2021年 80冊目『苦しかったときの話をしようか』
なぜ手に取ったのか覚えてないのですが、良い意味で期待を裏切られました。
この本は著書の森岡さん(USJを立て直して700億円→1400億円と倍増した立役者)が就職前のお嬢さんに「働くことの本質」を書き溜めた内容です。
これだけ読むと、あーこんな本でしょうねと思うと思うのです。
いえいえ、違います。
とても骨太の本質的マーケティングの本です。
様々なフレームも学べます。
思考法も学べます。
それもご自身の体験に裏付けされた話なので、説得力があります。
困難に打ち勝つための本でもあります。
P&G時代の話が壮絶ですね。
本社CEO肝いりで立ち上げたプランド商品の日本展開を初のプランドマネジャーとして担当した時の話ですね。
マーケティング的に絶対成功しないと事前にわかっていて、上司もわかっている。
だけで止められない。
自分をだまして周囲もだまして実行しやはり成果が出ない。
そして、チームメンバーも傷を負い、成果を出さないと話にならないことを学んだ話。
アメリカに異動になり、情報を阻害されたり、難しい英語を使われた中で
営業責任者から、同行に来るなと切れられます。
何もなかったということにもできます。
しかし翌日、その営業責任者に、これが俺の仕事だから引き続き同行するとタンカを切り
一方で、徹底的に学び、成果を出す。
異動の最後には、その責任者から、もう一度帰って来いと言われる話。
お嬢さんへの眼差しは、論理的ですが、愛があふれています。
例えば、人は平等でないという現実も伝えます。
そして、様々な選択肢を知っておくことが重要だと言います。
でも、分かったうえで、どれを選んでも応援すると伝えます。
こんなお父さんいたら、ある意味鬱陶しいかもしれません。
しかし、ここまで娘のことを考えていて、書き溜めた森岡さんに脱帽です。
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