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2022下半期facebookいいね!ランキング3位 2022年 73冊目『GE帝国盛衰史 最強組織だった組織はどこで間違えたのか』


アメリカを代表していたGEの盛衰史です。
怖い話です。
帝国が崩壊するのです。


ウエルチの「我が経営」、「勝利の経営」は多くの人が読んだのではないでしょうか
業界1位か2位の事業に資源を投下する
高い目標を何としても達成させる

次のトップを長い期間競わせる
敗者は会社を去る(でも大企業のCEOになれる)
その後イメルトが帝国を継ぎます

イメルトは一部ウエルチを批判します
業界1位、2位しかやらないというと、市場を小さくとらえて、結果ビジネスを小さくしてしまうのです。

そこで、業界を広くとらえ、No1シェアを目指します。
その際に金融業を加えて、上手に商売するのです
ある意味天才です

しかし、イメルトの経営に破綻が起きます
16年間GEを担当しましたが、株価が低迷します

そしてフラナリーが帝国を引き継ぎます
しかし、そこには多くの隠された負債があったのです
売ったはずの保険
価値がなくなったMA
塩漬けしていた大型機械の数々
実はキャッシュが無かったのに株主配当と自社株買い
これらを正直に話したフラナリーは1年少しでCEOを退任

現在は、1年前に取締役になったカリブがかじ取りをしています
こうなった原因がいくつもあります

一番大きいのは
CEOが言ったことは必ず実現しないといいけない事です
形式上は取締役会があり
質疑応答、反論はできます

しかし、CEOの要望に応えられない人は首になるのです。
悪い兆しどころか、悪い事も取り繕って説明するのです。
すると目標は高くしないといけない。
その目標は必達なのです。

リスクがあるビジネスにも手を付けます。
そして、
うまくいかなかったとしても、金融ビジネスでの付け替え、
将来のメンテナンス時の利益の付け替えで
帳尻を合わせるのです。

これらは会計上のテクニックに過ぎません。
実際はその時に、キャッシュは入ってこないのです。
拡大基調であれば帳尻が合うのですが、それが止まったら
逆回転が始まるのです。
それも凄まじい速度で
YESマンしか集めないとこんなことが起きるのです。

そして起きても10年以上発覚しないのです。
GEが失った企業価値は数重兆円です。
これはエンロンの倍以上です。

しかもこの損害を被ったのは
一般株主であり、GEのOBなのです。
本気でコーポレートガバナンスをしない会社は拙いですね

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