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美容室の開業 創業融資が借りられる人の特徴

2-2-4 美容室の創業融資 創業融資が難しい人の特徴

美容室専門税理士の中嶋です。
美容室開業で知っておきたい知識をノートでまとめて配信しています。
一定記事までまとまりましたら一部有料化を予定しております。
今回のテーマは、「創業融資が借りられる人」についてです。

 日本政策金融公庫は創業融資に積極的です。民間銀行でも創業融資に積極的とは言いながら、初めて開業する人に対して大きな金額を融資してくれることはまずありません。メガバンクも創業融資を行いますが、上場を考えているベンチャー企業などを想定しており、美容室などの小規模な創業にはハッキリ言って相手にもしてくれません。美容室の創業融資を借りるなら、まずは日本政策金融公庫での融資申請を検討し、必要な投資額が多い場合は民間銀行との協調融資を検討してください。

〇創業融資は借りやすいお金です。
 国は新しい事業の創業を積極的に支援しています。そのため、創業融資というのは、既に事業を経営している方が借りる融資と比較すると圧倒的に借りやすいお金です。一般の融資は、既に経営している今の事業の状況から見て、これから借りるお金の返済能力を判断して融資するかどうかを決めます。創業融資というのは、これからスタートする事業からどれだけ返せるかで判断するというよりも、これまで何をしてきたのか、どんな準備をしてきたのかで融資が決まります。もちろん、事業計画も重要な判断材料ではあるのですが、どれだけ実現可能性が高く、素晴らしい計画であったとしても、これまでの準備が不足していたら創業融資は受けられません。どんな準備をしていたら創業融資が受けられるのかをお伝えします。

〇実は美容室の開業は創業融資が借りやすい
 美容室の創業融資は、他の事業の創業と比較して創業融資が受けやすいです。その理由は、創業する人に美容師免許があるという点です。国家資格を取り、美容師としての技術的な経験を積んできている人が開業することが前提となるので、お客が付いてくれば売上を上げることが比較的容易だと考えられているからです。また、美容室を開業するためには、内装工事や美容機材などの設備投資が必要であり、一般的には700万円から1000万円は設備投資にお金が必要だと考えられています。自己資金をどれくらい準備しているか次第ではありますが、美容室を開業するためには大きなお金を借りる必要があると認識されていることも要因と言えます。ちなみに、学習塾や治療院などは、内装工事や機材などの投資はそれほど大きくならないと見られているため、美容室ほど大きなお金を借りることは難しいです。

〇創業融資が借りられる人の特徴
 創業融資が借りられるかどうかは、最終的には金融機関が判断することではありますが、融資面談の場面において、融資が受けられるかどうかは概ね判断することが出来ます。これまでの記事で、創業融資が難しいと判断される人の特徴についてお伝えしました。ここでは創業融資が借りられる人の特徴についてご紹介します。

  • 信用情報に問題がない

  • スタイリストとしての経験年数5年以上

  • 自分でコツコツと貯めたお金が300万円以上

基本的には、信用情報に問題がなく(過去も今も借金がない)、スタイリストとしての経験年数が5年以上あり、コツコツと自分で貯めてきたお金が300万円以上あれば、余程の事が無ければ創業融資は受けられます。ただ、コツコツ貯めた自己資金300万円以上ある人はほとんどいません。現実的には150万円以上の自己資金があり、下記の特徴がある人も融資は比較的可能と考えても良いと思います。

  • 親族から100万円以上の支援を受けることが出来る

  • 既存店からの見込客が多い

  • コンテストなどの受賞歴が多い

  • 夫婦で美容室を開業する予定で、配偶者も美容師免許を持っている

上記はあくまでも補足的な要素ではありますが、上記の特徴をより多く満たしていると融資もしやすくなります。

逆に、創業融資が受けやすくなるわけではない特徴もあります。

  • 居抜物件で投資額が少なくて済む

  • 内装工事、美容機材の投資額が少なくて済む

居抜物件や内装工事、美容機材などの投資額が少ないと、それだけ経営上のリスクを抑えることが出来ますが、投資額が少ないから創業融資が受けやすくなるという訳ではありません。むしろ、投資額が少ないので、それほど大きなお金を借りる必要はないと判断されます。もちろん、事業計画としてはプラスの評価となりますので、内装工事や美容機材などの投資額は出来るだけ大きくならないようにすることは大切な考え方です。

〇おわりに
 創業融資が受けられるかどうかは、実はそれほど難しい判断ではありません。開業相談をする際は、最初のいくつかの質問で概ね判断することが出来ます。美容室は投資額の大きなビジネスですから、創業融資が借りられないと事業がスタートできないことは事実ですが、創業融資が借りられることでもって、事業が成功するわけではありません。大切なことは、必ず生存する美容室を作るためには何を準備する必要があるのかを知ることです。

ではまた。

美容室専門税理士 中嶋 政雄

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