【綿町ダイアリー】#97 マチネの終わりに
深夜0:10。
窓の向こうから雨音が聞こえる。
ふっと窓を見やると、サッシの下の本棚に飾ってある「マチネの終わりに」が目に入った。
僕が愛した本。
バッハを聴きながらこの本を読む時間。
それは僕にとって豊かで贅沢な時間だった。
久々に大泣きもしたし。
そのあとどの本を読んでも「マチネの終わりに」の余韻が消えることはなかった。
そんな本に出会えるって、奇跡的なこと。
しばらくして福山雅治さん主演の映画を観た。
音のない小説から音が溢れてくる。
それもまた奇跡のようだった。
ーーー 深夜、雨はまだやみそうにない。
小説の主人公蒔野がクラシックギターで奏でる『幸福の硬貨』を聴きながら、このダイアリーを書いている。
奇跡の余韻を感じながら。
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