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いつかのあなたへの手紙(その③ お父さんとの生活がスタート)

ひろくんへ

いつの日か、ひろくんに産まれたときのことを伝えることがあるでしょう。その時にちゃんと伝えられるように手紙を書いておきますね。

ひろくんが産まれた時のこと、産まれてからしばらくのことは、前の手紙で書きましたね。


今度は、じいじとばあばのお家からお父さんと暮らすお家に帰って3人暮らしが始まったときのことを書きます。


ひろくんが産まれてすぐ、お父さんはとっても仕事が忙しくなってしまいました。
産まれてからの1ヶ月半の間に、会いにこれたのは3回くらい。
会いたいなと思ってくれてても、お仕事のお休みがなくてなかなか会いにこれませんでした。
なので、朝のひろくん、夜のひろくん、など写真や動画を送って、ひろくんの様子を伝えていたんですよ。

ひろくんが産まれて1ヶ月と半分を過ぎた頃、じいじとばあばのところでの生活を終えていよいよお父さんと3人暮らしが始まることになりました。
でも、お父さんはひろくんが毎日どんな生活をしてるか、
どんな風にねんねして、どんな風におっぱいを飲んで、どんな風にお風呂に入って…ということをほとんど知らないまま。
お母さんも、お父さんのお仕事がどれくらい大変かちゃんとわからないまま。
そんな状態で3人での暮らしが始まりました。

お父さんのお仕事は、思っていたよりもずっとずっと忙しくて、
ひろくんが起きている時間に帰ってこれないのはもちろん、そもそもおうちに帰ってこれない時も何回もありました。

これまでじいじやばあばに助けてもらいながら、ひろくんのお世話をしていたのに、いきなり全部一人でやることになってしまって…
お母さんはどうしたらいいのか、これからちゃんとひろくんを育てていけるのか、不安でめそめそしてしまう日もありました。

でも、そんな不安を乗り越えられたのは周りの人に助けてもらったからです。
じいじやばあばが手伝いに来てくれたり、児童館でいろんな人にお話を聞いたり。
お父さんもお休みの時はできるだけ一緒にひろくんと遊んでくれました。

それでも、なかなかひろくんと関われないお父さんには、お母さんが知ってるひろくんのことを紙に書いてまとめたり、お休みの日はできるだけたくさん抱っこしてもらったり、お散歩に行ったり、そういう時間を積み重ねて少しずつお互いを知っていきました。

そして何より、毎日毎日ぐんぐんと大きくなるひろくんがお母さんに元気と勇気をくれました。

ひろくんはお母さんのおっぱいをぐんぐん飲んで、ぐっすりねんねして、本当に毎日毎日、大きくなっていきました。
体が大きくなっただけじゃなく、たくさんお話してくれるようになったり、手足をバタバタさせて遊んでいたり、お風呂が好きで顔を洗うときゃっきゃと笑ったり、お腹が空いたと大きな声で泣いたり、抱っこしてほしくてベソをかいたり、遊んでほしくて甘えたように泣きながらお母さんを呼んだり。
本当にいろんな表情をみせてくれるようになりました。

ひろくんの成長をこんなに近くで感じられて、お母さんは幸せです。

そして、ひろくんがもう少し大きくなったら、をいろいろ考えています。
どんな声でお話してくれるかな、
どんな色が好きかな、
どんなスポーツが好きかな、
一緒にお歌が歌えるようになったら何の歌を歌おう、
おててを繋いで一緒に散歩ができるようになったら楽しいだろうな、

そんなことを考えると、大変なことも不安なことも吹っ飛んで、楽しみなことがたくさんの幸せな気持ちになります。
元気がわいてきて、どんなことも頑張ろうと思えます。

元気に育ってくれて、ありがとう。
お母さんのところに産まれてくれて、ありがとう。
お母さんをお母さんにしてくれて、ありがとう。

ひろくんはお母さんにとって、とてもとても大切な存在で、
お母さんに頑張る力をくれる希望です。


お手紙の3通目は、お父さんとの3人暮らしが始まったときのお話でした。

また、手紙を書きますね。

お母さんより

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