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腰痛の原因はほぼ特定できていない。大半の腰痛は心理的なストレスが原因


テレビや雑誌では、「背骨を伸ばせば痛みが減る」「腰を剃る体操をすればOK」といったテクニックがしばしば取り上げられていますが、実はこれらの対策にはなんの根拠もないというのが、残念ながら現状のようです。

なんとそれ以上に、専門医師ですら腰痛の原因をほぼ特定できていないのが事実なのです。ですから、世にはびこる怪しい治療やデタラメな理療が多くあるのが「腰痛治療」の世界なのです。


腰痛の原因は不明!?手術や治療の効果はあるのか?


その事実を示したのが、欧州諸国の研究チームによって、科学的に正確にまとめられた「腰痛診療のガイドライン」という文書です。このガイドラインでまず押さえておくべきは、「およそ80〜85%のケースでは、専門家も腰痛の原因はわかっていない」という事実です。

慢性的な腰痛患者には、「椎間板ヘルニア」が原因としていることが多いかと思いますが、実際には物理的な原因で腰痛が起きるケースは全体の5%しかないようです。

つまり多くの専門家はレントゲン写真を見ながら当てずっぽうに近い診断を下しているのが現状というわけです。


しかも、定番の腰痛手術である「脊椎固定術」や「減圧治療」というのは、大した効果がない上に、体に消えないダメージを残すケースも少なくないことが研究によってわかっています。

ですから、安易に腰痛手術に手を出すべきではありません。


さらにこの「腰痛診療のガイドライン」によると、鍼治療、カイロプラクティック、マッサージ、腰痛体操などのテクニックはほぼ効果ゼロ。わざわざ金を払うほどのメリットがある治療は存在しないと、との結論を出しています。

つまり、マッサージは治療のためではなく、あくまでもリラックス目的で行くのがいいでしょう。


腰痛の原因はストレス!?正しい治療法について


では、腰痛を治すにはどのようにすればいいのか?この疑問に対しても「腰痛治療のガイドライン」は驚くべき提案をしています。

腰痛の原因はほぼ心理的なものだから、気にしないで放っておくべし


なんと、大半の腰痛は心理的なストレスが原因なので、余計なことさえしなければ問題なし。あとはいつものように過ごしていれば自然に回復していくはず、というのです。

もちろん、しつこい腰痛に悩んでいる人が、この説明をすぐには納得できないでしょう。腰痛持ちにとって「激しい痛み」は紛れもなく現実であり、心理的なものだとは考えづらいのが普通です。


しかし、その一方で、信頼性の高いデータが「腰痛の原因はストレスだ」と示しているのも事実です。

特に近年ではカウンセリングで腰痛が治った事例が多く、2015年にハーバード大学が行なった大規模な調査でも、腰痛の治療に心理療法を推奨しています。

マッサージや整体で思うような成果が出ていない人は、一度心理カウンセリングを試してみるのも有効な手かもしれません。


腰痛が起きるリスクを避ける努力をしよう


最も近年では、手軽に腰痛をやわらげる方法として「運動」を推奨しています。

2016年にシドニー大学の調査によれば、腰痛ベルトや腰痛予防インストールなどのグッズにはなんの効果もなく、すべてお金のムダとのこと。

一方で定期的にエクササイズを行った場合は、1年で腰痛が起きるリスクが35%も下がります。ウォーキングでも筋トレでも構わないので、とりあえず体を動かしてみるのが解決への近道です。


また、「腰痛になったら安静に」といったアドバイスもよく聞きますが、これもまた効果は全く確認されていません。動けないほど酷い場合を除いて、試しに軽いウォーキングなどを試してみて、自分の体にどんな変化が出るのかチェックしてみるといいでしょう。


もしかしたら、あなたの腰痛は、心理的ストレスや不衛生な食生活が溜まったことなどによる、体の不調を教えてくれているのかもしれません。今一度「健康」に向けて生活習慣を改めてみてはいかがでしょう。


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