靴磨きの話
靴磨き。
気分転換に。ひたすら黙々と靴を磨くのが好きです。
綺麗な鏡面に仕上がった時はとてもいい気分。
でも、ものすごく単純な作業の中に大切なことが幾つかあります。
まず、汚れをきちんと落とすこと。
旧いクリームはアルコールやクリーナーで落とす。
ブラシを使って、毛穴のホコリを掻き出す。
布と水でキレイに、スッピンに戻す。
汚れが残ったままだと、透き通った鏡面になりません。
クリームはダマになっていないこと。
塊が紛れ込むと、それまでにできた層が削れたり、出来物のように表面に残ります。
そして、一回に載せるクリームはほんの少し。
髪の毛よりも薄く、何回も重ねていきます。
バッと塗って、冷えたところの表面を磨くと、
鏡面のようにはなるのですが、透明感はなく、脆いです。
何度もうっすら重ねた鏡面は固く、
ぶつかった時や踏まれてしまった時も革を守ってくれますし、
雨の日も防水になります。
そして、どこもかしこも鏡面にするのではなく、
シルエットがキレイに浮かび上がる陰影を考えます。
なんだか、楽器の練習みたいでしょう?
壁にぶつかったら、最初の入り口からやり直してみる、一度弾けなくなる。
少しずつ、ヨチヨチと単純なことを確実に重ねていく。
そうすると、ちょっとやそっとのことでは揺らがない。
でも、履きジワが曇ってきたら、落として磨き直す。
演奏も同じ。
仕上げた曲も気になるところがでてきたら、やり直す。
地味な練習に耐えられない人は是非!気分転換に靴を磨いてみてください。
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