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サッカークラブにおける、"経営"と"チーム"のバランス感覚と難しさと苦悩

こんにちは。中島です。

僕自身のnoteで大事にしていることがずっとありまして、
それは僕自身が実際にやったこと経験したことに限って、発信するようにしています。

2020年の7月に埼玉県川越市をホームとしてJリーグを目指す、COEDO KAWAGOE F.C(COEDO KAWAGOE F.C株式会社として10月に法人化)を作りまして、今まさにチームづくり、事業づくりを行っています。

その中で感じている難しさの1つに「経営」と「チーム」のバランス感覚があり、ここは1つ将来本気のスポーツクラブをやりたいと思っている方の参考になるかなと思い、書き残しておきたいと思います。

今後カテゴリーが上がるにつれて、新しい問題も起こってくるとは思いますが、その際にはその時にまた書きたいと思います。

(現状仮説)「経営」と「チーム」は(ある程度)一体化すべきである

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サッカーチームの大きなテーマとして

「事業」と「チーム」

という2つの要素が存在します。

そして、スポーツクラブにおける、「経営」と「チーム(現場)」の意思決定と責任分解点をどう考えるのかは、スポーツクラブにおける大きなテーマかなと思います。
むしろ他のスポーツクラブでどうやっているかを聞きたい。笑

Jクラブに勤務する友人何名かに聞いた感じでは、
Jクラブの中でもGM職を設定しているクラブもあれば、強化部長という形でGM職を設定しないパターン、GM職・強化部長2つを設定するパターン様々でこれといった定型パターンはなさそうな気配です。

それゆえに、僕自身の不勉強なのかもしれませんが、
今僕はこれが正解というものをないのでは?と思っています。

経営と、チームの絶妙なバランス感覚がチームを強くする(と思う)

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まず大前提として、
僕らCOEDO KAWAGOE F.Cは10年でJFLにいくと公言しています。

それゆえに基本的にはチームとしては1年たりとも負けて、足踏みするわけにはいきません。
だとすると、クラブとしてはクラブの所属カテゴリーを上げることの蓋然性を上げていくことが求められます。

チームが勝つ、蓋然性を上げる方法はいくつかあると思います。
単純化すると、大きく2つ。

方法①:膨大な予算を注ぎ込み、強い選手を呼ぶ
方法②:現状予算で、勝てる方法を模索する

いわゆる大企業バックのクラブであれば①の方法をとることはできます。
少なくとも大資本をベースにしていないCOEDO KAWAGOE F.Cに関していえば、②の方法を取らざるをえません。

が、大資本があったとしても、
方法①はどこかで問題が発生してくると思いますし、

その理由は、クラブの所属カテゴリーの上昇に従って、クラブ予算感が年々と上がり、予算勝負になるからです。(どんなに予算がある大企業をバックにもつクラブでもどこかで厳しくなるタイミングがきます。)

J1リーグを見てみましょう。引用元はこちらです。
J1カテゴリで、チーム人件費で、中央値は25〜29億ほどでしょうか。この規模の選手人件費を毎年捻出し続けるというのは並大抵の企業では難しいでしょう。

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J2で、チーム人件費は7〜8億ほどだと思います。

こう考えると、クラブとして人件費を高く積む戦略で、勝ちを目指す勝負を仕掛けていくことはあまり得策ではないように思えます。(もちろん戦える程度の妥当な予算は積んでいきますが、予算を全面に押し出す施策はあまり良くないのではないかという意味です。)

ちなみに、社会人リーグは基本的に選手から参加費を徴収して運営しているケースがほとんどなので、逆に選手にお金を払えるとかなりいい選手を集めることができるので、そこは1つ大きなポイントにはなります。

「ゼネラルマネージャー(GM)」はめちゃくちゃ大事。って思った。現場からの信頼感と、経営側との折衝ができる能力が必要

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クラブにおけるGMや監督の役割は、
「チームの勝利の確率を上げること」
だと思っています。

経営とチームのバランス感、意思決定範囲については、僕らのクラブも試行錯誤している段階です。

この1年弱、チームを運営してきた思ったことは、
「ゼネラルマネージャー(GM)」ってめちゃくちゃ大事。

ちなみに、COEDO KAWAGOE F.Cに関してはGMは現在不在です。(切実にここは求めているので、もし我こそはという自信のある方はお声がけください。)

本来、チームとしては以下の組織図にしたいと思っています。

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この組織図の意図/ポイントは、
GMがチームと経営側両方のバランスを見ながら、チームが勝てる戦略を具体的に描くこと。

①ゼネラルマネージャー(GM)はチームだけではなく、会社としての戦略、並びに事業コンディション(収支や今後の計画)を理解する

②ゼネラルマネージャー(GM)は事業コンディションを理解した上での、チームの短期/中長期の戦略を描き、実行する

Jリーグなどと異なり、
社会人サッカーの場合は特に顕著で、

✔︎予算がそもそも多くない
✔︎練習場が安定していない
✔︎選手が必ずしもいい選手を獲得できない
✔︎いい選手が退団してしまう(転勤などのケースも)

こんなことを考慮しながら、
GMは、監督と共に勝てるチームの戦略を描く必要があります。

特にCOEDO KAWAGOE F.Cに関しては、
「3年以内の天皇杯埼玉県代表」を取ることを経営側として標榜
しています。

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『設立したばかりのチームが、天皇杯の埼玉県代表(埼玉県優勝)を取る。

というのは、普通無理な話です。

普通無理なことを実現するには、
その可能性を上げる(蓋然性をあげる)ために、毎月/毎週/毎練習ごとにKPIを設定して、しっかり振り返り→改善を積み上げて、計画を立てていくしかありません。

この戦略をいかに具体的に描けるかが、
GMに求められるスキルだと考えています。
GMって本当にチーム側の経営者だなあってこの1年弱で思わされました。

COEDO KAWAGOE F.Cに関しては、とてもありがたいことにサッカーの実力で見てもいい選手が集まってくれています。
これはクラブ設立後の嬉しい誤算でした。

このチームが勝てる戦略づくりに関しても、
設立1年目である今期は、KPI管理に関しても、有田/中島がかなりチーム側に入り込んでやる体制になってしまっていますが、早いタイミングでチーム側は完全にGM/監督に移管できる体制にしたいと考えています。(僕らが入ってしまうと、僕らが本来やるべき仕事をやる時間がなくなってしまうため)

ので、我こそはGMで結果出せる!という方は、ぜひお声がけください。
COEDO KAWAGOE F.Cはかなりエキサイティングなチームです。

サッカーチーム運営は、事業だけではなく、サッカーチームも運営するので、とても難しいですが、とてもエキサイティングでワクワクする仕事です。

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