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2020年 93冊目『情報生命』

松岡正剛さんのAIDAに参加します。
その課題図書の1冊でした。



92冊目の文明の本と比較すると知っている話が多かったです。
それでもたくさんドックイヤーをつけました。

ガイアの時代:ジェームズ・ラヴロック
・科学者たちがエビデンスや裏付けをめぐって常に議論をしていることは結構なことである。だが、科学者は哲学や世界観にも寄与すべきだという観点からすると、ガイア仮説を攻撃によって沈滞させようというのは止めた方が良い。もっとたくさんの科学者や哲学者がこの仮説を育てていった方が良い(松岡さん)

精神の生態学:グレゴリー・ベイトソン
・ベイトソンは、情報と精神とは「関係」である。と断じたかった。
・1個の情報とは「違いを生む違い」であることをつきとめた。
・「関係のプロセスとパターン」がベイトソンの言う精神(マインド)

デカルトからベイトソンへ:モリス・パーマン
・地球で破壊されているのは「環境」だけではない。本当は「意味」が壊されている。意味が撤退し、「自己」がしゃしゃり出た。

( )内はデカルト的世界観
・事実と価値は分けられない(事実は価値が積み上げる)
・自然は人間との関係の中で解釈される(自然は人間が外側から観察したものである)
・物質、精神(意識)、身体は大いなるプロセスの別々の側面であろう(物質と精神(意識)は別々のものである)
・理論はAにもBにも及んで進む(理論はAかBを選択しながら構築されるべきものである)
・科学は情報と関係を記述するべきである(科学は物質の運動に関する記述を確立すべきである)
・全体は部分とは異なる特性を持つ(全体は部分の足し算によって説明できる)

著者のベイトソンへの応援
・マイケル・ポランニーの暗黙知への着目:取り出しにくい知への着目
・レヴィ・ストロースが重視した「野生の思考」:合理で説明できない知識・認識・感情を捨てるな
マックス・ウェーバーの脱魔術化の理論に抵抗した

ウエーバーの近代の説明
・古代ユダヤ教の誕生で一神教が出現
・ギリシアの合理哲学とキリスト教が結びつき、普遍的な統一が起こり
・デカルト、ニュートンが加わり、合理科学的世界観が描かれ
・プロテスタンティズムと産業革命と資本主義によって、脱魔術が完成
ところが
・20世紀は商品と広告とラジオ、大衆とレジャーによる新たな魔法が席捲
・そこにコンピュータ文化が加わった

生命とは何か:エルヴィン・シュレーディンガー
・生物は負エントロピーを食べて生きている

利己的な遺伝子:リチャード・ドーキンス
・生物の個体の動向の大半は遺伝子の自己戦略にもとづいている

オートポイエーシス:ウンベルト・マトゥラーナ&フランシスコ・ヴァレラ
・生命システムは有機的な機械

非線形科学:蔵本由紀
・リズムおよびリズム振動が非線形科学の最も重要な現象
・非線形システムとはシステムの状態に応じてその変化を自己調整しているシステム
・自己調整で起こっているのは負のフィードバック

生命を捉えなおす:清水博
・生命現象の本質は「動的秩序が自己生成する」
・そこには「非平衡非線形の現象」が現れている
・それを「リズム振動が形態形成をしている」ことから見ると
・常に「場の情報」が働いている
・すべての生命現象の動向には「関係子がかかわっている」

複雑性とパラドックス:ジョン・L・キャスティ
自然界や現状は次の5つに分類できる
1均衡状態
2周期的に変り続ける
3秩序の状態
4カオスの状態
5複雑系

・カオスは微分方程式を解いているうちに発見された
→決定論に従うのだけれど初期値が違うと結果が違う

・ローレンツが温度・気圧・風向に6桁の数値を入れて、3桁だけで検算
→途方もなく誤差が大きくなった→正のフィードバックがあった

・カオスは初期値に敏感な依存性がある
・カオスは場所を選択する→カオスの淵

自己組織化と進化の論理:スチュアート・カウフマン
・自然淘汰と自己組織化の両方が作用する理論
1細胞は分子で構成された並列処理を行う動的システム
2自己組織化によっておこる臨界現象を共同体の集合がピークになっていると解釈
31,2が成立するなら「共構築」あるいは「共進化」している
4共進化するには、科学が明示しえない「熱力学第4法則」が当てはまっている

シンクロニシティ:F・デイヴィッド・ピート
・パウリは非排他原理(パウリの原理)でノーベル賞を受賞した
・非排他原理は、すべての物質は2つに大別できる
1 光子や中間子などは対照的なダンスを踊る
2 電子、陽子、中性子、ニュートリノなどは非対称的なダンスを踊る
→同じエネルギーをもつ素粒子を互いに話しておく(排他する)効果が出る
・シンクロニシティは非因果的連結の総称

神経政治学:ティモシー・リアリー
神経組織は8つの回路で発展
1生物生存回路
2感情回路
3器用シンボリズム回路(意識・自我・精神は未分化)
4社会的・性的回路
5神経肉体回路
6神経電気回路
7神経遺伝子回路
8神経原子回路:地球外無意識、量子的コミュニケーション

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