ビジネスモデル 契約期間

ビジネスモデル 契約期間

今回は、契約期間についてお話しします。

契約期間は文字どおり契約している期間、契約書が有効な期間ともいえます。

契約期間をきちんとみておかないと以下のようなトラブルが起きる可能性があります。

①渡した情報が契約期間外だったので、秘密保持の対象外だった。
②サブリースビジネス等の場合に、お客様が使用している期間中に、元の所有者との契約がきれてしまった。
③中途解約がないにもかかわらず、自動更新の拒否を忘れて契約が自動延長されてしまった。
④契約が終了していたのに誤って利用料を支払ってしまった。

■契約期間の要素

契約期間を考える際は、下記の4点が重要です。①~③は契約書では同じ条項に記載されることが多いです。

①契約開始はいつか
 基本的に契約締結日が基準となりますが既に取引が始まっている場合や営業資料等秘密情報を開示していた場合などは、営業交渉まで遡って契約開始日とする場合もあります。
 契約締結日自体を過去の日付にすることをバックデートといいます。法的には問題ありませんが、大きな会社等ではバックデートを禁止していたり、通常と異なる稟議になって面倒になる場合があります。

②契約終了はいつか
 ここではいつ終わるかよりも、契約終了後になにをする必要があるか、の方が重要です。
 賃貸借を例にすると、契約終了日までに立ち会いと引渡しがありますが、その後ルームクリーニングや敷金の精算などがあります。
 教育事業であれば講義後のフォローアップ、コンサルティング業ならアフターサービス等サービスの延長となるものも場合によってはありえます。
 他方、売買契約やウェブデザイン等の納品がある場合は、契約終了後も納品物への対応が必要になる場合もあります。
 特的の機器を提供しているライセンス事業(顧客にサービスのIDやPWを発行する類型)であれば、貸し出した機器の回収も必要です。

③自動更新はあるか
 これはビジネスモデルによって重要性が大きく変わります。
 月額課金型サービスを提供している場合、自動更新=売上や支払確定、となります。他方、売買契約の場合、基本契約が更新されても、個別の発注がなければ売上や支払は発生しないので、そこまで重要でもありません。
 どちらの場合も、契約期間内に中途解約できるならあまり大きなリスクにはなりません。

④契約期間内の解除は可能か
 中途解約可能となっていない限り、原則中途解約はできません。
 なお準委任(コンサルティング業、工数管理型のSES、役務提供型のサービス等)に関しては、法律上中途解約が原則可能なので、中途解約をなくす場合は、その旨を契約書に明記する必要があります。

■契約解除、契約終了、契約破棄の違い

契約解除と契約終了は、どちらも契約が成立した上で、契約を期間満了で終了するか、途中で解除するかの違いになります。

契約破棄は、契約の成立自体をなかったことにします。
なので、既に受け取ったお金やサービスがある場合は精算が必要ですし、単に解除しただけだと秘密保持義務もなくなりますので、注意が必要です。

■まとめ
永遠に続くサービスはありませんので、ビジネスモデルを考える際は、契約終了時のフローも是非決めておきましょう。

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