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6月20日「カルカッソンヌ、心を動かす旅」

今日の朝は、曇り空の下で迎えた。心に決めていた、クロワッサンとカフェオレでの朝食を楽しみに、昨日マルシェで賑わっていた広場へと足を運んだ。しかし、日曜日の静けさは、ほとんどの店を閉ざしていて、私の予想とは異なった。それでも、洋菓子が美しく並べられたショーウィンドウに引き寄せられるように、一つのカフェに足を踏み入れることにした。

外の席に座り、待ちわびたクロワッサンとカフェオレを前にした瞬間、突然の雨が降り出した。途方に暮れかけたその時、店主が親切にも二階へと案内してくれた。らせん階段を上がり辿り着いたその部屋は、予想をはるかに超える素晴らしいインテリアに囲まれており、その空間の中で朝食を取ることは、まるで夢のようなひと時だった。雨音をBGMに、その部屋の絵を描きながら、この瞬間を永遠に記憶に留めたいと願った。

雨が上がり、気持ち新たにCite(シテ)へと向かった。世界遺産のその場所は、想像以上に多くの観光客で溢れかえっていた。その中で、レストランや土産物店が軒を連ねる賑やかなエリアを避け、城壁に沿って静かな場所を選んで歩いた。そこはまるで時間が止まったかのような静けさで、一心不乱に城壁の絵を描いた。

城壁から見下ろす景色は圧巻だった。茶煉瓦と白壁の家々が、まるで米粒のように広がっている。その間には緑豊かな風景が広がり、背後には優雅に連なる山々が見えた。ここから吹く風は、2000年前からこの地を見守り続けてきたのだろうか。その思いに胸が熱くなり、感動の涙が溢れた。遠くから訪れたこのカルカッソンヌでの経験は、私の人生において忘れられない宝物となった。この美しい町と、それを守り続ける人々、そして自然の営みすべてに、心からの感謝を捧げたい。この地で感じたすべてが、私の心に深く刻まれ、これからも長く温かい記憶として残り続けるだろう。

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