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喜劇の天才になるための覚え書き〜何がしたい?何が楽しい?から考えるデッキ調整編〜

はじめに

世間はモダンホラーをテーマにしたダスクモーンのカード発表で賑わう中、今日も今日とて存在がホラーと謳われる『喜劇の天才、ブリム』の話を交えつつ、デッキの構築の話をしていこう。ハァイ、ジョージィ。『リッチの熟達』いる?

百万回見た排水口に住んでる道化師

このカードの効果は「排水口から変なものをおすすめするクソピエロ」こと、ペニーワイズとだいたい同じ。風船の代わりに自分の場の要らないもの押し付けるし、押し付けられたジョージィ(相手プレイヤー)は死ぬ。

まぁ、さすがに過大広告過ぎるのでちゃんとしたスペックをお知らせしましょう。

飛行
喜劇の天才、ブリムがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、あなたがコントロールしているパーマネント1つを対象とする。そのプレイヤーはそれのコントロールを得る。その後、各プレイヤーはそれぞれ、自分がコントロールしているがオーナーではないパーマネントの総数に等しい点数のライフを失い、それに等しい枚数のカードを捨てる。

ごちゃごちゃ書いているが、簡単に述べると効果は以下である。
対戦相手に戦闘ダメージを与えると、自分のコントロールしているパーマネントを渡す。
その後、各プレイヤーは自分が元々のオーナーじゃないパーマネントの数だけハンデスとライフルーズ。

色々と弱点はあるがホラーの化け物って、ほら……明確な弱点があるものだから……。このペニーワイズにも弱点があってしかるべきだから……。
そんな弱点の話は過去に散々言ってきているので、今回は割愛。代わりに主題の話に移っていこう。

やりたいことはなんですか?見つけにくいものですか?

夢の中へ行ってみたいと思いませんか? まぁ、ホラーだったらだいたい悪夢なわけですが。
さておき主題。過去に別の記事で自分のやりたいことを明確化してデッキの方針を固めようみたいなことを語った。

その時の記事は初心者向けという名目で書いたが今回はそこのところをもうちょっと詳しく、書こうと思う。
突然だが、みなさんはこのカードを見てどう思うだろうか?

この『賢きモスマン』はフォールアウトコラボセットで登場したクリーチャーである。今回の説明はまずこのクリーチャーを基に話を始めよう。

仮に貴方がこの『賢きモスマン』を使いたいと思ったとしてほしい。さて、どの能力に目をつけただろうか?

「RADカウンターでライフを削りたい!」
「小粒をたくさん並べて全体強化で殴りたい!」
「2種類のカウンターをばら撒けるのなら、蓄積カウンターとかのいろんなカウンターを集めたうえで増殖デッキはどうだろう?」
「切削シナジーを集めていろんなタイミングで+1/+1カウンターを乗せるようにしたい!」
「ミュータントって珍しい部族だし、変な部族デッキ作ってみたいな……」
「+1/+1カウンターが乗るたびに切削させる状況が作れれば、運が良ければループさせられるのでは……?」

上記は一例だが、このカードには少なくともこれだけのデッキの方向性がある。もちろん、「デモコンタッサ(低マナ即死コンボ)のカラーマーカーとして使える」みたいな見方もある。
これらの中から何を目指したいかは自由だし、なんならこの中からいくらでもやりたいことを選んでも良い。
ただし、やりたいことを増やせば増やすほど実現性は薄まる。なぜなら、やりたいことを増やせば増やすほど、シナジーがまったくないカード同士がデッキの中にたくさん入ることになるからである。
なので、本当にやりたいことを明確にしつつそれに注力したほうが良いこともあるということを覚えておいてほしい。

「やりたいこと詰め込みました!その結果噛み合わなくてデッキが回りませんでした!」では、せっかく作ったデッキなのにもったいないだろう。
なので、こんな感じに考えてみるのが良いと思う。

  1. でっかいコンセプト一つ ・・・全体の7〜9.5割

  2. ちっちゃいコンセプトを0〜2 ・・・全体の0〜1.5割

  3. 少ない枚数で達成できるコンボを0〜2 ・・・全体の0〜1割

  4. 上記を補助する便利カードや妨害カード ・・・残りの枠を埋める

こうすると、100枚という限られた枠でもかなりまとまったものになりやすい。
先程挙げた例で例えるなら「RADカウンターで削り切る!」をでっかいコンセプトにおいておき、「増殖カード」や「小型を並べる」をちっちゃいコンセプトにしてみよう。
そうすると土地以外の枠として採用するカードの枚数がわかりやすい他、RADカウンターを置く数を増やしやすく、小粒のトークンを並べる量を増やせる『倍増の季節』が相性いいのではないか?等と、複数コンセプトにまたがるカードを採用しやすくなる。
複数コンセプトにまたがるカードの優先順位も、「増殖にはいいけど、RADには絡まないからなぁ……」等、コンセプトを明確にすることで何を優先するかわかりやすくなるのである。

自分が何をしたいかを明文化することで、デッキを作るときの方針も立てやすくなるのである。

なんでブリムでこの話の説明をしなかったの??

さて、いつもブリムを交えて話をしているのに、今回は『賢きモスマン』の力を借りてこの話をした理由だが、その説明をする前に、改めてブリムのカードを見てほしい。

能力がシンプル!
ほぼ、何を渡すかという話になるため今回の話ではどうにも話し難いのである。
一応、以前の記事(下記リンクを参照)で話した通り、いくつか型はあるものの、パッと見でデッキの差や構築の差を出す部分の話がし難いため、今回はちょっと登場を待ってもらっていたわけだ。

さて、というわけでみなさんお待ちかねのブリムでの話に移っていこう。モスマンの話が聞きたい人は、いろんな良記事が溢れてるんだからそっちを見に行きなさい。

実際にブリムデッキでやってること

ブリムデッキでは以下のようなコンセプトの取り方をしている。

  1. 全体や単体に悪影響を及ぼすものを並べたり押し付けたりする(大コンセプト)

  2. ハンデスを起点に効果を発揮する(小コンセプト)

  3. 2枚揃えばデッキ引き切りと1人か2人倒せるくらいのダメージを与えるコンボ(コンボ枠)

  4. サーチや妨害カード(残りの枠)

ちょっと詳しく見ていこう。

ブリムデッキの分類のおさらい

そもそも、ブリムデッキは「ブリムがコンスタントに殴る型」と「ブリムは必要なときに殴れたら良い型」がある。詳細は前述していたリンクを見てくれると嬉しい。

前者は軽くて出てきたらすぐ仕事するものやどこにあっても関係ないもの(『地下世界の人脈』や『ドラゴンのマントル』など)を出しながら早めにブリムを出して殴らせ続ける型。
後者は、あらかじめ勝手にコントロールが渡るカード(『潜伏工作員、ザンチャ』や『謙虚な離反者』など)を渡しておき、ブリムが一回殴ったときの影響力をあらかじめ高めておく型となっている。
また、両者ともに隙あらば多大な負債を抱えることになるカード(『リッチの熟達』や『強欲な計略』など)がデッキに入っている。
前者は統率者ダメージとハンデスに重きを置き、後者はコントロールに寄せたデッキになっている。私の使っているブリムは後者にあたる。

デッキの大半は特定の行動を咎めるカードが多い。例えば、マナを払わずにキャストする続唱やピッチスペルを咎める『乱動する渦』や、相手ターンに動こうと土地を立てて置くことを咎める『苦痛の城塞』などがその一例となる。
中でも特に多いのがドローを咎めるカードであり、『ケデレクトの寄生魔』『オークの弓使い』『運命をほぐす者』『黙示録、シェオルドレッド』と、実に4種のカードでドローを咎めている。
また、手札の溜め込みも許さないように、『悪魔の知識』や『実験の狂乱』などの別途送りつける必要がある妨害のほか、『ヴィスラー・ターロー』という直接送りつけることもできるカードで手札の溜め込みを咎めている。
これらは、統率者でよく見る大量ドローを咎める他、ブリムデッキに入っているデメリットの付いたドロー加速カードを相手に渡した際に、さらなる負債がかかるようにするために入れている。
これらが、デッキのメインコンセプトのカード郡である。
また、単純に『強欲の計略』とのような、ただただETBは強いがそれ以降足を引っ張るどころではないような凶悪カードもここに入っている。

次にサブコンセプトだが、これは『最深の裏切り、アクロゾズ』や『恐怖の神、ターグリッド』、最近では『山賊の才能』などを入れている。
これは、ブリムのハンデスがプレイヤー全体(なぜか自分含む)に及ぶこと、また殴れさえすれば恒久的にハンデスが出来ることから採用している。
ハンデスコンボカードが来ればブリムのパーマネントを送りつける効果のディスアドを補うことが出来るという寸法だ。

そしてコンボについてだが、これは『リッチの熟達』と、落魄8を達成した『飢えた亡霊』が存在する状態でカードを1枚でも引くと、デッキを全部引ききるまでドレインが出来るというものである。
本来はデッキを引ききった後にドローが誘発することで負けてしまうのだが、『リッチの熟達』により、敗北しないためそれをカバー。なんとも死と隣り合わせな
コンボである。

最後のユーティリティーカード枠は強すぎないサーチや除去を入れている。特筆すべきは相手の場にある自分のパーマネントに『混沌のねじれ』を撃つと、自分のデッキに戻って自分のデッキからパーマネントが出ることだろうか?
ブリムで送らざるを得なかった強いパーマネントを取り戻すことができるが、大体はそんなことしている場合ではないので相手の強いカードに撃つことになる。
また、『対称な対象』というプレイヤー2人が自分のデッキから好きなカードをサーチしてトップに置けるというカードを採用している。そして、そのサーチを咎める『敵対工作員』も入っているため、これで相手のデッキから勝ち手段を貰いに行くのも一つの手だったりする。

おわりに

デッキのコンセプトは一回丁寧に明確化したほうが良いよ、という話。
ただ勝つだけでは味気ない。とにかく統率者から考えられる相性の良い動きを考えてみよう!
考えられるか不安だって? 大丈夫、明らかに派生が少なそうなブリムでさえもう4年間味がし続けてるんだから。君の統率者はもっと味がするはず。多分。Maybe。

あとは、とにかく好きなカードのことを調べてみるのも良いだろう。
オススメのサイトを貼っておくので参考にしてほしい。

簡単に言うと、海外の一番有名なEDHのデータをまとめたサイトである。
自分の使いたい統率者の英名を、開いてすぐ上に出てる検索窓に入れると、他の人が作ったデッキによく入っているカードが表示されるため、参考にしやすいはずだ。

もちろん、統率者だけでなく気に入っているカードの名前でもいい。ともかく、そのカードと相性のいいカードたちを紹介してくれるのである。

これらを駆使してより相性の良いカードが見つかることを祈っている。
それでは、また次回。

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