「ある者が金持ちになる」というのはどういうことか

(第一部)(「ある者が金持ちになる」というのはどういうことか)

全人口10人のA国があったとする。

その国では、ひとり100円あれば普通に暮らせるとする。

10人がそれぞれ100円得てそれなりに暮らしていたとする。

あるとき、ひとりが550円得て金持ちになった!

残り9人はどうなったか?

100円得られれば普通に暮らせるのだが、

残りの9人は50円しか得られなかった。

その国では、ひとりの金持ちを生んだかわりに、

9人の貧乏人をも同時に生んでしまった。

(第二部)(帝国主義的解決策)

A国は「皆が豊かになるために」他国を侵略した。

A国はたくさんの植民地を得た。

植民地の人口は90人であった。

A国の10人はめでたく金持ちになった。

そのかわり、植民地の90人は貧しくなった。

(第三部)(現代新自由主義的解決策)

帝国主義の時代は終わり、植民地はそれぞれ独立した。

A国人たちは植民地を失っても、それなりにうまくやったり、努力したりして、

それなりに普通に暮らせるだけ豊かになった。

人口も増えて、A国の人口は100人になった。

物価も上がったので、普通に暮らすには1000円必要だったが、

100人はそれぞれ1000円得て「総中流時代」などと言われた。

しかし、100人のうち首都に住む10人はそれでは飽き足らず、

より豊かさを求めて、それぞれ5500円得て金持ちになった。

それと同時に残りの地方民90人は500円しか得られず貧しくなった。

(とくにおもしろいオチはありません)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?