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美容室の開業 一番低い金利でお金を借りる方法

美容室の開業資金を借りるにあたり、一番低い金利でお金を借りようとするなら、美容組合に加入することをお勧めします。日本政策金融公庫の融資制度には、組合員だけが利用できる融資制度があり、その融資制度は普通にお金を借りるよりも相当低い金利で開業資金を借りることができます。今回は、組合員だけが利用できる制度についてご紹介します。

〇どんな制度なのか?
 日本政策金融公庫の組合員だけが利用できる融資制度は「振興事業貸付」と呼ばれる融資制度です。日本政策金融公庫の制度情報を見る限り、設備資金は最大1億5,000万円まで、運転資金は最大で5,700万円までとかかれていますが、実際に創業融資で借りられる上限は1,000万円となります。返済期間は設備資金で最長20年、運転資金で最長7年とあります。こちらの実際には設備資金で最長10年、運転資金は最長7年での適用がほとんどだと思います。サイトに記載されている情報はあくまでも最大、最長であって、創業する人が必ず使える条件、という訳ではありません。気になるのが金利ですが、通常の金利よりも1.2%引き下げられます。基準金利は常に変わりますが、例えば、一般の創業融資の金利が2%だとしたら、0.8%の金利で融資が受けられるということになります。

〇金利が低いとどんなメリットがあるのか?
 兎に角、金利は低い方がいい。確かにそうです。大きな金額の借入をしますから、少しでも金利が低い方が毎月の支払額も減らせますし、返済し終えるまでの利息総額は相当な違いになります。
例えば、1000万円のお金を10年で返済する場合で比較すると、
2%の金利だと、10年間の利息合計は991,667円となります。これが組合に加入した場合の1.2%の引き下げをされた0.8%の金利だと、同じく10年間の利息合計は396,667円となり、合計で約60万円近くの金利メリットが出てきます。

〇組合員だけが使える「振興事業貸付」を利用するには?
 日本政策金融公庫での融資申し込み、融資面談までは他の融資制度と違いはありません。違いは、組合員である、ということです。融資の申し込みの前に美容組合に加入をしておくか、融資面談を受けた後に美容組合に加入をするか、のどちらかとなります。つまり、融資申請の段階では非組合員であったとしても、公庫での融資面談の際に、実は美容組合に加入すると融資の金利が低くなると知ってから、やっぱり組合に入ろう!と判断して、この融資制度を利用することも可能です。

〇振興事業貸付を利用する場合の注意点
 融資の申請の時点で美容組合員であることが条件なのですが、融資のお金を借りたらすぐに組合を脱退する、と考える人がいるかもしれませんが、基本的には認められません。もちろん、組合を脱退する、ということ自体が出来ないわけでないのですが、この融資制度を使い続けることが出来なくなります。少なくとも融資を受けてから3年間は組合員であることが求められているようです。

〇組合に加入するメリット
 個人的には、金利が低いことだけを目的に組合を活用するのではなく、組合が持っているメリットをもっと活用することをお勧めします。コロナの時に強く感じましたが組合の力はやはり大きいです。例えば、美容室はコロナの時に緊急事態宣言が出ても休業要請が出されずに、休業しても給付対象とはなりませんでしたが、組合が動いたことで組合員については休業したら給付金の対象となりました。ただ、不公平だとしてこの後に続いて非組合員も給付金の対象となりましたが、全体としては組合員の方が給付される金額や手続きの簡素化など優遇されている点が多かったです。全体的に情報が早い印象が強く、個人経営の多い美容室では大きなメリットかと考えます。

〇おわりに
 大きなお金の融資に対する金利が低くなるのは大きなメリットですし、開業したばかりの美容室は情報が情報が入りにくいことが多いです。有利な経営をする上では、美容組合を活用することをお勧めしています。組合に加入するには、まずは美容組合に連絡し、出店予定の場所を管轄する支部長に会いに行く必要があります(コロナで変わっているかもしれませんが)。融資申請から決定までのスピードを速くするためにも、組合に加入することを決めている人は、融資面談の前に組合加入しておくことをお勧めします。

美容室専門税理士 中嶋 政雄

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