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(マンション建替え)『建替決議』否決

 「マンション建替え」は区分所有者数かつ、議決権数の4/5の賛同で可決されます。
1/5以上の反対、態度保留者がいれば『否決』です。僅差での『否決』となった場合、「建替え」に再生の活路を見出していた4/5近くの賛同者の方たちが取るべく次の手立てはどういうものになるのでしょうか?1/5超えた反対者の方たちは自分たちの意見が通ったことに対して、次のステップをどのように指示(さししめ)してくれるのでしょうか。

 通常のマンション管理業務は、総会の出席人数の過半数の賛同で議決されます。管理規約等、重要なものについては特別決議として、3/4の賛同による議決で進めます。「建替決議」の4/5というのは、かなり、ハードルが高いものです。

 圧倒的な反対者数での『否決』であれば、管理組合としては次の方策を容易に決しやすいと言えます。しかし、「建替決議」を進めようとする管理組合の理事等の執行者は、かなりの時間、労力をかけて、準備を進めていた議案化で、ほとんどの管理組合では簡単に『否決』されるような状態では議案化したりしません。ほぼ4/5の形が見える時に議案化はされているのです。 
そんな中で、『否決』となった場合に取るべき道は次の3つです。

(1) 再決議
  再決議するためには、議案の周知期間と説明会が必要です。議案をつくるための理事会は準備しなければなりません。何よりも、賛同者の意思確認と態度保留者への意見確認期間を考えると1年は期間が必要になります。
   しかし、なにより、理事等の執行者のモチベーションをどう維持していくかという大きな問題と向き合わなければなりません。「否決」という結果に対して、あきらめ感が充満しています。立ち直りにはより大きなリーダーシップが不可欠です。

(2) 大規模改修、修繕
『否決』されたからと言って、「大規模改修」「大規模修繕」に進むのは厳しいです。「大規模改修」「大規模修繕」で再生をはかっていくということは、「建替え」決議を迎える途上にかなりの議論、検討を間違いなくしています。その末に、「大規模改修」「大規模修繕」ではなく、「建替え」へと舵を切っているはずです。そんな状況で、否決されたからという理由で、すぐに「大規模改修」「大規模修繕」にすすめようという機運には、まずなりません。
「大規模改修」「大規模修繕」を進めるためには、建物の存続をどこまでの将来に置いていくかを含めて考えなければなりません。それによって、徹底的に存続させていくのか、期限を切るのかについて議論と検討を尽くしていかなければならないでしょう。しかし、それを進めるリーダーが果たして出てくるのか疑問です。おそらく、反対者からはでてくることはありません。反対者は「建替え」にしろ「大規模修繕」にしろ、費用がかかってくるものについては常に消極的だからです。さらに、「建替え」賛同者からはまず、出てこないでしょう。
わたしは「建替決議」の否決後に、「大規模改修」「大規模修繕」に進んで行くことはあり得ないと思っています。リーダー不在が大きいでしょう。

(3) 現状のまま(何もしない)
結局、「再決議」を目指さない限りにおいては、何も決まらないだろうと思います。再生存続のための「長期修繕計画」を作成されたとしても、成立することはないと思います。
場合によっては、個々で売却が始まっていきます。誰しもよくなる見込みがないところへ留まる理由はありません。さらなる年数経過で「建替え再決議」か「敷地売却決議」を担うリーダーが現れるかもしれません。それを待つか、管理不全となってしまうかだと思います。

否決された後の進め方は、管理組合運営の目的をしっかりと再確認しなければなりません。建物を徹底的に修繕していくのか、最低限だけでなんとか進めていくのか、それとも、いつでも解体できるように、その費用だけは積み立てる計画をするとか・・・。


何も手を打たなければ、管理不全建物になるだけです。

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ナカマーク
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