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【綿町ダイアリー】#532 父の書架と父の人生

連載日記『綿町ダイアリー』✏︎姫路市綿町でブライダルプロデュース「スウィートブライド」と「綿町珈琲」と婚活サロン「姫路の縁むすび」を運営しています。ウェディングプランナー&カフェマスター&婚活プランナーの三刀流の日々を綴ったエッセイです。

先日、実家に立ち寄ったとき
久しぶりに父と2人、本棚部屋で語り合った。

実家に立ち寄った本当の目的は
僕所有の村上春樹本を持ち出すためだったのだけど
父と話す機会はあまり無いからイイ時間になった。

父の膨大な書架の片隅に、
子供の頃から読んでた僕の本も置いてあるんだ。

しかし、
僕所有の本が父の方に混ざっていたりして
そこは置き方が少し乱雑になっていた。

「風の歌を聴け」や「羊をめぐる冒険」の
単行本は僕のじゃないの?と思ったり・・・

まぁ親子だからそれはいいとして、
久しぶりに父と本の話で盛り上がったな。

父が好きな作家は
伊集院静、沢木耕太郎、宮部みゆき、村上春樹、
志水辰夫、北方謙三、江戸川乱歩・・

エンタメや推理もの、時代ものが多い。

僕は太宰や三島等の純文学ひと筋だから、
同じ本好きでも父とは少し分野が異なる。

だから、父の書架にある本は、
僕にとっては未読の本だらけな訳だ。

父は80歳を過ぎたあたりから終活を意識してて
この本も全て古本屋に売るべきか考えていた。

本を売るのをどう思うか?と聞かれたので
いやいや、このまま置いといて!
と、お願いした。

父が亡くなれば、これ以上の形見はない。

僕は将来、
この書架の左上から全て読破しようと思っている。

そこには父の歴史が詰まっている。

そう思うんだ。

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