『もものかんづめ』とさくらももこ展①
さくらももこ展に行った。
控えめに言って、サイコ〜だった。
もう一回行きたい。
展示品はほとんどが撮影NGで、
ゆっくりゆっくり見るしかなかった。
『ちびまる子ちゃん』の原画や、
さくらももこさんがパーソナリティを務めていたオールナイトニッポンの音声、
息子と一緒に作った絵本など、
盛りだくさんで大満足の内容だった。
展示の中には、さくらももこさんが書くエッセイの原稿用紙の原本もあった。
ちょうど『もものかんづめ』を読んでいる途中だったから、原稿用紙に綴られたさくらももこさん直筆の原稿を見て、「パソコンじゃないんだ?!」と驚いた。
さくらももこさんのエッセイのすごいところが、
難しい表現をちっとも使わないところ。
わかりやすい言葉で、秀逸な文章能力で、簡明な文章構成で、子どもでも読めるし、大人にもおもしろい。
山崎ナオコーラさんが目標にしていること。
素敵な志だな、と思ったから覚えていた。
小難しい言い回しや表現を使うことで、「この人頭がいいな」と思われたい願望は、義務教育の読書感想文でサヨナラするべきである。
「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を」
この原点であり頂点が、さくらももこさんのエッセイだと思う。
さくらももこ展に展示されていた作品で、
『ちびまる子ちゃん』の中で私の好きな回の原画があった。
まるちゃんが、母の日にお母さんにハンカチをあげる話。
せっかくお小遣いで買ったプレゼントのハンカチが、実はお母さんがすでに持っているものだと知って、ショックを受けるまるちゃん。
自室で一人泣いているまるちゃんの元へハンカチを片手にやって来たお母さんが、
「お母さんはまる子がくれたハンカチがあるから、お母さんのハンカチをまる子にあげる」と言う。
小学生で初めて読んだ時に、「こんな優しさがあるんだ」と思った記憶がある。
私の大好きな回の一つ。
のんびり屋で、お調子者で、素直で、憎めなくて、かわいいまるちゃん。
小学校を卒業して成長して、「ちびまる子ちゃん」じゃなくなったさくらももこさんも、変わらずマイペースで、くだらないことと真正面から向き合っていることがわかる『もものかんづめ』。
大人になっても自分のスタンスを崩さないさくらももこさんを、カッコイイな、と思う。
各回のタイトルとともに描かれているイラストも、
可愛くて癒されるのだ。
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