2020年19冊目『選択の科学』
シーク教の教えに従い結婚式の時までお互いの顔を知らなかった両親のもとに生まれたこの本の著者シーナ・アイエンガーさん。
本人もシーク教の教えに従い着るものまで決められていました。
高校に上がるころに失明し、アメリカの学校で「選択」こそが人を元気にする源の力であることを学びます。
選択は生物の本能です。
野生の動物と比較して動物園の動物は確実にえさが貰えます。
ある意味、満ち足りた状態のはずです。
しかし、動物園の動物の平均寿命は短いのです。
逆に高ストレスのはずの社長の平均寿命は長いのです!
本人が選択できるかどうかが影響しているのです。
但し選択とは、個人のための選択と集団のための選択を重んじる人たちがいます。
自分にとって善いことを選ぶのか、属している集団にとって善いことを選ぶのかが違いです。
ここに優劣は無いのです。
どちらも幸せを感じます。
そういう意味では、冒頭の著者の両親は、集団にとって善い選択をしているわけです。
結果、幸せな結婚生活を過ごしたようです。
恋愛結婚は、結婚時の満足度がピークで、その後徐々に下がっていきます。
一方の集団が決めた結婚は、結婚時の満足度は低いのですが、その平均値は徐々に上がっていきます。
両親や親族含め、合う可能性が高いからです。
個人が選択したつもりでも、実は他者の選択に大きな影響を受けていて、その他大勢からは離れ、かといって突飛でもない選択を人はするようです。
人は、衝動のために長期的な利益を犠牲にしてしまいます。そうしないために選択を左右する要因を知る必要があります。
マシュマロテスト(一定期間我慢していたらマシュマロをたくさんもらえる)
しかし、自動システム(感覚に従ってすぐに行動する)と熟慮システム(論理や理性で判断する)
前者の子供はマシュマロをすぐに食べ、後者の子供は我慢して後ほどマシュマロをたくさんもらえる。
その後を調べると、後者の子供は、良い学校に行き、収入が多く、犯罪率が低いのです。
ただし、生死に関わる場合、例えば暴漢に襲われた。などは自動システムが活躍します。
ヒューリスティック(利用しやすさ、早期可能性):人はぱっと思い付いた内容に引っ張られて選択する。
フレーミング:分かりやすい構造で物事を捉えがち。2つの治療法を生存率と死亡率で表現すると選択者が変化する。
関連付け:バブルの、はじける前のデータを見て現在の状況がずっと続くなど、近視眼、幻視眼が間違った判断を誘発する。
選択は創られることがあります。
ファッション業界は専門家と色の予測をの契約をしています。
これによりその色が使われる可能性が強化されているわけです。
有名なジャムの話です。彼女が元の話を発表したようです。
たくさんのジャムの試食があると、人は集まるが、結局購買につながらない。少ないジャムの試食の方が、結局購買客は多いのです。
つまり、豊富な選択肢は、必ずしも誰の利益にもならないのです。
病院で延命措置をやるかしないか。
重い障害が残った場合、自分で選択をする方が後悔する人が多いのです。
その選択肢しかなかった方が、後悔しないようです。
選択がとても大事。
自分で選ぶことが大事。
それを再確認できる名著です。
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