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「今の私があるのは 渡名喜 舞(となき まい)」

 自分が目指している
 ことだけが
 自分の未来になる
 福島正伸

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福山雅治主演の『ガリレオ』シリーズではないが、「実に面白い」放送となった。今回のゲストは、史上最年少19歳(来月で20歳)の舞ちゃん(渡名喜 舞)。現在、北海道教育大学釧路校の学生であり、中村あっちゃんプロデュース、キャンパスのない日本一夢が叶う学校、「暮らしの藝術大学」一期生でもある。「暮らしの藝術大学」でZOOM講義をした時、明確な夢を持って動いている彼女を応援したくなり、ゲスト出演を依頼した。連続放送1,015回目から1回10分、全5回のvoicyラジオ対談、フォローして聴いてほしい。

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高校まで沖縄県国頭郡の「美ら海水族館」のある本部町(もとぶちょう)で過ごした。小1の時、童話を覚えて身振り手振りをつけて発表する童話大会で地区代表、学校代表、町代表と勝ち進み、県大会代表一歩手前までいった。小1にして初めて「人前に立って話すのって楽しい!」と感じた。自ら学級代表に立候補する積極的な少女だった。そんな彼女が結果的に小5でイジメを先導することになった。ズバズバ思ったことを言うタイプの彼女に「舞が言うなら・・・」と同級生が同調し、一緒にイジメるようになったのだ。親にも先生にも叱られ、夜7時に先生、生徒、親が教室に集められ謝罪会見となった。その時、親にアドバイスされた。「舞がハッキリものを言うのは悪くない。言い方を別のものに変えられる。舞なら弱い人を守るために使えるよね」と言われ猛省。ところが小6になると、イジメていた仲間が「おまえが親にチクった」と言い出した。今度は、明らかにターゲットが自分に移ったことを知った。靴が隠されたのを目撃した彼女は「おまえらダセーよ!謝罪会見までしたのに・・・」。「いい子ちゃんぶるなよ。おまえとは、まず仲良くできない。渡名喜菌がついた!」。自分が陰湿なイジメを受けたことで、初めて小5の時にイジメていた子の気持ちが真に理解できた。小5でイジメたこと、小6でイジメられたこと、両方を経験したのには意味があると思う。voicyラジオのゲストで今、活躍している人は、「幼少期にイジメられてた経験のある人」が多いと気づいた。

4つ年上の姉は中学受験の真っただ中、家族を気遣い親にも話せない。勇気を振り絞ってイジメられてるのを知っている担任の先生に相談すると、「あれはイジメじゃないでしょ。あなたは強い子!」と突き放された。担任の先生の態度は明らかに事なかれ主義。こういう時こそ教師は生徒と協力関係を築いて問題解決に向けて動くべきだ。舞ちゃんは、大人に対して不信感を持つと同時に「こんな教師がいていいのか?私が教育界を変えてやる!」と小6の時に心に誓った。彼女の場合は担任以外の先生に相談してイジメはなくなり解決したが、他人に「助けて」というのは勇気がいる。「誰にも言えない子を助けたい!」と担任の先生を反面教師として捉えた。早くも小6で人生のターニングポイントを迎えたのだ。

中学に入って生徒会長に立候補、キャッチコピーは「やる気!元気!渡名喜!」自分を活かせるクスっと笑える演説をした。野球部の人気のあった生徒に2票差で敗れて副会長になった。

高校2年の時、高校生の観光事業計画を競うコンテスト、「観光甲子園」に出場した。3分間の動画をつくって地元への観光誘客や地域課題を探究する大会だ。この3分間の動画をつくることで、初めて地元、本部町の魅力を知った。同級生に地元の魅力を訪ねても「何もない」と言われた。「もっと地元の良さを知ってもらって盛り上げたい」と思うようになった。PRするには決勝に進むしかない。全国から20校、5人1チームでプレゼンをして3分間の動画を見せた。テーマは本部町の「青」。海、紫陽花、藍染め、鰹(青魚)を伝え、準グランプリ、全国2位を獲得した。車で通りすぎるのではなく、歩いてみると、たくさんの「青」を見つけられたのだ。この経験から「子供たちに地元の魅力を伝えたい」と思い教員か観光業か迷った。親の生業とする地域課題を解決する観光業にも興味を持ったが教員を目指す決意をした。小6の時の担任と同じ立ち位置で闘うために。

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高3で進路を決める際、沖縄を離れることで沖縄の良さがわかると思い、県外の大学を志望し九州の私立大学を選択し、担任の先生に相談すると、「本当にココでいいの?」。「何のために」自問自答すると志望理由が見つからない。沖縄から離れたいと言っているのに、安易に近くの大学を選択しようとしている自分がいた。一番離れた北海道から大学を順に見ていくと、一発で北海道教育大学に目が留まった。子どもたちや地域の人々と関わりながら子供目線と指導者目線の両方で見て実践活動し教員を養成している大学らしい。この大学に呼ばれているように感じ、親に伝えると、「あんた、ホントに行くの?」。自分で決めたことは最後までやり抜くことを知っていた親は、「寒いだろうけど、健康に気を付けて頑張りなさい」。

大学に進学して一番苦労したのが言葉の問題だ。「こんなに伝わらないの?」と思うほど方言が友達に理解されない。「あなたの話す言葉が英語に聞こえた」と言われるほど通じない。理解するのに時間がかかるから、方言が出ると場がシラケた。自分のアイデンティティが崩れていく。もともとしゃべるタイプなのに、1年は無口になってストレスを感じていた。自分が周りに合わせて標準語をしゃべることで周りも変わっていった。1年の後半、ゼミの「地域文化研究室」の所属すると、集まった5人はみんな県外からの学生で方言を使っていた。「方言しゃべってもいいんだ!」。俄然、大学生活が楽しくなり充実した。

地域を学ぶ中、地域食堂の課題に気づいた。場所を確保するのが難しい。ならば移動型にすればいい。ストレートに教員になるのもおもしろくない。キッチンカーで全国を周りたいという夢ができた。「大人でも子供でもない大学生という立場で、親にも教員にも話せない子供たちの心の拠り所になりたい」。

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そこでゼミの先生に「暮らしの藝術大学」を勧められ体験入学をした。そこで出会った大人たちは、みんな面白い。キッチンカーを子どもたち対象の昼の部と大人たち対象の夜の部に分けて運営する。舞ちゃんの物事を多角的に考察し、新しい発想を生み出す水平思考がいい。思いを「暮らしの藝術大学」講師たちに伝えると、ワクちゃん林くんら全員が「メッチャいい」。応援されて嬉しかった。「やるしかない!」。学生時代に面白い大人たちと、いかに出会うかでその後の人生が大きく変わる。面白い大人は夢を肯定するから会話も面白い。

今年の6月、林くんの主催する北海道江別のイベントに出展し、おにぎりのワークショップを体験した。子どもと保護者と話すことで、「対話っておもしろい」と気づけた。

本土復帰50周年の沖縄特集で地元の商店街、「まちやーぐゎー」を盛り上げようと立ち上がった有志が沖縄特産のお菓子の詰め合わせを内地(本国)に暮らす「うちなーんちゅ(地元が沖縄)」の人に送るニュースを見た。「うちなーんちゅ」は沖縄の問題を自分の問題にしている人が多い。「沖縄が今も抱える課題をみんなで話しながらキッチンカーで巡るのもいい」なんて思えた。ここで出会った人の輪が大きくなっていくと、また新たな展開が生まれていくと思う。走りながら考えよう。

「教員をしながらキッチンカーで全国を周りたい」という夢の実現に向けてクラファンに挑戦する予定だ。クラファンを応援したい。きっと舞ちゃんの周りに同志が集まってクラファンを成功させて、教育を、沖縄を、世界を変えていくと思う。

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voicyラジオで対談したキッチンカーで人気の笠井亮吾の放送!友人りょうごとも繋がってほしいな。

 進路は自由だ。道は無限にあり、
 どこまでも続いている。
 まずは、どっちに歩き始めようか? 
 進路を決めるのに、理由なんていらない。
 ただ、胸の中のわくわくセンサーが指す方向へ。
 高橋歩(著)「いつもココロに青空を。青空はつながっている。」


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