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マインドマップで読書する

本屋が好きだった。なんでもある大型書店はもちろん好きだけど、ちいさな町の本屋も味わいがあっていい。

入り口付近に置いてある雑誌を見渡し、コミックの新刊をチェックする。作家別の小説コーナーでひいきの作家に未読の作品がないか時間をかけて探し、背表紙のタイトルをながめ、手に取り、ぱらぱらとめくり、逡巡して丁寧に棚にもどす。ビジネス書の棚も興味深い。行ったり来たりでたっぷり数時間は楽しめる。

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読書の課題

それほど本屋が好きだったのに電子書籍を愛用するようになって、ほとんど行くことがなくなった。そして同じころ札幌にもどり、通勤時間にあわせて読書量も激減した。

それでも読みたい本、読むべき本は気軽に買うから減らない。だから積読が増える。いや電子書籍なので積んでさえいない。なんとかしたい。

読書に関する課題がもう1つ。仕事がら専門書や技術書を多く読む割には、その学びが生かせていない。読んだという満足感のわりに、知識が身につかない

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目的にあわせた読書

小説は文章の芸術、またはエンターテイメントなので、一語一句じっくり時間をかけてていねいに咀嚼したい。いっぽうビジネス書技術書は情報のかたまりなので、有益な情報を効率よく確実にひろいたい。そして、できれば短時間で多く読みこなしたい。

そんなことを考えているときに東京で参加したITのカンファレンスで、マインドマップをつかってメモしている人を見た。マインドマップはアイデアを発散させるためのツールだと思い込んでいたので、その使い方におどろいた。

そしてふと、本(専門書や技術書)の要点をマインドマップで整理しながら読む方法を思いついた。当然先駆者がいるだろうとググってみたらヒット。なかなか良さそうなので、試してみることにした。

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マインドマップで俯瞰する

何冊かマインドマップで整理しながら読んでみた結果、大まかに以下の手順で落ちついている。

手順
1)マインドマップの1階層目は目次からひろった章のタイトル
2)マインドマップの2階層目以降は強調表示や気になる言葉
3)関連線や要約などをつかって情報の構成を可視化
4)書籍全体の構成を俯瞰
5)重要な箇所だけ詳細に読み込む

2)は細かすぎると普通に本を読むのと変わらなくなるので、できるかぎり書かない(=書く内容を厳選する)ように気をつける。また、後半は特に重要でマインドマップをつかった読書の強みココにあるといってもいい。つまり、読書を全体の俯瞰→要点の把握→要点の読み込みで行うものだ。

以下は「他社と働く」を読んだときに作成したマインドマップの例。

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マインドマップを描くときのポイントは、はじめから完璧を目指さないことだ。読み進めて不明な箇所があれば、戻って要点をひろい直せばいい。何度も往復しながらブラッシュアップするイメージで読む。

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ざっくり、すばやく、軽くまとめる

マインドマップに要点を抜き出すと読書の記録になるし、読んだ内容を思い出しやすい。ただ、もう1歩理解を深めたいと考えて、マインドマップをもとにスライドにまとめることにした。

スライドは凝ったことをせず、シンプルな箇条書きを中心にする。スライドの枚数には制限をつけると書きすぎなくて良い。たとえば「他社と働く」は5枚を上限とした。

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マインドマップの段階では理解したと思えたことも、いざスライドを書こうとすると理解が足りていないことも多い。その場合はもう一度本にもどり、マインドマップをながめてスライドに向かう。

ページ数や内容の専門性にもよるが、これを半日から1日で行う。例にだした「他社と働く」のようなビジネス書よりの本でもいいが、専門書や技術書の方が効果を発揮するように思う。

読書に同じ課題を持っている方はぜひ試してみてください。おすすめです。

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