コールオプションの価格予測
旅先シリーズ第2弾です。箱根にいます。
この論文「American Call Options Pricing With Modular Neural Networks」では、アメリカンコールオプションの価格をより正確に予測するために、モジュラーニューラルネットワーク(MNN)を提案しています。従来のバローネ-アデジ・ホワーレイ(B-AW)モデルや二項モデルでは、アメリカンオプションの複雑な市場動態や早期行使に対処できないという課題がありました。MNNは予測プロセスを複数のモジュールに分割し、非線形な相互作用を効果的にモデル化することで、より低い誤差でオプション価格を予測しています。
実装手順
データ準備: 株式市場のオプションデータ(例: 株価、行使価格、満期、ボラティリティなど)を収集。Yahoo FinanceやBloombergなどからデータを取得することができます。
MNN構築: モジュラーニューラルネットワークを実装します。各モジュールは異なるデータ特徴に特化しており、それぞれのモジュールが特定の要素(例: 株価の動きやボラティリティ)に焦点を当てます。
モデルの訓練: モジュールごとに訓練を行います。訓練データを用いて、それぞれのネットワークが正確な価格を予測できるようにします。
集約と評価: 各モジュールの結果を集約して最終的な価格予測を行います。これにより、複雑な市場動態に対応できる柔軟な予測が可能となります。誤差(RMSE)を用いてモデルの評価を行います。
2. データセットの準備
実際のオプションデータが必要ですが、ここではシンプルな疑似データを使います。
import numpy as np
import tensorflow as tf
from sklearn.model_selection import train_test_split
# 疑似データ生成 (株価、行使価格、ボラティリティ、残存期間)
X = np.random.rand(1000, 4)
y = np.random.rand(1000)
# 訓練データとテストデータに分割
X_train, X_test, y_train, y_test = train_test_split(X, y, test_size=0.2)
3. モジュラーネットワークの構築
各モジュールは、異なるデータの特徴に基づいてオプション価格を予測します。
from tensorflow.keras import layers, models
def build_module():
model = models.Sequential()
model.add(layers.Dense(64, activation='relu', input_shape=(4,)))
model.add(layers.Dense(64, activation='relu'))
model.add(layers.Dense(1))
return model
# モジュールを構築
module1 = build_module()
module2 = build_module()
# 各モジュールのコンパイル
module1.compile(optimizer='adam', loss='mse')
module2.compile(optimizer='adam', loss='mse')
# モジュールの訓練
module1.fit(X_train, y_train, epochs=50, batch_size=32, verbose=0)
module2.fit(X_train, y_train, epochs=50, batch_size=32, verbose=0)
4. モジュールの結果を集約
それぞれのモジュールが予測した結果を集約し、最終的なオプション価格を予測します。
# 各モジュールから予測
pred1 = module1.predict(X_test)
pred2 = module2.predict(X_test)
# 結果を集約 (簡単な平均)
final_pred = (pred1 + pred2) / 2
# モデルの評価
mse = np.mean((final_pred - y_test) ** 2)
print(f'Mean Squared Error: {mse}')
まとめ
このコードでは、モジュラーニューラルネットワーク(MNN)を使ってアメリカンコールオプションの価格を予測しました。各モジュールは別々に訓練され、結果を集約して最終的な予測を行います。
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