見出し画像

中目黒はキラキラできなくても、いい街だった話

中目黒は、都民にとっては通称「ナカメ」と呼ばれ、
先日、メンバー・くまさんが書いていた通り都内屈指のおしゃれスポットとして広く知られた街です。

大阪出身、360度、どっから見てもバッキバキの田舎者の私が上京した当時、ちょっと見上げてしまうような場所にも思えてました。

そんな田舎者が初めて“ナカメ”に降り立ったのは2007年の春。
そして。
初めて中目黒で携わった仕事は、最悪でした。

世間知らずの地方雑誌編集者が
上京1年目にして著名なスタイリストの事務所を訪れ、
勝手に委縮してしまい、手順を間違えまくり、
相手への敬意よりも「自分が失敗したくない」一心で仕事に就く。

「決められた手順の遵守」しか頭になかった私は、
後手ばかりのしどろもどろ。
失敗の連続で、社内にも先方にも迷惑ばかりを掛けました。

打合せ中は途中頭が真っ白になったり、
事務所を出た後は緊張の糸が解け、そのままなんだか惨めな気持ちになり、とにかく茫然としてしまいました。
日比谷線に乗って会社に戻りたいだけなのに、
中目黒→恵比寿→広尾→六本木の数駅が上手く乗れない。

寝過ごして「中目黒→三ノ輪」という全く知らない駅にたどり着き、
やばい!!!と、折り返すも途中で寝落ちて
もう一度「中目黒駅」にたどり着く。
片道7分の道のりを1時間半ほどかけて会社に戻りました。
もう。手の施しようがない。

1ケ月後。
隔月だった雑誌はいつも通り店頭に並び、
私の担当ページは、皮肉にも高評価を得ることになり、
職を失わずに済みました。

それでも、私は知っていました。
結果よりも、経過は最低だった。

私は、上京したてでした。
でも。そんなことどっちでもよくて。
見栄を張ろうとせず、涼しい顔をしようとせず、
ばか正直に挑めばよかったんです。

東京生活13年。
東横線を通勤として使うようになり、
数えきれないほど「中目黒駅」を通過しましたが、
あの失敗を忘れたことは一度もありません。

中目黒は、おしゃれな街です。ステキな街です。
でも。
春になり、上京し、何らかの形で中目黒に立ち寄って、
ちょっと腰が引けてる、ものすごい鈍臭い人も多分います(^^)

キラキラしてなくても、
鈍くても、何にもハイセンスじゃなくてもいいですよね。

気張り過ぎず、悩み過ぎず。
そのなかで、
自分がやれる幾つかのことだけには、真剣に。
この春、はじめて中目黒にいらした皆さんにとって
ステキな新生活が始まりますように。

中目黒土産店/さわ


いただいたサポートは、新しい商品作りのために全額投資させていただきます!ご支援よろしくお願いします☆