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喜劇の天才になるための覚え書き〜潜伏工作員編〜


はじめに

『喜劇の天才、ブリム』を知っていても知っていなくても、この記事を読んでいただきありがとうございます。
彼、こと『喜劇の天才、ブリム』のことを簡単に説明させていただきますと、戦闘ダメージを与えるたびに自分のパーマネントを相手に一つプレゼントしちゃう良い子です。押し付けたあとハンデスとライフルーズで取り立てるというご愛嬌付き。なお、自分も他の人がオーナーのパーマネントをコントロールしていたらハンデスとライフルーズを食らいます。良い子すぎる。お前、自分のオーナーは見逃せよ。
さて、すでに2回もこの「天才」の話をしていますが、今回は「勝手に相手の場に行ってくれるクリーチャー」のうち、私が使いやすい・楽しいと思っているクリーチャーを紹介していこうと思います。

コントロールが移るクリーチャーには3タイプある

まず、表題に書いた通り「相手にコントロールが移るクリーチャー」には3つのタイプがありまして、それが以下、

  1. 出てすぐ相手に渡せるクリーチャー

  2. 最初は自分の場に出てくるが、能動的に相手の場に移すことが出来るクリーチャー

  3. 最初は自分の場に出てくるが、特定の条件で勝手にコントロールが移るクリーチャー

それぞれの例を簡単に挙げると以下の様な感じ、

1の代表例、潜伏工作員
今回の記事のタイトルにも入れてある。
2の代表例、通称「裏切りドローハゲ」
詳細は後述。
3の代表例。対戦相手がアーティファクトを唱えると
「わーい、エサだ!」と勝手にその人のところに行く

先んじて、伝えておくと今回の紹介において3のカードはあまり紹介しない。
というのも個人的な見解ではあるものの、以下の理由からブリムデッキで使いづらい —より正確に言うならばブリムデッキですら使いづらい— からである。

  • こちらが意図しないタイミングで相手の戦力が増強される&自分の戦力が減ることが多い

  • マナレシオに対してスタッツがいい、以外の利点が少ない

  • 狙った相手に渡しづらく、コントロールがし辛い。

いずれどこかのタイミングで記事に書こうと思っているが、ブリムデッキにとって一番起きてはいけないことは『戦場に厄介なものたくさんばら撒かれてるけど、あいつ殺せば全部なくなるんじゃね?』と思われることである。
いずれ脅威にならなければいけないのは間違いないのですが、基本的には『うっとおしいけどこいつを倒してる場合じゃない』または、『今トップの人間の足を引っ張ってくれてるのはこいつ』という立ち位置に居続けなければいけない。要するにヘイトコントロールが他のデッキよりもとても大事なのである。
そんな中、勝手にヘイトを高めにいったり、勝手に生贄要員になりに行ったり、早い段階からパワーが高い状態で殴りに行ったりされると、自分が何もする前にヘイトがこっちに来ることがある。たまったものではないと。
ただでさえじゃじゃ馬な統率者を抱えているのに、こんなコントロールし辛いカードを入れてる余裕がない、というわけでデッキへの採用を見送っている。

というわけで、あらかじめ伝えたいことを伝えたうえで、先程分類した1・2・3に沿って、私のオススメするクリーチャーを紹介します。

1、最初から相手の盤面に出るクリーチャー

潜伏工作員

例にも挙げていた、出てすぐ相手に渡せるクリーチャー。書いてはいないが、オラクル変更によりファイレクシアンのクリーチャータイプを持っている。
黒1マナだけで出せ、かつ相手のアップキープ時に2点のダメージを与えるという効果を持つ。
欠点として「押し付けるクリーチャーとしてはパワーが高い」「自分が殴られる恐れがある」が、デメリットとしては弱く使いやすい。
何より軽いためブリムが殴れるようになったタイミングでポンと置きやすいのも非常に良い。
たまに「奇数マナ」「ダメージを与えるというテキスト」から『獲物貫き、オボシュ』に入っていたりする(画像は割愛)。

潜伏工作員、ザンチャ

先程の潜伏工作員のリメイクにして、ストーリー中の名前がちゃんとつけられたカード。こちらも書いてはいないがファイレクシアンのクリーチャータイプを持つ。
リメイク元の通り、出てすぐ相手に渡すことが可能で、且つ出した自分が殴られる可能性があったリメイク元と違い、こっちならば自分は殴られることはない。
さらに、余ったマナを使って出した先のライフルーズをしつつ自分はドロー出来るという、まさに潜伏工作員すぎる効果。ブリムデッキで無限マナを作れば、こいつでドローと対戦相手一人を倒すことが可能になる。
また、この効果は自分だけでなく誰でも使えるため、他のみんなと結託してひとりのライフを削ることも可能だ!やったね!
なお、もちろん渡された相手も起動できるため、そこはご愛嬌。

ヴィスラー・ターロー

ドクター・フーコラボでやってきた大型新人。自分の場に出すか相手に渡すか選べるという、とても偉い効果が書いてある。
自分の手札が少なければドローソースとして自分の場に置いてヨシ!その後ブリムで押しつけてヨシ!
別に手札が要らなければ相手に最初から押しつけてヨシ!と、ヨシ!ヨシ!ヨシ!の現場ネコもびっくりなヨシ!具合。タフネスが高くて能動的に殴りに行っても死ににくいというのも能力と噛み合っている。しかも、最初から相手に渡していれば使嗾され、自分は殴られないという至れり尽くせりな効果持ち。
凄いよWizards!この調子で「各ターンに自身がオーナーでないカードをコントロールしてるプレイヤーにデメリット与えるカード」も作ってくれ!

おまけ:アクロスの木馬

文字通り相手の盤面に「トロイの木馬」を仕掛けるカード。フレイバーは大好きだがいかんせん効果がささやかすぎるのと4マナ払ってまでやることじゃなさすぎる。しかも、送りつけた対戦相手以外の全員にも兵士トークンプレゼントしちゃうという博愛っぷり。その場合、中に入ってる兵士はどこの国の兵士なんだ。
正直デッキから抜くか迷ってるカードだが、「渡す相手を自由に選べる」「色事故が起きてもとりあえず渡せる」「自分の盤面にクリーチャーが増える」「パワー0で戦闘に参加できず、たとえパワーを上げても防衛を持ってるから殴りに参加できないカードを渡せる」というささやかなメリットにより、今の今まで抜かないでいる。
正直「オススメ!」とまでは言えないが、入れておいても良いかなくらいで捉えておいてほしい。

2、最初は自分の場に出てくるが、能動的に相手の場に移すことが出来るクリーチャー

謙虚な離反者

通称「裏切りドローハゲ」。なお、本体は髪を剃っているハゲの方ではなく、剃られている方。
ブリムデッキの貴重なドローソースであり、貴重な交渉の手段。
「こいつあげるから殴らないでくれない?」「こいつあげるから除去探してくれ」「こいつで土地を探しなさい……」等、八面六臂の活躍を見せるハゲ。
除去も1点飛ばすだけで可能であり、死んでほしいときに殺しやすい良心的なハゲ。ブリム自体が基本的に危険度が少ないのも相まって、結構手元に返ってくるのも良いところ。寝返ったまま返ってこなくてもブリムの効果のタネになる、本当に役に立つハゲ。
また、こいつの効果は自分のターン中ならインスタントタイミングで起動可能なため、ブリムの攻撃が通った瞬間にハゲのコントロールを渡すことも可能。
総評として、ただただ役に立つハゲである。

疫病の肉裂き

こいつ以外のクリーチャーに病気をばら撒いて自分以外を生贄に捧げさせる凶悪クリーチャー。生け贄だから破壊不能も無視だし、対象に取らないから護法も呪禁も被覆も関係なし。しかも起動はインスタントタイミングでいつでも可能。
欠点は、まず起動コストが手札2枚を捨てなければいけないと、かなり重いこと。だが、それは押し付けられた相手も同じであり、こいつが相手の盤面に出ると、すごくいやーな顔される。基本的にブリムデッキは盤面にクリーチャーが並びにくいため、自分に押し付けられることが少ないのもよい。
もう一つの欠点は、自身を生け贄に捧げたあと、押し付け対象のアップキープ時に墓地から蘇生するという形でコントロールが移るため、墓地追放で対処可能である点。こっちは統率者でコンスタントに入ってる妨害手段のため、刺さるときは諦めるしかない。
なお、コントロールが移ったターンは召喚酔い状態のため、こいつは殴れない。そのため、コントロールを移したターンにパワー6が走ってくることはない。

魔女エンジン

黒⑤と6マナ払って出てきたあと、タップで黒4マナを生んでくれるマナクリ。
このタイミングでそんなにマナ居るのって何を唱えるときなのさと思うがそれだけではない、なんとマナを出したあと誰かにコントロールが渡る!そりゃここで紹介してるから、皆さん分かっていただろうけどね。
だが、こいつはそれだけではなく、なんと沼渡りも持っている!あの、こっちはほぼ確実に沼をコントロールしているんですが……、それのコントロールを渡すのはどうなのさ……。
とまぁ、ここまで言うと微妙に見えるが実は無限マナを生み出すパーツの一部になっている。必要パーツは『死体のダンス』と『アシュノッドの供犠台』で、手順は以下、

  1. あらかじめ、戦場に『アシュノッドの供犠台』を置いておき、戦場に『魔女エンジン』がいる状態にする。

  2. 『魔女エンジン』で黒4マナを生むと同時にコントロールが渡る効果に、『アシュノッドの供犠台』の効果をスタックし生け贄に捧げる。この時点で黒4マナと無色2マナ。

  3. 手札の『死体のダンス』をバイバック付きの5マナで唱える。今死んだばかりの『魔女エンジン』が対象になり、速攻を得る。この時点で黒1マナが浮いている。

  4. 1〜3を繰り返すことで無限マナ、無限サクリが可能になる。

決まるかどうか・無限マナの吐きどころがあるかはさておき、デッキに統率者とシナジーを持つカードと同時に無限マナを出す手段を投入できるのは大きい。
また、他の人から奪ったクリーチャーを他人に貸し出すタイプのブリムデッキにする場合、単純にパクったクリーチャーをサクる手段としても『アシュノッドの供犠台』を用意しておくのはかなり有効である。『魔女エンジン』自体の重めのマナも、他のクリーチャーをサクって賄うという考え方も可能だ。
総評として、そんなに強くないが無限マナのパーツでありながらブリムと相性が少し良いという理由でおすすめできる。

3、最初は自分の場に出てくるが、勝手にコントロールが移るクリーチャー

裏切者、カーン

ウォーハンマーコラボによって得た、2枚目の裏切りドローハゲ。名前が「カーン」で、二つ名が「裏切者」なのも、某銀のゴーレムを思い出してとてもおもしろい。
現状では唯一勧めることが出来る、特定条件下で誰かに勝手にコントロールが渡ってしまうカードである。
こいつのしぶとさと使いやすさは使ってみるとよく分かるのだが、おすすめできる理由は以下、

  1. コントロールを失ったときに、元々のコントローラーが2ドローというメリット効果がある

  2. こいつ自体の効果により、戦闘やダメージ除去では死なず、盤面に残り続けることが出来る

  3. ダメージを軽減するという効果のため、接死や絆魂の効果を受けない。

  4. 戦闘を強要することができ、ブロッカーに回させないことが出来る

  5. こいつ自体のダメージは軽減されないため、体力が5以下のクリーチャーにブロックさせると普通に除去ができてしまう

  6. こいつにダメージを与えた相手に渡さなければいけないわけではなく、渡す相手は自分で選ぶことが出来る(ダメージ発生源のコントローラーに渡す必要はない)

という、とにかく使いやすい能力を持っている。欠点は2つあり、「元々のオーナーである自分も殴られる可能性がある」という点と「裏切りドローハゲのように、死んでほしいときに殺すことが難しい」事が挙げられる。
前者ではクリーチャーが並びにくいブリムデッキではブロックが難しい事もあってライフを削られ、後者ではもう相手にドローしてほしくないときでもドローをさせ続ける献身的なハゲを眺めることになる。
ただ、それらのデメリットを許容できるレベルでメリットが大きいため、とにかくオススメの1枚である。
元祖の「裏切りドローハゲ」と一緒に盤面をぴょんぴょんさせよう!

最後に

以上が、現状で私がオススメできる相手の戦場に勝手に渡ってくれるカードこと、潜伏工作員達です。
これらの他にも勝手に相手にコントロールが渡るクリーチャーは勿論ある。画像や説明を省略するが『ラースのスターク』や『奈落に住まう騙し屋』は採用をしようか迷って見送っている。
それらの理由はここでは語らないが、ぜひあなたのデッキに入れるかどうかは、自分のデッキの型と相談しつつ検討してみてほしい。
次回は、ブリムを補助する、ブリム以外の「カードのコントロールを押し付けるカード」を紹介したいなぁと思っている。
最後に、今回の記事が皆さんの喜劇の配役を埋められたなら幸いです。どうか少しでいいのでブリムのことを考えてあげてください。そして、デッキレシピを挙げてください……。
それでは、また次の記事で。

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