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2022上半期facebookいいね!ランキング10位『現代の考察』

2022年 56冊目のブックレビューです。

次回7月に中尾塾にお招きする講師の推薦図書でした。
その方に、この本、購入しましたとメッセンジャーで伝えたところ
「この本は読めないはず。
難しくて読めないのではなくどこか不快感が読めなくさせるんだと思います。
自己に切り込んでくるある意味危険な書物です。」
と説明を頂きました。

800ページ弱の本なのですが一気に読みました。


読み終わった直後に、私がその方にメッセンジャーで送ったのが
「読みました。
自分はどうなんだと何度も突き付けられました。
自分の至らなさを感じる本でした。
自分は何のために死ぬのか考えることが大事だという事は理解できました。」

これに対して、その方が返信くださったのが
「現代の知の巨人ですよね。多くの経営者の中に隠れファンがいます。笑」
分かる気がします。経営者は読むと良い本です。

著者の執行草舟(しこうそうしゅう)さんは、子どもの時に大病をされ、その後最初に手に取った本が葉隠で、武士道を学ばれたそうです。

この本は全6回の講義と参加者との質疑応答という形式からなる本です。
執行さんは、武士道を基本に生きている方です。
その武士道と言う観点で様々なものごとを見ています。

それは民主主義であり、芸術であり、死生観であり、人生であり、仕事などです。
サブタイトルが、『ただ独りで生きる』
とあります。

人に分かってもらおうとか、社会を変えようとか結果を追ってはいけない。
変えようとしたら逆に飲み込まれる。

価値ある人生を生きたいと思ったならば
他人に分かって貰おうと思ってはいけない
それは結果だ
そんなことを考えるのではなく
大事な価値観(執行さんの場合は武士道であり義)と共に生きれば人生は燃焼できる。

善いも悪いも関係ない、幸も不幸も関係ない。
この生命を「今ここで」すべてのものにぶち当てる。
現代の理論とはそれだけ。

だから、困難な道を選ぶ。
困難な道を自ら選び、それにぶち当たっていく。
それが重要。
人に伝える話がなるほどと思いました。

人に言葉だけで伝えるのは、無責任な人のやる事。
こうしなさい、ああしなさいと言葉で言うのは無責任な人間がただ口先で伝えているだけ。

本来は「感化」させるもの。
つまり、自分が実践して、それを子供や周りの大人達相手に感じ取らせる。
自分自身が実践することだけに意味がある。
言葉が無くても実践すれば、それは伝わり、相手を感化させることができる。

但し、感化させる事が目的ではなく、それはあくまでも結果論。
つまり、経営者自身が体当たりして実践していれば、部下が感化を受けるかもしれない。

例として文部科学省の指導要領が悪いと言って、それを教えない教師は仕事が分かっていない。
と言うのです。

それをきちんと与えられた仕事もせずに何をしているのだ。
与えられた仕事をきちんと教えた上で、自分が伝えたい事を(言葉で言うのではなく)実践すれば、結果として子供たちに伝わり、感化されるかもしれないというのです。

まず、どう生きるかという義が先にあってその後に愛が発生してくるというのも深い話でした。

義があり、それに従って生きていく。
それだけが全て、その結果など考えてはいけない。
自分の小ささを突き付けられる本です。

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