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喜劇の天才になるための覚え書き〜お互いに得な贈り物編〜


はじめに

『喜劇の天才、ブリム』って誰やねん・何やねんという方は、先に前回の記事を下に貼っておくので読んでいただけると幸いだが、知らない人に向けて要約すると『戦闘ダメージで自分のパーマネントを押し付け、押し付けてあるパーマネント分ハンデスとライフロス』という能力を持つ伝説のクリーチャーだ。

この能力はなんとブリムをコントロールしているプレイヤー自身も対象になる。他の人の物を持ってる人を自分も相手も平等に咎めてくれるわけだ。いい子だね!教団の教祖のラクドス様といい、どうして赤黒はプレイヤーに直接反抗してくるのか。そういうところも好きだけど。

実はブリムのデッキにも型がある

さて、ちゃんとしたデッキ構築の話に移ろう。
一回でもブリムデッキを組んだ人なら分かるのだが、こいつは殴れるジェネラルだが、同時に殴れないジェネラルでもある。
どういうことかと言うと、単純に殴れば殴るだけ自分の場のパーマネントが消えていき、相手の場にパーマネントが並ぶのだ。こっちがマナを払って場に出して、それを使うのは相手。うーん悲しい。
なので、基本的なデッキ方針は以下のどちらかになると思う。

  1. ブリムの能力を最大限活かすため、彼が何度も殴れる環境を構築しながら、渡すためのいらないもの・どこにあってもいいものを大量に用意する

  2. ブリムの能力は勝負を決めたいときや、一発誰かを殴れれば、全員に大きい損失を与えられるものと割り切り、それまでに沢山のパーマネントを相手の場に送り込んでおく。

ざっくりと要約すると、
『ブリムが殴ることで仕掛けを送り込んで何度も能力を誘発させる』か、
『ブリムが殴る前に仕掛けを送り込んで一発で大きく能力を誘発させる』かのどちらを主軸にするかという話である。

前者は、ブリムの戦闘補助を行う装備やエンチャントと、相手に送りつけたい害悪パーマネントを多めに入れる構築であり、
後者は勝手に相手の場に出てくるパーマネント、または自身の能力で相手の場にコントロールが渡るパーマネントを多めに入れる構築だ。

わたしは後者、とにかく色んなもののコントロールを先にみんなに配って、殴れそうなタイミングでひょっこりブリムが殴る構築であることを先にお伝えしておく。

ちなみに、勝つことだけを考えるとおそらく前者のほうが戦いやすく思える。
特殊敗北orほぼ敗北な状況にさせるエンチャントやクリーチャーはちょくちょく追加されているため、一回でもブリムの殴りが通ると敗北まっしぐらになるわけだ。

なお、送りつけに失敗した瞬間に自分がピンチになるため、ハイリスクハイリターンなデッキであることも伝えておく。
ただでさえパーマネントを並べにくいデッキで、リッチの熟達だけポン置きしても、それは殺してくれと言ってるようなものなのである。

決まれば強いはどのコンボでも同じだが、
ブリムには相応のリスクが伴う

ちなみに、後者の勝ち方は基本的に漁夫の利。または、様々な害悪パーマネントとブリムの能力で盤面を裏からコントロールし続けることによる勝利である。
このわけのわからん統率者を乗りこなして、ほっそい勝利を手繰り寄せる感覚と、政治交渉を目一杯楽しむならブリムは本当にオススメである。
みんな、組もう!

贈るなら皆で協力できるものを

今回の本題である。
ブリムでやってることを真っ向から否定するかのように思えるが、まぁ聞いてほしい。
統率者は近年公式から優遇され始め、それに合わせて他の人とシェアしながら使うパーマネントが増えてきた。
ブリムはただでさえ自分のパーマネントを誰かに押し付けるために損をしているので、この誰かとシェアするカードは、「自分にヨシ!相手にヨシ!」と、とてもにこやかに使えるのである。

もっとも、ゲーム終盤でブリムが殴る頃には「クソ邪魔」「カスカード」「親切の押し売り」等散々なことを言われるがそんなこと知ったこっちゃない。
今回はそんな、取り敢えずブリムに入れ得だと私が思っているカードの紹介をしておきたい。

繁栄のペンダント

場に出す先を選べ、かつ対戦相手が2マナ払ってくれれば、自分と対戦相手がワンドロー+手札から土地が出せる。しかもアンタップイン!
基本的にマナが余りがちな人や逆に土地を引かないと動けない人に渡す手助けの側面がかなり強い。
いつでも「成長のらせん」を打つ権利を相手に渡しつつ、初期投資の3マナ以降はそれを自分もマナを払わず使えるのだ。こう言うとその強さがわかるだろう。

コントロールランプ御用達カード

なお、実際に強いには強いのだが逆に言うと「自分が使いたいタイミングで使えない」という致命的な欠陥を抱えていることは最後に付け加えておく。

バックナードの裕福な財布

4面ダイスを振って、出た目の分だけ宝物生成。その後コントロールを右隣に移す、というカード。
量はランダムだが、一時的なマナ加速を行え、且つ別の人間にコントロールを移せるカードと言うことでブリムとの相性はなかなかに良い。
金が出てくる物を勝手に渡してきて取り立てを行ってる様子は完全にヤクザの所業だが、仕方がない。それがブリムなのだから。

欠点として、
『狙った相手にピンポイントでは渡せないこと』
『渡すときはタップ状態だが、起動はインスタントタイミングで出来るので、能力にスタックしてコントローラーを変えられる事があること』
の2点が挙げられるが、そもそものブリムが欠点だらけのカードなのでこんな欠点可愛く見える。

ちなみに、このカードで他のプレイヤーが生成した宝物トークンのオーナーはそのプレイヤー自身のため、ブリムの効果は適用されない。悲しい。
たとえオーナーが自分だったとしても、効果にスタックされてサクられるのが見えているが。

ヒスラインの綱

1マナタップでランパンしてコントロールを渡すか、2マナタップで1ドローしてコントロールを渡すかのどちらかが可能なカード。
地味だが非常に嬉しい、これ自身を『生け贄に捧げることができない』という能力を持つ。
いるのよ、私のブリムがあげたカードをサクって有効活用してくる輩が……。ゆるされねぇ……。
効果が非常に強力であることは見たとおりわかると思うが、そんなカード渡して大丈夫なの?となるほどではない。
『バックナードの裕福な財布』のときには言わなかったが、テキストの「右隣に渡す」というのが絶妙なバランスを守っているのだ。
統率者戦は時計回りで進むため、これらのカードが次に使われるのは自分のターンも含めて4ターン後。
全員が毎ターン使えるわけではないため、程々な強さに留まっている。
なお、統率者には『永劫機関』というこの時計回りに回るターンの進行を、反時計回りにするカードも存在する。

さらにカオスにしたいならオススメだが、実際に入れていた者の感想としては、「5マナ払ってこんなものポン置きしてる余裕はない」である。
ただでさえブリムは1枚では働かないどころか自分の足を引っ張ってくることさえあるカードを使っているため、流石に併用は難しかった。

願い爪のタリスマン

今回の本命カードである。
3回まで使える悪魔の教示者と聞くとその強さがわかるだろう。しかも起動が1マナ!
と、まぁそんなうまい話があるわけもなく、こいつは一回起動するたびに他の人にコントロールを渡さなければいけない。そりゃ、ブリムデッキにおすすめするカードだからね。標準搭載ですよ。
ただこのカードはほ他のカード一線を画している。
『好きなカードをサーチできる』
『自分のターン中ならばインスタントタイミングでサーチ可能』
『渡す相手が自由に選べる』
『相手にアーティファクトをアンタップする手段があってもすぐに効果を起動することが出来ない』
と、ブリムにとって嬉しい効果がマシマシなのである。
万能サーチは今この瞬間に欲しいカードにアクセスできる。
インスタントタイミングのサーチが可能なため、ブリムの攻撃が決まった瞬間にコントロールを移しても良いし、こちらから仕掛けにいった戦闘でコンバットトリックを仕掛けてもいい。
単純に渡す相手が選べるのは偉く、しかもこのサーチ効果は、渡された相手のターンになるまで絶対に使われない。
さらに、ブリムとのシナジーとして、大体は最終的にこのカードは持ち主に返ってくるのだが、それすらブリムで押し付けることができるのだ。地味すぎるシナジー。

最後に

今回紹介したカードは正直ブリムデッキでなくてもわりと楽しいカードである。
共闘するための賄賂としても使えるし、足並みが一人だけ揃わない人を助けることも出来る。『願い爪のタリスマン』は単純に安価な万能サーチとして考えてもいいだろう。もちろん使うタイミングはエンドカードを持ってくるときだけにする必要はあるが。
次回は、ブリムデッキの主戦力『自分でコントロールが移るクリーチャー』の内、個人的に使いやすく楽しいと思える物を紹介できればと思う。

また新たなブリムデッキ使いが増えますように。
そして、デッキレシピが増えますように……。

シリーズ

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