島話5 島の人の近所づきあいは意外と程良い距離感
家島に移住してきた2011年当初、最も心配し、恐れていた事は田舎あるあるである「近所の人が勝手に居間に上がりこんできて、帰ってくれない」ということ。
邪険にする事も出来ないし、そんな事態になったら、どうしたらいいものかと、本気で思い悩んでいた。
一方で、「田舎だしそんな事もあるよね〜」という諦めの気持ちも持ち合わせていた。
結論から言うと、今までそんな事は一度もなかった。
全て杞憂に終わった。
最初に住んでいたのはNPOいえしまの事務所の2階部分を間借りしていたので、居間に誰かがいても不思議ではなかった。
挨拶や一通りの会話はするけれど、特に僕が応対しなければならない事もなかった。
挨拶もめんどくさい時は、寝ていることにして部屋から出なかった。(次に顔を合わせた時に「え、来てたん?寝てたわ〜」と半笑いで言えば、「ほんま、よー寝るなー」と笑われて終わりだし。)
次に住んだ家は、外からしか鍵がかからない一軒家で、玄関脇の一部屋が隣の家のおばちゃんの衣装部屋になっていた。
ごく当たり前に、いつでもおばちゃんは家に入って来るけれど、居座るという事はなく、気にかけてくれている様子だったので、ヒマな時は喋り相手になっていた。
何回か寝たふりをした事はある。
今住んでいる家はこれまでの家と違って、家の中から鍵がかかるし、僕だけの空間で構成されているけれど、誰かが勝手に入って来る事はない。
戸がガラガラとあいて、声をかけられる時はだいたい島の人が魚や野菜を持ってきてくれる時で、移住当初に心配していたような嫌な思いをこれまでにした事はない。
採石業で栄えていた頃はこの島に全国から人が働きに来ていたことから、距離のとり方も上手だから、一般的な離島よりも閉鎖性を感じることがないのだと思う。
ただ、改めて振り返ると、僕がこれまで住んでいた家はフツーではないから、人によっては"居間に居座られる"よりも嫌なことだったかもしれない。
でも僕は特に疑問も持たず、「田舎だしそんな事もあるよね〜」という気持ちで楽しく暮らしていた。
いえしまコンシェルジュ
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