キャプチャ

1日1000回ABテストを実施しているbooking.comの軌跡からの学び

皆さんこんにちは。
ギャプライズの中野(@nakanoyuta1111)と申します。

私は普段の業務でWebサイトの分析/改善支援を行っており、日ごろABテストを回しています。

約3年前ほど前から、その業務をメインでやっているのですが、最初は良い改善案が全然出てこないことが多く大変苦労した記憶があります。そこでよくやっていたのが、ABテストをやっているサイトを毎日チェックをし、アイデアをパクることをしていました。

特に見ていたサイトがbooking.comです。1日1000個のABテストを行っているらしく(https://gigazine.net/news/20161002-booking-com-ab-test/)、毎回見るたびにサイトが変わっており、なぜこの改善をしたのか仮説を立てるのを続けていくとアイディアに転換しやすくなります。

今回は、以下のnoteを見て感化されたので、booking.comがこの2~3年でどう変わったのか、私がサイト改善アイディアを出す時に参考になったことをまとめてみようと思います。残念ながら過去のキャプチャを取っていなかったので、記憶が曖昧なところもありますので、ご了承ください。

それでは本題に入ります。

TOPページ(検索ボックス)

キャプチャ

上記チェックイン日を選択することタップするとモーダルでカレンダーが出てくるが、昔は、チェックイン日とチェックアウト日の項目をタップする選択する必要がありました。
現在は、一度カレンダーを開けば、チェックアウト日もそのまま選択できるようになっています。
また、自分が選択した日付が何日から何日か、何泊なのかを記載してくれているので、ぱっと見た時に何泊か明確化されているので、安心して次に進めることが出来ます。

小さなことだけど、最初の段階でどれだけストレスなく次へ進められるかは、サイト改善において、すごく重要なことです。この改善をきっかけにいかにユーザーにストレスなく進めさせるためにどうしたら、良いのかを考えるきっかけになりました。


ローディング画面

無題2

上記は、場所・日程を選んで、検索結果ページに遷移する前に出てくるローディング中のモーダル画面になります。

通常に検索すると左側の文言が出てくるが、チェックイン日を当日にすると「お得な直前割引を読み込み中」という文言に変わります

当日にホテルを探しているユーザーは、だいたい急いでおり、複数サイトで比較検討する人は多くないと思います。そのユーザーに対して、直前割引という文言に変えるだけでも、「ここのサイトなら当日でもお得なホテルが見つかるかも」と思わせることが出来て、検索結果でもアクティブに探してく
れるようになるんじゃないかと思いました。

ただ検索されるのではなく、ユーザーがどういう気持ちで検索しているのかを考え、何のメッセージを伝えてあげるかが重要になります。

実際にこの改善を元に、検索ができるサイトでローディング画面を入れてみたら、CVRが改善した実例も多々あります。


検索一覧ページ(並び替え)

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上記は並び替えの項目になります。

昔は、
・おすすめ
・料金が低い
・口コミ
しかなかった気がするのですが、最近は並び替えの項目数が増えている。

アンド条件(口コミと料金など)の並びになってから、よりサイトが使いやすくなったように感じる。意外と他の予約サイトでは、ここまで並び替えの多くないので、差別化にもなっていると思います。

過去の経験では、このようなシステムが関わるようなABテストは、実施しずらく、なんとなく後回しにしがちだが、実は改善インパクトが大きかったりします。


詳細ページ(レビュー)

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上記はレビュー評価になります。

元々は、口コミ評価の詳細は無かったが、詳細を出すようになっている。
最近は、他のホテルとの比較も出すようになったので、より比較しやすくなっている。

他のホテルと比較してどうかという部分を気にする人も多いので、これを見て、納得して予約する人も多くいるのではないでしょうか。

過去の経験上、レビューの見せ方・出す位置などでCVRは大きく変わるので、このサイトでも色々試してる感じはあります。


まとめ

今回ご紹介した改善例は、ほんの一部でまだまだ改善が加えている個所がたくさんあります。

最近の傾向はパーソナライズがかなり来ているなという印象があります。改善はかなりやりつくして感じはあるので、パーソナライズしてかないとCVRも上がっていかないかなという印象で、今後はよりパーソナライズされた情報が提供されていくんじゃないかと思っています。

中々、サイトの改善案が出ないという方は、ABテストをたくさん実施しているサイトを見つけて、日々チェックしてみてください。

注意していただきたいのは、ただ見ているだけではインプットにはなりません。ポイントは、なぜこのテスト(改善)をしているかを仮説立てることです。仮説を立てることで、引き出しから情報を出しやすくなるのと、仮説力向上に繋がるからです。

また、仮説が出せない時は、誰かに意見をもらうこともおすすめです。自分では気づかない視点での学びを得られます。

それではまた次回。

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