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2020年 33冊目「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」

お互いがお互いを同じ人間だと思っていないと、酷いことを平気でできるのだと再認識できます。


相手を絶滅させようとしているので、兵士、民間の区別はありません。
男女も大人も子供も関係ありません。
そうなると最後まで徹底的に交戦します。

捕虜になるとわずかな食事しか与えられず餓死します。
まだ元気な人は過酷な労働をさせて死んでいきます。
降伏してもひどい目に合うので徹底的に交戦します。

ある戦争でヒトラーが撤退を認めず、負けずに済んだことがありました。
それが成功体験となったヒトラーはどのような時も撤退を認めず、結果損害を大きくします。

自分の意見に従わない古参参謀は次々に更迭したそうです。
そうなると幹部も経験がない軍人。

全体を統括するヒトラーはある意味素人。
当初優勢だったドイツは、ソ連の反攻に次々負けていきます。

ソ連もドイツに劣らず蛮行をしまくります。
両国とも大きな被害を受けました。
まさに絶滅戦争です。

祖父は終戦後ソ連で捕虜になりました。
過酷な状況でした。

死んだ人を埋める穴を掘る仕事をすると追加で食事を貰えたそうです。
大半の人はその仕事を争って奪いあったそうです。

祖父は、労働とわずかな食事ではバランスが悪いと手を挙げなかったそうです。

結果、祖父は生き残りました。
帰国できた祖父は、仕事をせずに実家の土地を切売りしながら過ごしました。

祖父は選択肢があったので、窮地を切り抜けられました。
しかし、独ソ戦では、そのような選択肢は無かったのではないかと思います。

絶滅戦争の悲惨さを理解できる良書です。
戦争は国と国との最終的な交渉手段の1つです。
こちらが避けようとしても避けられない事があります。

実際、世界での紛争は減っていますが、無くなった事はありません。
しかし、絶滅戦争は絶対に避けないといけないと再認識できます。

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