要件定義の定義(共通フレーム2013)

情報処理推進機構(IPA)が発行した共通フレーム2013における要件定義の定義を抜粋する。

共通フレームの概要

共通フレーム2013概説」より引用

ソフトウェアの構想から開発、運用、保守、廃棄に至るまでのライフサイクルを通じて必要な作業項目、役割等を包括的に規定した共通の枠組み。
何を実施するべきかが記述されている、「ITシステム開発の作業規定」である。

要件定義プロセスの定義

共通フレーム2013「第2部共通フレーム概説/2.2 要件定義プロセス」では、以下のように定義されている。

要件定義プロセスは,定義された環境において,利用者及び他の利害関係 者が必要とするサービスを提供できるシステムに対する要件を定義することを目的とする。このプロセスでは,システムのライフサイクルを通じて,システムに関わり合いをもつ利害関係者又は利害関係者の種類を識別し,そのニーズ及び要望を識別する。このプロセスは,これらを分析し,次のような要件定義の共通集合へ変換する。
-システムがその運用環境との間で行う意図された相互作用を表現する。 -システムがニーズを満たすことを確かめるために,妥当性確認する際,結果として得られた各運用サービスとの対比となる。
-取得者側の利害関係者間での合意内容となる。

形式ばった記述で理解しにくいが、「第4部プロセス解説及び適用とテーラリング(修正)/1. 2テクニカルプロセス(2.)」でもう少し具体的に解説されている。

要件定義は,これから実現する組織や業務を定義し,その業務に使用されるシステムの機能・動作・インタフェース・性能・運用条件や,現行の業務・システムからの移行,必要な環境などを定義することで開発対象のシステム制約条件を具体的に明示していく作業である。ここで定義されたことがシステムとして形になるため,要件定義は企画をシステムという装置の設計図にしていくための重要なプロセスであるといえる。
※注:引用もとには太字はない

太字部分が要件定義の対象になる。

要件定義プロセスの成果物

共通フレーム2013「第2部共通フレーム概説/2.2 要件定義プロセス」では、以下のように定義されている。

要件定義プロセスの実施に成功すると次の状態になる。
a)サービスに要求されている特性及びサービスの利用場面が指定されている。
b)システムソリューション上の制約条件が定義されている。
c)要件がどの利害関係者のものか,及びどのニーズに対応しているかが追跡可能である。
d)システム要件を定義するための根拠が記述されている。
e)サービスの適合の妥当性を確認するための根拠が定義されている。
f)サービス又は製品を供給するための交渉及び合意の根拠が提供され て いる。

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