官足法

病気治療の手法として足つぼを押すこと(リフレクソロジー(反射療法))については、すでに古代中国で体系化されていたし、日本でも大昔から按摩師が足つぼを押していた。
しかし、1980年代に台湾出身の官有謀氏が「足をもむだけで万病が治る」として官足法を創始し、これをマスコミが取り上げ一大ブームとなった。

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今でも見かける『足つぼマット』や『ツボ押し棒』を大々的に売り始めたのも、官氏が最初である。
ブームが去った後も、「足つぼを押すと健康になる」というイメージは僕らのなかに根深く残っているし、その通り、実際健康になる。食事改善よりもサプリよりも何よりも、足つぼのほうが断然効いたのではないか、という症例を経験した。

30代男性。2021年11月当院初診。
「10代のときから過敏性腸症候群で、そのときから食べ物には気を遣っているつもりです。甘いものは好きだったけどやめたし、小麦や乳製品もやめました。一瞬改善しましたが、やっぱり治らないですね。便はゆるいです。おなかが張って苦しかったり、ひどい倦怠感が出たり。きっと腸内細菌が悪いんだと思います。カンジダがいるのかなと思って、重金属のキレート剤を試したことがありますが、かえって悪化しました。そのときの悪化がいまだに続いています。
空腹感をほとんど感じないです。おなかは減らないけど、食べないと死ぬから食べてるって感じです。
5年前胃カメラ検査で、胃炎で発赤していると指摘されました。口内炎もひどいですし、要するに、胃腸を含めた消化管全体がダメなんです。何とかなりませんか?」

なかなか手ごわそうだ。
すでに食事に関して、僕の方から改めて言うことはほとんどなさそうだ。付け加えることがあるとすると、ミキ(沖縄や奄美で飲まれている米の発酵飲料)や麹水はどうだろう?
https://note.com/nakamuraclinic/n/n5a15a7e72fc4
あるいは、腸の過敏性が亢進した人にはキャベツジュースがいい。
https://clnakamura.com/blog/5279/
https://note.com/nakamuraclinic/n/n3f1aa6cc6115
こうした食事にプラスして、アサイゲルマニウムやCBDオイルなんかを適宜使うといいだろう。この順番が逆になってはいけない。「サプリで病気を治す」となってはいけない。サプリの投入は、常に一番最後です。食事の改善で治っちゃうのが絶対一番いいんだから。

2022年1月再診。
「最初ゲルマニウムを少しずつ使っていて、効果がいまいち分からなかったんですね。それで、思い切って1日2gとかしっかり飲んでみたら、だんだんよくなってきました。口内炎は一切なくなりました。
ただ、空腹感のなさは相変わらずです。重金属キレート療法をする前はちゃんと空腹があったのですが。
便通は下痢ではないですけど、ゆるいですね」

2022年2月再診。
「症状には波があるけど、それなりって感じです。CBDオイルも、数滴レベルでちまちま飲んでいるとあまり効果を感じないので、スポイトでフルに吸い上げて、それを1プッシュ、2プッシュ、3プッシュぐらい、しっかり飲んだ。それだとしっかり効きました。
でも治りきることはない。「ものすごくひどいときはなくなった」って程度です。
ワクチン接種者からのシェディングが腸に来るってこと、ありえますか?」

できれば根治に持って行ってあげたいが、このあたりが僕の限界かな、と思いながらも、でもせっかく僕を頼って来てくれてるのだから、頭をひねってあれこれと知恵を絞り出すわけです。「こういうハーブを使ったカンジダ対策したことありますか?」「EM菌試したことあります?」「炭やゼオライトで腸をきれいにするアプローチは?」「バクチャーって知ってます?」「セルパワーはどうですか?」「足つぼマッサージのひとつに官足法というのがありますが、これ、やってみてはどうですか?本気でやれば猛烈に痛いですけど(笑)」
この患者は実に律儀な人だった。僕の助言を聞き逃すことなく、ひとつひとつ実地に検証したんですね。そして、ついに、“当たり”を引いた。

2022年6月4日再診。
「官足法の本を買って実践しました。驚きました。本当に効きました。てきめんに。
最初は激痛でした。でも毎日根気強く押し続けるうちに、痛みが減っていきました。足裏にたまっていた老廃物が流れたんだと思います。
官足法を始めてから数日、下痢になりました。好転反応で、回復する前兆だったと思います。
足つぼマット、買いました。最初はこれに乗れませんでした。あまりの激痛で。でも今は痛みがありません。楽々と乗れます。老廃物が流れて痛みが消えたみたいです。
回復して初めて気づきました。自分の体がいかにひどい状態だったかということに。
たとえば私、寝る前に子供に絵本を読んで聞かせるのですが、3分も読んでいると頭が痛くなります。自分にとって日常的なことなので、先生にお伝えするのも忘れていました。頭が痛くなってきたら「さあ、そろそろ寝ようか」と読み聞かせを終える。毎晩そんな感じでした。
でも官足法をして足裏の老廃物が流れてからは、おなかの調子が改善すると同時に、そういう頭痛もなくなりました。集中力、”精神のスタミナ”がついた感じです。子供にいくらでも絵本を読んでやれます。

私の回復ぶりに、家族が目を見張りました。それで今、我が家では全員が官足法をやっています。みんな足裏をギューギュー押しています。でも、やればやるほどいいってものでもないです。1日15分から30分。それくらいがちょうどいい。
この5月、数年ぶりに家族全員が熱発しました。でもみんな数日で回復しました。病院には行かないので分かりませんが、周囲にコロナ陽性がいたから、コロナだったかも。でも乗り切れました。官足法のおかげかサプリのおかげか。いずれにせよ先生のおかげです。先生の何気ない一言って、すごく効きます。
心も体も軽くなりました。お金もかからず、副作用もない。これこそまさに、医者要らずの治療法です。
いや、先生は要ります。私の主治医でいてください(笑)」

劇的な回復ぶりに僕も驚いた。ゲルマが起こす奇跡は見慣れているので、もはや奇跡とも思わなくなっているところがある。しかし、ゲルマやCBDオイルで治りきらなかった症状が、官足法でここまでよくなるとは、想像もしていなかった。「炎症性腸疾患が足ツボで治る」などと言えば、日本中の消化器内科医が鼻先で笑い飛ばすだろう。しかし、事実として治った。

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官有謀氏の著書『足の汚れが万病の原因だった』には、なぜ官足法がそんなに効くのか、その理由が説明してある。しかしこの説明が、一般的な意味での科学的説明になっているかというと、ちょっときつい。
「宇宙は波動によって動いている。波動とは宇宙エネルギーのことで、これは1分間に18回のエネルギー波を持つ。海の波を見よ。波は風がなくとも起こり、1分間に18回岸に打ち寄せる。
人間が波動を受けると、やはり1分間に18回の反応を起こし、肺は1分間に18回の呼吸を行う。
宇宙エネルギーの波動は陽、肺の運動は陰。陽と陰が結び付くと熱が起こる。陽の波動18回と、陰を受けた肺の呼吸18回を足してみよ。体温36度が生じる。
平熱を36.5度として、人体のツボの数365個、1年は365日。世界はすべてつながっている」
これはサイエンスではないですね。結婚式のスピーチなんかに使えそうな小ネタにすぎません(笑)
それにもかかわらず、官足法は確かに効く。
患者にとって大事なのは、難しい理論よりも、着実な効果なんだ。