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美容室の開業 美容師がお金を借りやすい理由

2-3-1 美容室の創業融資 美容師が創業融資を受けやすい理由

美容室専門税理士の中嶋です。
美容室開業で知っておきたい知識をノートでまとめて配信しています。
一定記事までまとまりましたら一部有料化を予定しております。
今回のテーマは、「美容師がお金を借りやすい理由」についてです。

〇美容師免許があることと、美容師としてのキャリア
 美容師が創業融資が受けやすい最も大きな理由は、美容師としての技術と経験で売上を作ることができる点です。どれだけ技術を磨いてきたのか、どれだけ美容師として経験を積んできたのかが、開業後のお店の売上に大きく影響します。もちろん、技術の高さは客観的に評価することは出来ませんが金融機関から見れば「美容師免許がある」ということと「美容師としての経験年数」から売上を上げるチカラがあると判断されます。
 美容師としての経験年数、美容師としてどんな仕事をしてきたのかは、融資面談ではとても重要視されます。20代前半の美容師の方の開業相談を受けたことがありますが、融資面談では「美容師としての経験年数の浅さ」から融資が受けられなかったというケースもありました。
 この点においては、男性美容師、女性美容師の違いはなく、経験年数、どんな仕事をしてきたのか?が融資判断では重要となるため、女性美容師での創業融資が受けやすい大きな理由にもなっています。

〇現金商売であること
 クレジットカードを利用するお客様、ペイペイなどのコード決済を利用するお客様が増えたとはいえ、大半は現金での支払いが多いです。いわゆる日銭商売です。毎日、お客様から施術代金として現金を受け取ることになりますから、基本的には通帳に毎日売上の入金が発生します。金融機関から見れば、資金が日々増えていくのは信頼しやすい状態となります。
 美容室としての大きな経費は材料代や人件費、家賃など。家賃は先払いですが、人件費は働いてくれた後での支払い、美容ディーラーへの支払いも請求書が来てからの支払いですので、先にお客様から現金を回収し、給料や材料代などの支払いは後になります。一時的に資金が貯まりやすい仕組みで、いわゆる「回転差資金」が生まれやすいビジネスモデルです。 
 また、お客様からの資金の回収が難しくなるような事態もないため、本業以外で失敗しない限りは、借りたお金が返せなくなる可能性も低くなります。

〇創業融資の貸付限度額と美容室の開業資金との関係
 美容室を開業するためには、店舗内装工事や美容機材などの投資が必要です。セット面4台、シャンプー台2台の15坪から20坪前後の店舗であれば内装工事と美容機材で800万円から1000万円ほどは投資金額としては必要になります。材料仕入れ、広告費、テナント契約などの費用、数か月分の運転資金を合わせると1000万円から1200万円程度は開業時の投資資金としては必要となります。自己資金で200万円から400万円程度の準備があれば、創業融資を合わせることで美容室の開業に必要な資金を集めることが出来ます。
 そして、日本政策金融公庫で創業融資として借りられる上限金額は基本的には1000万円です。
 先ほど書いたように自己資金を200万から400万前後で準備すれば、創業融資と合わせて必要な開業資金を調達することが出来ます。
 1店舗の事業性と成長可能性のある事業をスタートさせるため必要な資金が創業融資の限度額前後で可能であるという点でも、美容室が創業融資を受けやすい理由かと思います。

〇集客の見通しが立てやすい
 事業計画に書かれている売上の根拠。この根拠となるのが、先ほどの美容師としてのキャリアとなりますが、それだけではなく、今までの担当していたお客様がどれだけ開業した自分のお店に来店してもらえるのか、についても融資面談では聞かれることがあります。
 基本的には、勤務していたお店のオーナーの許可が無い限りはお客様を持っていくことは出来ない訳ですが、それでも、現実的にはお客様はお店ではなく、美容師その人についていることが多いため、つながりのあるお客様が来店できる商圏なのか、実際にどれくらいの既存客の来店が見込まれるのかが確認されます。
 
〇おわりに
 「技術」は絶対に裏切らない。だから、何があっても「技術」は磨き続けてくださいと、美容学校の学生たちに話をします。
 「美容師」という職業は自分の腕で自分自身の将来を描くことができる素晴らしい職業だと思います。金融機関からの評価も同じで、どれだけの技術を磨いてきたのか、美容師としてどんな仕事をしてきたのかが、融資面談では問われますし、融資判断に大きく影響を与えます。
 どんな立地で、どんな規模で、どんな集客方法を選択するのか、は美容室を経営をする上では確かに重要なのですが、それよりも、美容師としての在り方の方がもっと重要だということを知っておいてください。だから、安心して「技術」を磨き続けてください。

ではまた。

ではまた。

美容室専門税理士 中嶋 政雄

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