌うパートは少ないのですが、ここを歌うことによって、彼女の声の特徴がこの歌の印象になっているかなとも思います。また、ミナの少し切ない感じの声と対照的で、良いコントラストになっているように思いました。

 一人の歌手では、こんな風に一曲の中に様々なキャラクターを盛り込むことができません。グループだからできる強みがあるかなと思います。

 TWICEは単に歌が上手いだけではなく、制作サイドが曲調にあわせて歌割りをしっかり考えているのも、曲がさらによく聞こえる、大きな要因になっていると思います。実際、VLIVEで配信された、"FANCY"の制作秘話で、ナヨンが歌うパートが途中でガラッと変わった話をしていました。おそらくそれも、試行錯誤を繰り返している裏付けになるかと思います。

 さて、最後にTWICEの歌で僕が最も刺さった。ぞくぞくっとした歌のパート分けについて書いておきましょう。"Be as ONE"というバラードになります。全部通して聞いて欲しいのですが、特に、韓国語版で、3:50~ぐらいからのパート

TWICE "Be as ONE"

 同じ曲の日本語版で 4:00~から

TWICE「Be as ONE」Document Video

 このパートサビ後のブレイクから、ミナが甘く切なく歌い出し、そこにジヒョがコーラスからソロで加わって一気に曲が盛り上がっていきます。サビメロディはナヨンが歌い上げます。ここは、3人の声の良さが存分に活かされたパートだと思います。非常に感情が入れて歌っていますね。
 この曲のこのパートはライブ映像などでみると、さらにゾクゾクッとしますね。

 今回はだいぶ長くなりました。
 僕がどれくらいTWICEに思い入れしているかも、わかって頂けましたでしょうか。

 それでは、またつづく、、。

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