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一口コンロと野菜くず。

家で料理を作るとなると必ず野菜屑は出るもので

本来すぐ捨てるのがベストだが、燃えるごみの回収日が数日後だったり、ごみ袋にはまだ余裕があって捨てるのはもったいなかったり、だいたいどちらかの理由でゴミ箱の中に放置してしまうことがよくある。

それが夏場なら最悪で、すぐに匂いがキッチン周辺に充満してしまう。

一人暮らし用の狭い部屋ならなおさらだ。

帰宅して玄関を開けたときに生暖かい水分を含んだ空気と共に生ゴミの匂いがムワッと顔にまとうあの感じ。

人間がそうなのだからヤツ等は虎視眈々と狙っているはずだ。

なんとかならんかぁ。

一時期生ゴミは小さい袋に入れて冷蔵庫か冷凍庫に入れていたのだが、いざ燃えるごみを出すときに必ず忘れてしまう。

それが溜まって肝心の冷やしたいもの凍らしたいものが入らない始末。

どうしたもんかなぁ。


と、イタリアンで働いているときにブロードという野菜屑でとった出汁に出会った。

これがうちのキッチンに革命をもたらした。

ブロードのとり方は店によってこだわりがあるようで、それぞれのひき方を教えてくれたが、僕のブロードは家庭料理と割り切ってとてもシンプル。

多少のえぐみ酸味は気にしない。

野菜屑以外にもイカのはらわたや鶏の皮だって、捨てるものでもったいないなと思えばなんでもジップロックに入れて冷凍庫で寝かしておく。

そしていざ燃えるゴミの回収日の前日に冷凍庫で寝かしておいた”出汁がとれそうなのに捨てられてきたものたち”をブロードにするだけだ。

作り方も鍋に入れて沸かすだけ。

後はジップロックにでもタッパーにでも入れて冷凍庫で保存して使いたいときに使えばいい。

役目を終えた生ゴミたちも水気をきってその日の夜のうちにゴミ収集場に出せば匂いも部屋の中に充満しない。

なんと、あったいい方法が。


ブロードはどんな料理に使っても邪魔をしないから使い勝手がいい。

本来野菜屑でとったブロードはパスタやリゾットに入れることで深みが増すと言われているが、カレーだって、煮込み料理だって、お好み焼きだって同じ料理なのだから深みが増すだろう。

また、イタリアンは山の幸と海の幸を混ぜないという”おきて”があるが日本人はそんなこと気にしない。

それはラーメンが実証してくれているはずだ。

だから僕も節操なくなんでも出汁が取れそうなら入れる

ちゃんと役目を終えさせずに捨てることほど無礼なことはない。

ブロードおそるべし。


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