MMTを否定する人は何故そんなにハイパーインフレを怖れるのか

(MMTを否定する人は何故そんなにハイパーインフレを怖れるのか)

MMTを否定したい人の気持ちになってみて、何故そんなに否定したいのかの理由を考えてみる。

いくつかの理由が想像出来ます。

ひとつには、MMTが経済政策に取り入れられてデフレ脱却出来てしまうと都合が悪いから、

即ち、デフレ状況のほうが都合がいいって人は、MMTを否定したがります。

デフレのほうが都合がいい人っていうのは、資産を持ってる人、即ち富裕層ですね。

デフレてのは「お金の価値が上がる」ってことですから、お金持ちのほうが得します。

そういう人たちは、デフレ不況で苦しんでる人がたくさん居ても「んなのしったこっちゃない、君らの努力が足りないんじゃないの?」と自己責任論を振りかざしてきます。

とまぁ、ここまでは他のとこでも書いてるので、今回は別の切り口で書いてみます。

それは、「本気でハイパーインフレを怖れてる」ということ。

MMTを学んだ人は、そんなに簡単にハイパーインフレにはならないってことが、論理的に理解出来ます。

しかし、MMTを否定したい人、つまり主流派経済学のほうを支持する人ってのは、本気でハイパーインフレを怖れてるんじゃないかな、と思うのです。

では、何故そんなにハイパーインフレを怖れるのでしょう?

主流派経済学では、1万円札には「1万円の価値がある」と考えます。コレを「商品貨幣論」というそうです。

え?そんなの当たり前でしょ?と思った方はMMTを学んでみてくださいね。ここではMMTだとどう考えるかは省略します(MMTでは信用貨幣論)。

1万円札に何故1万円の価値があるのか?昔は「1万円札はいつでも金1万円分と交換します」と保証していました。コレを「金本位制」と言います。

しかし、現在はそれをやめて、金とは交換しないけど、1万円札は1万円だ!みたいになったのです。

そのときにMMTのような考え方に主流派経済学がシフトチェンジすれば良かったんですけど、そうはなりませんでした。

主流派経済学は引き続き商品貨幣論の考え方を続けたので、「1万円札に1万円の価値がある」ということは「共同幻想」になってしまいました。

この話は、かの池上彰大先生もこんな感じで説明しています。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO02798630W6A520C1000000/

1万円札に1万円の価値があることの保証は誰がしてるのか?

商品貨幣論をとる主流派経済学では国家がしっかりしていて信頼されていれば、共同幻想だけども皆が安心して1万円札には1万円の価値があると思う、みたいになります。

ちなみにMMTでは、「租税貨幣論」というもので「1万円札に1万円分の価値があることの保証」を説明しています。詳しい説明はここでは省略しますが、共同幻想なんかではないことは確かです(笑)。

さて、そんな訳で主流派経済学では国の財政運営はしっかりしてなきゃいけません。

ちゃんとやらないと共同幻想でしかない貨幣の価値が崩れてしまうと怖れるのです。

なるほど、そういう考え方だから、いい加減な財政運営しちゃうとなにやらあっというまに制御不能に陥ってハイパーインフレになるんじゃないかと心配するんですね。

MMTを学んだ者は、そんなにやすやすとインフレが制御不能になる訳ないだろうと普通に思うのですが、

共同幻想としか思ってない主流派経済学支持者には、それが信じられないのです。

うーん、なんだか「炎を怖がる野生動物」的な?

MMTを学んだ者は、炎の扱いを知ってるから、ちゃんとそれを便利に使えるということのようです。

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